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今回紹介いたしますのはこちら。

「ちおちゃんの通学路」第2巻 川崎直孝先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスより刊行です。

さて、「中の下」の学生生活をめざし、目立たない日常を送っているちおちゃん。
ですが彼女の通学路では、なぜかそれを許さない事件が次々巻き起こり……?


お友達の真奈菜とともに学校へ向かっていたちおちゃん。
ちおちゃんの手には、進路意識の早期調査なるプリントが携えられていました。
進路は大事、とはいえまだ高校一年生である二人がはっきりと将来を見据えているかと言うと……
真奈菜はといいますと、「教師」と書いたんだそうです。
それは将来の夢が学校の先生だから、というわけではなく、将来の夢は教師ですと言っておけば、生成たちの受けがよさそうだ、と考えたから!!
真奈菜さん、先生からえこひいきされたいんだそうです……
真奈菜によれば、仕事なんてできることならしないほうがいい、とのこと。
ちおちゃんは、なんだかんだ仕事って楽しいんじゃないかと考えているのですが……
そこで真奈菜はある賭けを持ち掛けてきました。
この後最初に見かけた大人に、仕事って楽しいかと聞き、その答えに100円を賭けよう、という!
当然ちおちゃんは「楽しい」と言う答えに100円、真奈菜は楽しくないという答えに100円。
最初は冗談かと思っていたちおちゃんですが、真奈菜ならばやりかねないことかもしれない、そう考えなおしていたそのときのことです。
目前に、座り込んで顔を覆い、「仕事辞めてぇ、最悪だ」などとうめいている男性が現れたのは!!
ニヤリと笑った真奈菜、即座にダッシュしてその男性に声をかけやがりました。
大丈夫ですか?お仕事でお悩み何ですか?何か心配で……
……善意を装った無限の悪意……!!
男は相当参っていたのか、ぽつぽつと語り始めてくれます。
今まで粋がって生きてきたけど、いざ社会に出てみたら、自分が新聞も録に配れない人間だって気づいて……
そうやって沈んだ表情を浮かべる男。
よくよく見れば、ちおちゃんには見覚えがありました。
今まで何回かやり取りがあり、なんだかちょっぴり仲良くなった暴走族の安藤じゃありませんか!!
更生したんだ、と驚いていますと、安藤もそこでちおりゃんの存在に気が付きます。
すると、今までげっそりしていた安藤、なんか急に、楽しいかどうかってよりは、こんなちまちました仕事、そもそも俺のガラじゃねえと思うけどな!とポーズをつけてカッコつけ始めたのです!!
せめてちおちゃんの前では無頼を気取ろうとしているのでしょう、もうなんかめんどくさいし、残りは燃やしてバックれてやるなどと言い始めるのですが……
そこで意外なことにちおちゃんがこんなことを言うのです。
せっかく働き始めたのに、ふてくされて止めるなんて全然カッコよくないよ!!
突然のまともなセリフに驚く真奈菜ですが、ちおちゃんはさらに安藤に声をかけ続けました!
私たちも協力するから、今からでも残りの配達に行きましょう!!
……まぁそれは安藤さんが言いかけたちおちゃんのあだ名(?)、「ブラッディバタフライ」の一言を遮る目的も多分に含まれたのですが……
肩をつかまれて、熱心に頑張ろうと励ましてくれるちおちゃんを見た安藤、なんだかちょっとときめいてきたようです。
分かった、とすっくと立ち上がり、あとはこの辺一帯だけなんだ、と新聞を抱えて駆け出します。
ちおちゃんもそれに従い、ほら一緒に、と真奈菜も巻き込みます!
まさか本当に手伝うことになるとは、とぼやく真奈菜ですが、案外働く喜びに目覚めるかもよ、とちおちゃんに丸め込まれてそれぞれ分担して新聞を配ることになりました。

遅れちゃってるから、ピンポン鳴らして手渡ししよう、ということにした真奈菜とちおちゃん。
まずは真奈菜ちゃんが遅れてすいませんと言いながら、出てきたおばちゃんに新聞を手渡すのですが……差し出された新聞の一面を見たおばちゃんは
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もうテレビで見たわ!と言ってチョップで新聞を叩き落としました!!
めげずにそれを拾い上げて笑顔でもう一度渡す真奈菜ですが、おばちゃんは無言で新聞を家の中へ投げ込み、ぴしゃりと玄関をしめてしまったのでした……
そしてちおちゃんも別の家に新聞を届けるのですが、でてきたおばあちゃんは新聞を手にして丸め、ちおちゃんの鼻をぐりぐりやってきて……
多大なる心のダメージを負ってしまった二人。
そもそも何でこんなに新聞を配るのが遅れたんだ、と合流した安藤に尋ねてみると、彼にもやんごとない事情があったのです。
早朝にこのあたりで傷害事件があったとかで、警察に長々と職務質問され、ちょっとイラついて大声を出してしまったらさらに長引いて……
真奈菜はおもわず安藤さんの見た目じゃしょうがない、といおうとしたものの、ちおちゃんは強烈なテッポウで黙らせました!!
そして、安藤さんは悪くないです、くよくよしてるなんて似合いませんよ!堂々といきましょう!と笑顔で励まして……
ちおちゃんのテンションがおかしい!ひょっとして、ちおちゃんは安藤のことを!?
困惑する真奈菜ですが、励まされて復活した安藤の前に最後にして最大の壁が立ちはだかっていたのです。
新聞が少しでも遅れると玄関の前で待っていて、延々と説教の嵐を巻き起こす厄介なクレーマーが……!
今日はもう数時間遅れているわけで、捕まったら大変なことになるでしょう。
下手すれば巻き込まれて、学校に遅刻しちゃうかもしれません。
安藤は、気が思いが怒られてくると腰を上げようとしたのですが……そこでちおちゃんは妙なことを言い出したのです。
新聞配達って、要は新聞受けに新聞を入れればいいんだよね?
ちおちゃんは真奈菜と呼吸を合わせ、「堂々と行く」と宣言してダッシュ!!
問題の部屋に向かう階段とは逆方向に走り、真奈菜にバレーのレシーブのような格好をさせました。
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ちおちゃんはそれを踏み台にし、ジャンプ一番、クレーマーの背後に音もなく着地することに成功します!
そしてそのまま男のすぐ後ろ、玄関のドアの前まで忍び寄り……男性のくしゃみに合わせて新聞を投函したのです!!
これであとは戻るだけ……なのですが、ちおちゃんは立てかけてあった傘に足を引っかけてしまいました。
ズリズリと倒れはじめる傘……これがぱたりと音を立てれば、クレーマーはこっちを振り向いてしまうかもしれない……!!
もはや迷っている暇はなし!!
ちおちゃんはダッシュし、先ほど登ってきた場所から飛び降りました!!
慌てていたせいか予想外の距離を飛んでしまい、真奈菜のいた個所をはるかに超えた位置に落ちてしまいそう。このままでは……と言うところで、安藤がさっとそこへ駆け込み、ちおちゃんをしっかりと受け止めたのです!!
大丈夫か、と声をかけようとした彼を、しーっ!とちおちゃんが制すると……問題の男の、あれ、新聞あるじゃん!?と言う声が聞こえてきて……!!
ミッションは成功!!
すごいすごい!!と安藤はちおちゃんをほめたたえ、ちおちゃんも満面の笑顔ででしょでしょ?と満面の笑顔!!
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それを安藤が抱えたままの状態でやっているのですから……真奈菜の心に満ちる「ひょっとして」は強くなっていくのです……!!

なんだかいい感じの二人を、遅刻するよと冷静に引きはがした真奈菜。
二人きりになったところで、ちおちゃん、あの人……と尋ねようとしたのです、が!!
その瞬間、ちおちゃんのほうから真剣な顔つきで真奈菜に声をかけてきて……!?


というわけで、今巻もちおちゃんの登校風景を描く本作。
第1巻では一人での登校風景が基本形でしたが、今巻では真奈菜と一緒に登校する場面がほとんどです。
ということは、トラブルにも二人して巻き込まれるわけで。
決してリア充ではない二人が、それなりの楽しさを謳歌しながら向かう学校、その行く手に現れる障害!!
時としてつっこみ、時としてつっこまれ、あるいは2人してぼけて……そんなあれこれが楽しめるのです!!
そして前巻から登場している細川さんや安藤も活躍し、気になる新キャラクターも登場します!
それはもう「ひょんなこと」と言うのにふさわしい、ひょんなことから知り合うことになった久志取まどか先輩は、本作中一番のナイスバディを誇る、美人であり男前なお方。
運動部の部長まで務める彼女、ビジュアル的にも性格的にもちおちゃんたちとのからみは考えづらい感じなのですが……
果たしてそのひょんなこと、そしてそれをきっかけにしたトラブルとは!?
まだまだ目の離せない、エキサイティングであほらしいお話の数々が用意されています!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!