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今回紹介いたしますのはこちら。

「DRAW(ドロウ) 魔女の眠る海で」第2巻 原作・奥瀬サキ先生 作画・阿倍野ちゃこ先生 

秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行です。

さて、詠ドロウと吉良女舞ことドロワと言う二人の魔女と知り合い、翻弄されることとなった海。
海もまた風と言う妹の形をした千里眼を操る能力を持っていて、彼女たちに惹かれてしまうのですが、そんなときに起きてしまったトラブル。
ドロウに危機が襲い掛かろうとしたその時現れた、砂の巨人ドロール。
ドロウの意識とは独立して動くそのドロールは、ドロウを守るために殺人を行ってしまい……


ドロウの「姉」だというドロールが、海に放り投げ、頚椎を折って殺めてしまったはずの男子、後藤。
その後藤が、なぜか当たり前のように学校にいる。
その姿を、風が見ていました。
そんな後藤とともにいたのは……吉良女。
魔女であるらしい彼女が何かをして、死んだ後藤を動かしていることは間違いなさそうです。
そう言えば吉良女は、海に行っていました。
3つの黒魔術の一つ、胃の魔術で殺すつもりだった、と。
ドロウもまた、その3つの黒魔術のうちの一つが、いや、一つしか使えないと言っています。
人を殺す魔法、肺の黒魔術を。
そこで会は一つの可能性に思い当りました。
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吉良女はもしかしたら、ドロウを狙って転校してきたのではないか……?

ドロウは彼女を試してみることにします。
今までずっと、体が弱いからと体育の授業を見学していたドロウ。
ですが実際は、カラダの限界を超える能力を出す力があり、期せずしてその能力を使って体を壊してしまうのを防ぐために運動をしないようにしていたのです。
ですが今日は、吉良女がどういう意図を持っていて、魔女としての力が本物なのかを調べるために体育に出ることを決意しました。
問題は、体育の授業は男女別ということ。
心配する海ですが、そんな彼を心配させまいとしたのか、ドロウは颯爽と走り去って行ってしまうのです。

体育の授業はサッカーでした。
その美貌と、人当たりの良い(風を装っている)吉良女はすでにクラスの女子にある程度の派閥を作っていました。
そんな彼女は、チームのキャプテンを務めることになります。
それを見たドロウ、チームを組んだ女子たちに自分がキャプテンをやっていいかと提案したのです。
ドロウもまたその美貌と、凛とした態度から彼女を「詠様」と呼ぶようなファンが付いていて、その提案はファンからすればうれしいもの。
ドロウも自分の体は大丈夫だ、と言うのですから、断る理由なんてありません。
ドロウがキーパーを行い、他の皆で攻めて点を取って勝つ、と言う作戦を立てるのですが……?

第一試合はサッカー経験者も多いチーム。
本人が望んだわけではないにしろ取り巻きを多く作っているドロウを憎らしく思っているものもおり、いきなり全力で攻め込んでいきます。
素人ばかりのドロウチームは全員あっさり抜かれてしまい、早くもキーパーのドロウと一対一の状況に。
経験者チームの選手は思いっきりドロウの顔面に向けてシュートを放つのです!!
が、ドロウはそのシュートを読みきっており、難なくキャッチ!
チームメイトに走るように指示し、思い切りボールを放るドロウ!
するとボールは一気にチームのゴール前へと落ち、ドロウチームの女子たちはキャーキャー言いながらそのボールをゴール内に押し込むことに成功したのでした!!

順調に勝ち上がったドロウチームは、決勝で吉良女チームとぶつかることに。
試合前にキャプテン同士が握手を交わすのですが、その時に吉良女はこんなことをささやいたのです。
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しばらく学校を休んでいたから心配していました。
もしかしたら事故にでもあったんじゃないかって。
海に投げ飛ばされて首を折ったり、とか……
やはり吉良女は、あの事件を見ていた!?
思わずその手を振り払ってしまうドロウですが……

試合が始まった直後はそれほどおかしな展開はありませんでした。
ですが吉良女は事故を装って味方選手の顔にボールをぶつけ、騒ぎになっている隙に特典を入れるというダーティな手段をとってきます。
そして、再開した直後でした。
吉良女は、詠賽温……ドロウの祖父の罪科を、私がすべて終わらせてあげる、と奇妙な言葉をつぶやいたかと思うと、魔法を唱え始めます。
その呪文は……5つの上級魔術の一つ、時の魔術。
時間の流れの外に入ることができるという魔術、周囲のありとあらゆる物体が止まり、魔女だけはその魔法の影響を受けることはないのだとか。
自分が何者かわかっていなかったドロウもまた、この魔術の影響を受けずに動けています。
やはりドロウも……魔女なのです。
そしてその時の外の世界で動き回れている人物がもう一人。
それは……風でした!
海の見ていた幻覚か、本当の霊魂なのか、あるいは妹の姿をした千里眼能力の具現化なのか……
そう思っていたはずの風ですが、ここで動けるということは……!?

吉良女は、地面から槍を作り出し、ドロウに襲い掛かります。
なんとかその脅威から逃れようとするドロウですが……吉良女は笑うのです。
今ここにドロールが現れたら、いったい何人の同級生が死ぬことになるでしょう?
必死にドロールの出現を抑えようとするドロウですが、ドロウの石だけでそれを抑え込むことはできません。
やむなくドロウはその場から逃げ出すことを選択するのですが……
それを見た吉良女は、顔色一つ変えず
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女生徒の一人の首を切り落としたのです!!
もしここから貴女が逃げるのなら、学校の人間を一人残らず殺します。
そう語る吉良女の顔からは、その言葉が冗談や脅しなどではないことが伺え……
追い詰められたドロウ……彼女の選ぶ道は……!?


というわけで、二人の魔女が激突する今巻。
物語は進んでいき、クライマックスが近づいている予感が……!!
今巻では二人の対決ムードが高まるほかに、断片出来ではあるものの謎が解明されていきます。
ドロウが命を奪う魔術しか使えない、と自信の能力を忌避している理由。
得体のしれない存在であった吉良女……ドロワの正体。
謎が明かされる一方で、どんどんとその勢力を拡大していく吉良女、最終決戦に向けて準備を進めようとするドロウ、風のことで思い悩む海、とそれぞれの物語が進行していきます。
果たしてこの三人の物語はどのような結末を迎えるのか?
第1巻の冒頭で描かれた一年後の様子から考えても、吉良女の非道の行いを考えても、穏やかに終わるわけがありません。
ドロウと吉良女の決着は、すぐ目前にまでやってきているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!