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今回紹介いたしますのはこちら。

「だがしかし」第2巻 コトヤマ先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、突然現れた駄菓子大好き美少女・ほたるが、シカダ駄菓子の一人息子、ココノツに駄菓子屋を継がせるため奮闘していく本作。
ココノツは駄菓子が嫌いというわけではないものの、漫画家になるという夢を持っていて、駄菓子屋を継ぐ気はありません。
ほたるは同じ志を持つココノツのお父さんとともに、なんとかココノツに駄菓子愛を叩きこもうとするのですが!?


喫茶エンドウ。
ココノツの幼馴染である、豆とサヤの兄妹の家が営んでいるお店です。
そのお店の片隅で、なにやら白熱している豆とココノツ……
どうやらカードゲームに興じているようで、大盛り上がりをしております。
そんな彼らを横目に、カウンターに腰掛けるほたる。
二人を見て楽しそうだねぇとつぶやくサヤに、ほたるはオーダーをします。
アイスコーヒー2つ!
ビシッと二本の指を立てて注文するほたる、サヤはなぜ二個なのか不思議がるのですが、ほたるの次の言葉を聞いて納得します。
こっちに来て一緒に飲みましょう、という!

サヤ師とは一度ちゃんと二人で話してみたかった、というほたる。
師、という謎の敬称はともかくとして、二人でちゃんと話したかったというのはサヤも同じでした。
やっぱり女同士で話したいこともあるわよね、と前置きをするほたる、サヤもまた女子トーク?いいねいいねと乗り気になるのです、が!
ほたるはこんなことを聞いてきました。

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サヤ師は、ココノツ君とは昔から仲いいのよね。
……周囲から見るとバレバレですが、サヤはひそかにココノツに思いを寄せております。
そんな彼女が、この質問を聞いたら……そりゃ当然、固まってしまうわけです!
いきなり来たな、どういう意味だ?
仲はまあいいけど……もしかして、ほたるちゃんもココノツのことを……?
いろいろな思いが頭の中を駆け巡ります。
そんな頭の中を駆け巡るいっぱいの言葉とは裏腹に、サヤの口から洩れたのは、絞り出すような「あ……うん……」という返事のみ……
それを聞いたほたるは、真剣な顔で言うのです。
なのに、どうして……?

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私、サヤ師が駄菓子を食べてるところ、一度も見たことないわ!!
どうやらほたる、すぐ近くに駄菓子屋の息子と言う存在がいて、歯科も仲良しであるにも関わらず、駄菓子とほとんど縁のない生活を送れてきているというのが不思議でならないようなのです!!
予想していたものとは全く別の意図でこの質問が投げかけられていたことを知ったサヤは、なんでですかね、とこれまた絞り出すのがやっと。
サヤの気持ちなど一切関係ないとばかりにほたるは話を進め、そんなサヤ師にうってつけの駄菓子を持ってきている、と荷物をあさり始めました。
取り出したりますは……セブンネオン。
細長いカラフルなビニールの筒の中に、白いなんか変なの(失礼!)のは入っているあれです!!
……受け取ったはいいものの、サヤにはどうやって食べていいかわかりません。
ほたるの顔をうかがってみますと、息も荒く涎持たれるほど、どう食べるのか期待してこちらを見ています……
サヤは探り探り、このビニールの部分をはがすのか?と先端のビニールをつまみ、剥きとろうとしました。
するとどうでしょう、ほたるの顔は一転して落胆……いや、絶望に近い蒼白の表情となっていまして。
これは違う!と察したサヤ……悩んだ挙句、ビニールは剥かずに口にくわえ

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こしとって食べたのです!!
それこそがセブンネオンのパーフェクトな食べ方だ!!と絶賛するほたる。
ですがサヤには、期待を裏切らずに済んだ安堵も手伝ってか、一つの疑問が湧き上がるのです。
これが正解の食べ方って、ずいぶん食べにくいんだね、これ。
そんな素直な疑問を聞いたほたるは、にやりと笑っていいところに気が付いたわね、と解説を始めてくれました!
実は駄菓子と言うのは、あえて食べにくくしているものも存在している。
そもそも駄菓子と言うのは、安くて手に取りやすいというところが魅力。
しかしそうなると、どうしても量が少なくなってしまう……
そのセブンネオンも、本来ならせいぜいスプーン一杯分程度の量しかないはずで、それをスプーンに森でもしたら一口で終わってしまい、あまりに味気がない。
「いかに長時間楽しめるか」。
それも駄菓子の重要なテーマの一つなのである!!
そんなご高説を賜り、サヤは……なんかめっちゃ食いついてきました!!
凄い、都市伝説の番組見たい、ほたるちゃんかっこいいよ!、もっとなんかないの!?
その食いつきに嬉しくなったのか、ほたるも更なるうんちくを披露。
セブンネオンのパッケージの上のほうに記してある、「ABCDEFGH」と言う謎のアルファベットの意味、それは……!!
……ともかく、なんだかんだと二人は仲良く打ち解けていったのでしたとさ。


というわけで、今回も駄菓子をメインに据えてグダグダな日常を描いていく本作。
第2巻ともなれば、ラブコメ成分も強まってくるのではないか……と言う気もしないでもないのですが、そんなことはありませんでした!!
サヤはひそかにココノツのことを思い、ココノツはほたるのそのグンバツのお胸にリビドーをたぎらせる……
そんな程度のあれこれはあるものの、何せ話の中心にいるのがほたるですから、人間関係がどうにかなるはずもなし!!!
結局はほたるのすさまじいマイペースぶりに振り回され、駄菓子を味わったり味わう間もなかったりして日は暮れていくのです!!

で、肝心の駄菓子はと言いますと、今巻もマイナーなものからメジャーなモノ、そして値段もそれこそピンからキリまでの幅広いものが登場します。
由緒正しい大ヒットお菓子「ボンタンアメ」、誰もが一度はCMのまねをしたことがある……かもしれない「ねるねるねるね」、ちまちま食べるもよし、ガッツリ一気に行くもよしの「チョコベビー」、何が面白いのか「面白ボーイ」、果たしてこれは駄菓子なのか駄ではない菓子なのか「ヤンヤンつけボー」……
さらにラインナップの守備範囲を広げ、駄菓子屋で取り扱っている遊具の類も登場。
てはじめとばかりに今回はけん玉が登場し、意外な人物の意外な特技が判明することに!!
守備範囲を広げたことで、今後もタコやらあの発泡スチロールの飛行機やらで遊ぶというお菓子を食べる以外のお話の方向性も見えてきました!!
基本舞台が夏なので凧上げはどうかなと言う感じですが……
その辺も含めて、バリエーションの増えるであろう本作のこれからに期待しちゃいます!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!