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今回紹介いたしますのはこちら。

「刃牙道」第5巻 板垣恵介先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、現代に蘇った武蔵にまたも敗北を喫したバキ。
その後、バキが眠っている間に武蔵は外の世界でひと暴れし、その存在が動画サイトやテレビのニュースで報道、大々的に周知されることとなってしまいました。
その映像を見た数々のグラップラー達。
彼らの心は、驚き、焦り、昂揚感……様々な感情によって突き動かされるのでした!!


宮本武蔵を名乗る男。
その存在を知って、異の一番に徳川邸に駆けつけたのは……独歩でした。
東京ドーム千佳闘技場の所有者であるご老公。
世界中の猛者の情報は、すべてここに集まる……
あれだけ「強い」と囁かれる大胡を、知らないわけがない。
そう考え、ここにやってきたというわけです。
独歩は、あの男が「宮本武蔵」であることを自然と受け入れていました。
本物であろうとも、偽物であろうとも関係ない。
大事なのはあの「技術が本物」であることだ。
独歩は体に満ちる苛立ちを抑えきれず、逢いてぇ、とうめくように漏らすのです、が。
その時のことです。
二人の対面していた部屋の障子が開かれ……その男が姿を現したのは!!

腹が減った言う武蔵、独歩の存在に気が付くと、突然室内に入ってきた非礼をわびました。
そんな武蔵に、ご老公は独歩を見てどう思う、といきなり尋ねます。
武蔵は独歩を見るとニヤリと笑い、
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この人なら食事の前に立ち会っても構わない、と答えるのです!
それは文字通り「朝飯前」と言う意味なのか、飯を後回しにしても戦いたいという意味なのか、それともその両方なのか。
どちらにしろ、準備もなく今戦ってもいいと言われたのは、負けるような相手ではないと舐めていると受け取るのが自然。
その絶対的な自信にご老公はうろたえるのですが……独歩は、恋い焦がれた相手が目の前に現れたばかりか、立ち合いのおぜん立てまでして食えるとは、虫が良すぎてリアリティがない、と答え……駄やかな表情を崩さないのです。
その会話の間に、二人の近くに座った武蔵ですが、「抑えられた」といきなり漏らします。
座るまでに三回仕掛けてみたが、三回とも初動を抑えられた、と!
武蔵もこの独歩がただの凡百の武芸者でないことはわかったようです。
しかし、それでも「朝飯前」の決戦を望むのでした!!

立ち会う前に、独歩がどんな武芸者か紹介したい。
ご老公は、独歩にちょっとしたデモンストレーションをさせることにしました。
独歩の披露した技はすさまじいもの。
三つかさねたコンクリートブロックを、手のひらを置いた状態で砕く。
ビール瓶の細くなっている箇所を手刀で切断し、返す拳でビール瓶の横腹を切り取るように抉る。
角材を足刀で鋭利な刃物でするように切る。
生半可な技術ではなしえないその技を見た武蔵は言うのです。
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「武」と言うよりは「舞」……舞踏だな。
何故木や石を?
今までは穏やかだった独歩も、さすがにその言葉を笑って流せるはずもありません。
なんだぁてめぇ。
怒気のこもった言葉とともに、ゆっくりと武蔵のほうへと歩き始める独歩……!!
踊りか踊りじゃねえか、その体で試してみるかい?
二人の距離、わずか数十センチ……!!
独歩はやにわに笑顔を見せたかと思うと、そのままヘッドバッドを敢行!!
なんでもありの神心会総帥らしい、必殺の威力を秘めた奇襲攻撃……だったのですが……
武蔵はそれを見切り、あっさりとすかして見せたうえ、独歩の頭の上に撫でるかのように手を置いたのです!!
やはり武蔵にとって、独歩の技など児戯にも等しいというのでしょうか?
ところがその直後、武蔵から出てきたのは意外や意外、独歩に対する謝罪の声。
許されい、少しからかってみた。
あんたが先ほど見せた技、あれが「武」であることは無論知っていた。
一人で動いているのに、相手が見える。
強敵とまでは言えぬまでも甘くはない相手を5人、鋭利な当身で制した。
お見事だった。
……今までやり取りは、いわばほんの小手調べ。
これからが、本当の「武神」と、「天下無双」の戦い!!
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両手を大きく広げる二天一流、果たしてその真価は!?
現代に生きる武神、その虎殺しの件は炸裂するのか!?


というわけで、独歩VS武蔵が開幕する今巻。
本編での独歩のまともな戦いは、実にアライ戦以来。
独歩の空手の妙技を見たいところですが、相手は何せあの宮本武蔵です。
バキですらも相手にしないほどの実力を持つこの男を前に、独歩の空手がどの程度通用するというのでしょうか!?
その注目の決戦、決着は間もなく……!!
そして、宮本武蔵の姿を見た闘士たちは次々に対戦の名乗りを上げていきます。
次は自分だと名乗り出たのは、あの魔拳・烈海王!!!
ドイル戦でも垣間見せた、高い武器使用能力。
徒手空拳だけでなく、武具の使用もその幅広い技術のうちの一つに内包する中国拳法……
その全てを発揮できる相手が、ついに現れたと血潮をたぎらせる烈!!
ですがそんな彼を前に、まさかのあの人が参戦!?
これから先が気になって仕方無い、衝撃の展開は必見です!!

ちなみに烈のボクシング挑戦ですが……なかったことにはなってません!
どうなったのかは作中で語られていますので……ご覧ください!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!