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今回紹介いたしますのはこちら。

「事件記者トトコ!」第3巻 丸山薫先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。

さて、腹ペコ新聞記者・トトコの活躍と暴走、周囲のフォローなんかを描いていく本作。
宿敵(?)、大暗黒仮面友小競り合いやら、トトコ以外の惚れた腫れたなんかをやっている中で、今巻は!?


トトコと入野は、以前の事件で知り合ったアダムとエバの店に来ていました。
猛獣カフェ、と銘打ったこのお店は、おいしいコーヒーを、獣のコスプレをした店員が振舞ってくれるというコンセプトのお店なのですが……
実はこの姿、コスプレなどではなく……生、なのです。
人目を隠れて生活していた獣人たちが身を寄せ合い、堂々とひそかに生活しているこのお店。
今回二人がわざわざこのカフェを訪ねてきたのは、近所の公園で女性がハンドバッグを奪われる事件があったからです。
何か変わったものを見なかったか?と尋ねようとする入野ですが……そこに新たな客がやってきます。
それは、トトコたちとも知り合いの谷津橋警部です。
彼はマスターに向かって警察手帳を見せたかと思うと、こんなことを言い出しました。
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強盗事件の重要参考人として出頭してもらおう、と!!

翌日の各社の新聞は、強盗の黒豹男逮捕、の一報が躍っていました。
彼らがこんなことをする人間(獣?)ではないことをよく知っている入野たちが記事を書いた大東都新聞だけはちょっぴりやわらかめの表現となっています。
……犯人は、黒豹のような扮装をしていた。
そんな被害者女性の証言が決め手となったようですが……
彼の冤罪を解くため、そして真犯人と言う大スクープをゲットするためにも、さらなる調査に向かうのでした。

アダムが心配なのはエバも同じ。
いや、エバのほうがトトコたちよりも数倍憤っております。
いまだ怒りは冷めやらず、猛獣カフェを訪ねた入野たちを取材にやってきた有象無象の記者と勘違いして水をぶっかけるほどで……
トトコたちが真犯人を探すとなると、あたしも一緒に真犯人を探す!と半ば強引に同行を決めるのです!

霊の被害者女性に聞いてみますと、犯人は紛れもなく恐ろしい黒豹の姿をしていて、その両手にはぎらぎら光る長い爪が伸びていた、とのこと。
ハンドバッグを奪われて、恐ろしい声で何かを叫びながら追いかけてきた……
きっとあんなことやこんなことをするつもりだったんだ!!と一人勝手に盛り上がる女性ですが、エバは面白くありません。
アダムはちゃんと爪を手入れしているし、ハンドバッグを奪ったり乱暴したりするはずがない!とあばれます。
これ以上ここにいると彼女が何をしでかすかわかりませんので、被害者女性にこれ以上尋ねるのを辞めるのです。
他にも黒豹男の目撃者に話を聞いてみますと、木の上でこちらを見下ろしていただの、黒い影が物凄い速さで追いかけてきただの、木の陰から黒づくめの男が飛び出してきただの……と、女性の一件以外は実害がなく、毎晩のように出没していたことがわかりました。
エバは短絡的に、じゃあ今晩も出るな!と鼻息を荒くするのですが、これだけ騒がれてしまえば……さすがにそれはどうでしょう。
ですがトトコも、きっとくる、犯人と鮭は現場に戻るっていうから!と謎の格言を出して公園に走って行ってしまい……
入野もやむなくついていくことにしたのでした。

たどり着いたときには、すっかり夜。
そんな都合よく表れるわけがない、と入野が呟いたその瞬間のことです。
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出ました、黒豹男。あっさりと。
突然の出現に、あたふたしながらカメラを準備する入野、そしていち早く飛びつくエバ!!
つかまえた!と彼を組み伏せようとすると、その男は手から某ミュータントのように爪を伸ばし、ひっかいてきたではありませんか!!
エヴァは素早くそれを避けましたが、避けきれなかったようで胸のあたりが破れ、露わになってしまいます。
かっとなったエバは改めて男に飛び掛かるものの……
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黒豹男はおよそ普通の人間とは思えない身のこなしで空高く跳躍し、夜の闇へと消えて行ってしまったのです!!
出し入れ可能な爪、人間離れした脚力。
……アダムは今囚われの身(抜群のお茶入れ技術で警察の皆さんに感心されたりしてますが)、あの謎の男は一体……!?


というわけで、新たな悪役が現れた今巻。
敵に見味方にも基本的に根っからの悪人はいない本作ですが、今回の黒豹男は果たして!?
やってることの規模の小ささからして、ものすごいあくどい存在ではなさそうですが……
大暗黒仮面以外のいろんな意味での難敵となるのかもしれません!!

そしてこの他にも入野のライバル的存在の葛城が登場する話や、社長が桃園デスクの粗鋼を調査させる話、そしてあの常におなかをすかせているトトコがドーナツを要らないと断る衝撃の幕開けをするお話などが収録。
今回もトトコはいつも通りキュートでダメダメながらもポジティブで、間の抜けた悪党たちと、ドタバタしたコミカルなやり取りを繰り広げてくれるのです!!
今回はトトコの謎カメラや桔梗さんの活躍する場所はあまりありませんでしたが、そのあたりは今後のお楽しみといったところでしょう!!
とぼけた事件にかわいらしい女の子たちの活躍が、これからも期待できそうですね!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!