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今回紹介いたしますのはこちら。

「弱虫ペダル」第39巻 渡辺航先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、山岳賞をめぐってデッドヒートを繰り広げていた手嶋と真波。
凡人である手嶋が、天才である真波に挑む……そんな戦う前から結果が決まっているかのような戦いは、やはり真波優位で進んでいきました。
ですがゴール目前になった時、突然真波が失速して……?


失速した真波、チャンスとばかりに一気に抜き去って先頭に立った手嶋。
真波の急激な失速は、メカトラ……自転車のトラブルが原因でした。
手嶋にのせられてペダルを踏んだために、ギアに負荷がかかりすぎたのか……変速の時にチェーンが暴れ、チェーンが外れてしまったのです!!
さすがの真波も焦ります。
なぜ真波が失速したのかと言う疑問は残りますが、ゴールまで400メートルと近づいていた今の段階で、手嶋に気を使う余裕なんてあるはずがないでしょう。
凡人である自分が、たった一回でもいいから勲章を手に入れる。
夢に見たその光景が、もう間もなくまでちかづいているのですから!!
今まであんなに重くのしかかってきた体へのダメージが、うそのように感じられなくなります。
これが、「一番」なのか。
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この景色を俺は、一生忘れない……!!
全力でペダルを踏み続ける手嶋。
ですがそこで手嶋にかけられた観衆の声援が、そんな彼の足を鈍らせることになるのです。
かまうな、行け。
振り返るな。
……手嶋は、後ろを、振り返り……

チェーンを装着しなおした真波。
15秒か20秒か……その時間のロスは、長いレースの途中ならばまだ挽回はできたかもしれません。
ですがここはゴール直前。
この時間のロスはあまりにも多く、逆転は絶望的……と言うよりも、不可能なレベルでしょう。
この不幸な自転車のメカトラブル、明確なルールはないものの、本来は救済措置が取られるもの。
パンクならば予備のホイールが運営の車から貸し出され、車が引いて集団まで連れなおしてくれたりもします。
が、チェーンに関しては自分で直すしかないのです。
……自転車競技はフェアに戦うスポーツですから、メカトラブルに気が付いたら競い合う相手を待ってあげる、ということもあります。
ですが、気づかなかったり、気づかなかったと本人が言えば、何も言われないのです!
もはや逆転は不可能だとわかっていても、真波はペダルを全力で踏み出します。
どこまで食らいつけるのか……?
そんな考えもよぎったかもしれません。
残りは300メートル……そんな曲がり角を曲がると
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そこに、手嶋が待っているではありませんか!!
目の前にゴールラインが見えているのに、総北が山岳賞のゼッケンを手にするチャンスなのに、真波を置いてそのままゴールラインを越えても誰一人咎めないというのに……
真波は思わず、素直に尋ねてしまいました。
手嶋さん……何でですか?
手嶋は自虐的な笑い声を一つ漏らした後・・…両手を広げながら、芝居がかったセリフを言うのです。
我ながらバカじゃないかって思ってるよ。
景色良かったんでな、
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ティーブレイクしてたんだよ!

高鳴る二人の鼓動。
何も言わずとも、二人は体に力をこめ……レース再開の準備をし始めて……
もっ回つかんで見せるさ自力で、チャンスを!!
その手嶋の叫びが、開戦ののろしとなりました!!
全身全霊で走ります!と、このレースの中で今まで一度も見せなかった真剣なまなざしで叫ぶ真波。
そして、かかって来いよ、とその闘志を受けて立つ手嶋!!
残り300メートル。
山岳賞を取るのは……どっちだ!?


というわけで、し烈な山岳賞争いが決着する本巻。
凡人を自称する手嶋と、天才を絵に描いたような(絵ですけど)真波、その対決の結果がついに描かれることになるのです!
常に手嶋を格下と見下していた感のある真波ですが、ここに来て本当に手嶋を認めました。
常に全力で挑んでいた手嶋に、いよいよ本気を出す真波。
その天才と凡才の戦いは、予想を超えるデッドヒートとなります!!
手に汗握る勝負のその結果……その目でご確認ください!!

阻止山岳賞争いが終われば、休む間もなく初日のゴール争いが始まります。
温存していた鳴子と今泉で勝負を臨む総北、新たなエースである葦木場と新たなエースアシストである黒田のコンビで戦いを挑む箱根。
そんな2強の激突が繰り広げられるのです!
そして忘れてはいけないあの学校も動きを見せ始め……?
混戦必至の1日目、クライマックスに次ぐクライマックスです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!