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今回紹介いたしますのはこちら。

「ランド」第1巻 山下和美先生 

講談社さんのモーニングKCより刊行です。

山下先生は1980年にデビューし、80年代後半より「天才柳沢教授の生活」シリーズを現在まで連載し続けていらっしゃる大ベテランの漫画家さんです。
現在も様々な雑誌で漫画を連載するなど、意欲的に活動されています!

さて、本作は不可思議な慣習のある昔風の集落で、ある出来事に巡り合った少女を中心とした物語です。
集落を支配する奇妙な慣習とは、そしてその出来事とは……?


山に子を捨てる役割を持つ男、捨丸。
苦悩しながらもその仕事を続けてきた彼が今度捨てなければならない子は、自分の子でした。
妻、ルツがその命を失ってまでこの世に産み落とした子供は、集落で忌み嫌われている双子。
しかもその片方は、凶事をもたらす「凶相」といわれる容姿をしていて……
捨丸は古くからの因習をむげにすることもできず、赤子を捨てに行きます。
捨てに行く先は、まるで死神のような装いをした巨大な「神」の足元です。
捨丸は子供を捨てました。
決してその存在を忘れないために、「アン」と名をつけて。
ですがそれもすべて、この世に残る自分のエゴでしかないのかもしれない……
自分が罪もない我が子を殺めたことは変わらない。
捨丸は償いのためなのか……自らの両の目をつぶすのでした。
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数年後。
一人の少女が自分の影を見つめていました。
影が短くなっていることが不思議なようですが、彼女の面倒を見ている真理おばさんからすれば不思議なことでも何でもありません。
お天主様が高くなってきた、明日あたり田植えだね、それより兄さんそろそろあんまの仕事減らしてくれないと、こっちの手が足りない。
そう言われても、少女にはいまいちピンときません。
お天主様髪メタってどういうことなのか……?
それを見上げても、その眩しさに目がくらむばかり。
そんなことをしていると、少女の父親が帰ってきました。
父親は、あの捨丸。
視力を失って以来、按摩として生計を立てていたようです。
そして少女はあの双子の残された一人で、「杏」と名付けられていました。
アンは今、捨丸の中で、杏とともにいる。
野山を駆け回り、ご飯をたらふく食べ、思い切り笑えるよう、今日も杏を野に放つ。
捨丸は、そう考えながら、もう見えない目で杏を見つめるのでした。

あるとき、杏は空に飛ぶトンビが、何か袋のようなものをぶら下げていることに気が付きました。
そんな鳥を見ていると、鳥はあの「神」の横を通り、山のむこうに飛んでいきました。
この集落では、山の向こうは「あの世」と呼ばれており、鳥に乗っていかないと神の持つ鎌でズタズタにされてしまうと言われています。
ですが、もう一つだけあの山の向こうに行く方法があるのです。
それは、生きて50歳を迎えること。
50歳は「知命」とよばれ、その日を迎えると人は死に……あの山の向こうに行くというのです。
それが当たり前のこととしてこの集落の住人達は認識しています。
が、杏はそれが不思議でなりません。
いくらそれが決まりと言えど、元気だったものが「明日いなくなります」と言われて納得できるものだろうか?
父さんが明日死ぬって言われたらいやだな。
友人の父が明後日知命を迎えるという事実を思い出し、杏は夕暮れの空を見上げていました。
すると……あのトンビが飛来します。
そしてあの、奇妙な袋を杏の上に落としたではありませんか!
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トンビが持ってきた、ということは……「あの世」のものなのか?
恐る恐るその袋に触れてみると、中に入っているのはどうやら実のようなものが入っているようです。
風を開けてみますと、中から出てきたのは何らかの種。
一体これは何なのでしょう……
トンビの飛び去っていった先にいるのは、あの神。
あの神は西の神と呼ばれているもので、他にも四方に計4柱の神が立ち、集落を見つめています。
いつも自分たちを見つめているという神は、夜になると奇妙なうめきごえを上げるのです。
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小さく低くうめきながら、夜更かしの人間をあの世に引きずり込もうとここらを徘徊して回る。
そんな言葉を思い出した杏は、家に走って帰るのでした。

襲い帰宅を怒られながらも、夕食を食べる杏。
杏は……あの世の種のことを、父には打ち明けませんでした。
……もし打ち明けていれば、このままの普通な生活が続いていたのかもしれない。
のちの杏子は……そう思い起こすのです……


というわけで、様々な謎に包まれた物語が始まる本作。
凶相の子供、「あの世」とこの世、知命、種、神。
様々な不思議が絡み合い、謎を深めていきながら物語は進んでいきます。
今巻の序盤では、杏がどんどんとこの集落の風習に疑問を持っていく様が描かれ、中盤では様々な人物との出会いが運命を動かしていく様が描かれます。
そして後半では物語が一気に動いていくことに!!!
まだまだ謎が明かされることはない本作ですが、今巻のラストで待っている謎はさらに物語を予想外なものへと変えていくのです!!
物語全体に漂う不穏な雰囲気は、果たしてこの後どのような色へと変えていくのか?
不思議と奇妙、そして残酷なこの物語が向かっていく先はどこなのか?
続巻が発売となるのはだいぶ先のことになりそうですが、その続きが楽しみでなりませんよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!