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今回紹介いたしますのはこちら。

「西遊妖猿伝 西域篇」第6巻 諸星大二郎先生

講談社さんのモーニングKCより刊行です。

さて、消えたカマルトゥプを探し、荒野を行く悟空。
怪しげな怪、鹿力大仙の影もちらつく中、悟空はかつて知り合ったイリクと再会。
自分をつけ狙っていた射手がこのイリクのもと婚約者だということがわかったのでした。


イリクとそのもと婚約者、イリーシュカと対面する悟空。
イリーシュカは、トルークシュと言う男の処刑を悟空に邪魔されたことを不快に思っています。
ですが、悟空はトルークシュには、今追手から逃げているキルク族が、西突厥に受け入れてもらえるよう交渉するという役目があるから見逃してやってくれと説明。
イリーシュカは一応それを受け入れましたが、その交渉が失敗したら次はやるよと条件を出してきたのでした。
まあ悟空にとってもそんな一生懸命守らなければいけない人物でもありませんし、そのことはすでにトクークシュに念押ししてありますから問題ないでしょう!!

キルク族と彼らを追うバズミル部隊が向かっている、西突厥への国境を目指す悟空たち三人。
やがてその国境である「鷲の岩」が見えてきます。
その先に見えてくるのは、無数の石仏が林立している「石人原」。
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この無数の石仏は、かつてこのあたりにいたという部族が死者を悼んで作ったものだそうで。
意外に存在している範囲が広く、石仏の林は山の中まで続いています。
石仏の林を抜け、山の上に立つ三人。
鹿力大仙の予言した、キルク族とバズミル隊の激突場所も見渡せるこの山の上からならば、状況がよくわかります。
逃げているキルク族、200騎の騎馬でおうバズミル隊……
このままでは、石人原の先あたりで追い突き、国境を超える前に両集団は激突してしまうでしょう。
遊牧民であるキルク族は大勢の羊を連れており、必死で逃げるということもできません。
そんな状況を整理していると、キルク族の中から一人の男がこちらにやってきます。
どうやらイリクたちの知り合いであるらしいその男が言うには、キルク族も追手が来ていることには気づいているし、急ぐのはやはり無理、今要る男だけで闘うしかないと考えているようです。
そこで悟空はこんなことを言い出します。
鷲の岩まで頑張ってたどり着け、それまで俺が奴らを食い止める、と!!

悟空は本気でそんなことを言っているのか、とイリクは仰天します。
相手は200の騎馬兵、それをたった三人で食い止めようというのか!?と声を上げるイリク。
ですが悟空はことも投げにこういったのけるのです。
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三人でとは言ってない、俺一人でだ、と!!
そう言って馬を進め始めた悟空をみたイリーシュカ、イリクにアイツは大ぼら吹きなのかただのあほなのか、どっちだと尋ねました。
イリクも正直その答えはどっちなのか迷うところですが、悟空が二つの勢力が激しい戦闘を繰り広げる中を馬二頭で突っ切った様子も見ています。
何にせよ、普通ではないことはイリーシュカにもわかります。
あほにしても面白そうなあほだ、と言って、悟空がやることを見届けることにしたのでした!

バズミル隊の様子を見に行くことにした三人、道中で斥候二人を始末しつつ近くまで寄っていきます。
近くで様子を見てみると、バズミル隊はそれほど急いで進軍しているわけではなさそう。
力を温存したままじっくりと追い詰め、石人原の先で一気に勝負を決めるつもりのようです。
それを見届けた悟空は、石人原で待ち伏せることにします。
そのまえに先ほど始末した斥候の服と兜を拝借。
悟空が相手を引っ掻き回す時に、自分が敵であると気づくのを少しでも遅らせようという狙いです。
中に飛び込んで白兵戦ならば勝機はあると見込む悟空。
包囲されて矢を放たれたら、石人原に逃げ込み、石仏を盾代わりに使う、と言う一応の作戦も立てたようです。
そんなむちゃな悟空の手伝いをすると決めたイリクは、万一の時に仲間の部族に危害が及ばないよう、自分の武具についている模様などを削り取ります。
そこまでするくらいなら無理に付き合わなくていいという悟空ですが、だからと言って捨て置くわけにもいきません。
ここで二人を残して帰ったら、寝覚めが悪いですし!

やがてやってくるバズミル隊。
悟空はおもむろに馬を走らせ、矢を射掛けにくい右側面から近づいていきます。
斥候の服を着ていた悟空ですが、ほどなく仲間ではないことがばれてしまいました。
が、その一瞬の判断の遅れがあれば悟空には十分!
瞬く間に二人倒したのですが。その次に気が付いた射手に胸元を射られてしまい……!!
ばったりと倒れ、落馬した……かに見えた悟空。
ですがそれは演技、悟空は矢を腋の下ではさみ、射殺されたふりをしていたのです!!
そのまま死んだふりをつづけ、馬に引きずられたまま自然にバズミル族の最後尾へ。
瞬間悟空は地面を蹴って馬に飛び乗り急加速!!
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ここからが悟空の本領発揮です!!
200騎VS悟空withイリク&イリーシュカ、その戦いの結果は!?


というわけで、200騎の大群との戦いが繰り広げられる本作。
斉天大聖の力を持つ悟空ですから、相手が200騎と言えども負けることはないでしょう。
ですがそれは、純粋に人間だけが相手だった場合の話です。
怪しい動きを見せる鹿力大仙が、この絶好の好機と言える機会に何もしないわけがありません!!
鹿力大仙はどんな動きを見せるのか?
悟空はその妖術から逃れ、勝利を収めることはできるのか?
イリクとイリーシュカはどう動くのか!?
鹿力大仙編、今巻にて完結です!!
そして次巻以降はいよいよ火焔山の章に突入するようです!!
火焔山と言えば、原作と言っていい「西遊記」でも屈指の知名度を誇る牛魔王などが待ち構えているはず……!
本作でどのような描かれ方をするのか、楽しみでなりませんね!!

さらに本巻の巻末には、本作の「大唐編」に登場したあるキャラクターが登場する番外編が収録!!
本編とは一味違う、ホラー&ミステリー調のストーリーが楽しめるこちらも見逃せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!