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今回紹介いたしますのはこちら。

「軍鶏」第34巻 たなか亜希夫先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。

さて、バカ兄弟との戦いを繰り広げていたリョウ。
そのむちゃくちゃな戦いぶりに苦戦し、多量の出血をしてしまいました。
何とか立て直して戦いを有利に進め始めたものの、そこでバカ兄弟はさらなる無茶な行動をして来たのです!
それは、戦っていた工場を丸ごと爆破!!
爆炎に包まれた工場、リョウたちは……?


襲いくるすさまじい衝撃、燃え盛る工場。
もうもうと立ち込める炎と煙の中、リョウは目を覚まします。
何とか立ち上がるのですが、全身を襲う痛みに思わず叫びをあげてしまいます。
無茶苦茶しやがって、と毒づきながらゆっくりと工場内を歩き、二人を探すリョウ。
すると、もうもうと立ち込める煙の向こうから、にいちゃん、と言う弟のか細い声が漏れ聞こえてきました。
あのしぶといしぶとい弟、やはりこの爆発でもノックアウトとはいかないようです……!
リョウは手近にあったバールを手にし、警戒を強めながら声のほうへと近づいていきます。
晴れ始めた煙の中から、顔をのぞかせる弟!!
リョウはすかさずバールを振りかざし、戦闘態勢に入るのです、が……
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煙の中から完全にその姿を現す弟の、その腹に……太い鉄柱が、深々と突き刺さっていたのです!!
そのことに気が付いていないのか、弟は兄より先にリョウと鉢合わせしてしまったことをぼやきました。
しかし、気が付いていないから平気……とは行かないほどの大怪我を負っている弟……大量の血を吐き出してしまうのです。
自らが吐き出した血を見て、ようやく弟は自分に異変が起きていることに気が付き……地面に膝をつきました。
もはや動くこともできません。
バールを片手に持った凌駕その間もじわじわと近づいてきます。
弟にできることと言えば……それ、やばいとうめくことくらい。
リョウはその右手に握ったバールを構え……後頭部へ向けて振り下ろしました!!
目をつぶり、襲ってくるであろう衝撃に備えていた弟ですが、来るはずの衝撃はなかなかやってきません。
恐る恐るその目を開けると……
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リョウはバールを、ヒットする直前で止められているではありませんか。
弟はそれを見て、何故止める、俺はまだやれると強がり、てっちゅうをひきぬこうとするのです!
……が、そんなことをすれば一気に死が近づくだけ。
幸か不幸か弟にはそんな力は残されておらず、そのまま地面に倒れこんでしまいました。
完全に戦闘不能に陥った弟は、兄ちゃんと声を漏らす以外のことはもうできないようで……
このまま放っておくのも寝覚めが悪いと思ったのか、リョウは動くなと弟に言い残し、兄を探すことにします。
大声で、大切なバカ弟が死んじまうぞ、バカ兄貴いるか!と叫びながら探すものの、全く反応はありません。
重い体を引きずるように工場の中を歩き、兄を探していると……爆発で折れた鉄骨が折り重なっている下に、それらしき手足を見つけることができました。
起きろバカ兄貴と声をかけながら瓦礫をどかしてやり、胸ぐらをつかむと、ようやく兄は目を覚ました。
目の前にいるのは今まで命懸けの戦いを(弟と)繰り広げていたリョウ。
おまけに自分は額から流血していますし……兄はとにかくめちゃくちゃ慌てまくり!!
血が流れてるし、リョウはいるしで、死ぬ死ぬとわめく兄なのですが。たまらずそこでリョウがつっこむのです。
死にそうなのはバカ弟のほうだ!!
……なんだかんだ言っても、弟想いの兄でもあるこのバカ兄貴、その言葉を聞いてはおびえてなどいられません。
急いで弟のもとへ向かうのです!!

たどり着いてみれば、確かに弟は虫の息。
はあはあと荒い息をつき、うつろな瞳で空中を見つめるばかりです。
もうこうなっては流石のバカ兄弟も仕事どころではありません。
鬼は慌てて携帯電話を取り出し、救急車を呼ぼうとするのですが……
そこでリョウはひょいと携帯電話を取り上げてしまうではありませんか!
血相を変えて返せと迫る兄。
リョウはそこでニヤリと笑い……取引を持ち掛けてくるのです。
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二度とオレたちにかかわらないと誓えば返してやる。
バカ弟はギリだぞ、どーするお兄ちゃん?
ニヤリと不敵に笑うリョウ。
……この泥沼の戦いは、こんな形で決着がつくことになるのでしょうか?


ということで、バカ兄弟編が決着する本作。
そしてなんと本作は今巻で完結となります!!
バカ兄弟との戦いが決着し、リョウを取り巻く環境から脅威は取り除かれたと言っていいでしょう。
ペロを飼い始めたことで妹の症状も回復に向かい、リョウを必要としてくれるサキと言う存在も加わりました。
この事件が解決すれば、今までのリョウの生活とは打って変わって、安らぎのある生活が待っているかもしれません。
……ですが、人の命を奪い、多くの人物の運命を捻じ曲げてきたリョウに……本当の安らぎが訪れるでしょうか?
バカ兄弟との戦いを終えたリョウは、自分の運命と向き合うこととなります。
リョウの帰りを待つ先やトーキチ。
リョウはそんな彼らのもとに帰ろうとするのですが……
いつ始まったかもわからない、長い長いリョウの孤独な戦い。
その戦いの旅が、ここで終わるのです……


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!