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今回紹介いたしますのはこちら。

「オールラウンダー廻」第16巻 遠藤浩輝先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。

さて、佳境を迎えつつある全日本選手権。
女子、男子ともに準決勝を迎えていました。
女子はマキと因縁ある延丘VS長峰、そして男子は実力者である香取VS廻。
はたしてその勝敗は……?


劇的な決着を迎えた延丘VS長峰。
そんな興奮も冷めやらないうちに、廻VS香取の戦いが開幕となりました。
香取の身長は180センチ。
65キロ以下のライト級としてはかなりの長身で、そのリーチは破格の一言。
体格差があれば当然パワーも違ってきますし、打撃のリーチはもちろん、寝技でも思わぬ位置からクラッチをされてしまうなど、戦いの勝手は大きく違ってきます。
廻にとってまだ幸いだったのは、日々マキとスパをしていたこと。
長身のマキとのスパーによって、リーチの長い相手とのスタンドでの距離感はつかめているはず。
ですが逆に言えば、そこ意外に廻に有利な点はないとも取れるわけで……
廻はセコンドのナベさんたちと一緒に、どんな作戦を立てているのか?
その作戦に一縷の望みをかけるしかなさそうです。

ゴングは鳴らされました。
まず先手を打ってきたのは香取。
素早い踏み込みからの左ジャブを放ってきます!
防ぎきれずもらってしまう廻……
と言うのも、そのスピードもさることながら、何よりその対応を困難にさせる要因なのはリーチです。
まさか届くはずがないと思うような距離からもやすやすと伸びてくるそのジャブは、威力までもまるでストレートかと見まごう重さを誇っていまして。
いくらじゃ部と言えども、これ以上はもらえません。
廻は慎重に慎重に攻めていこう、とするのですが……香取はよりリーチのある前蹴りも駆使して隙を見せないのです!
そこでセコンドの声が飛び、廻は戦法を変えます。
左に回りつつ、ジャブとローを散らして削るヒット&アウェイ戦法。
本来ならばリーチに劣る廻が懐に入らなければならないはずなのに、逆を行く……?
もちろんこれは作戦です。
懐に潜ろうとすればするほど香取の思うつぼ。
入ろうとすればカウンダーの膝が待っているし、タックルに行っても潰されがぶられ、チョーク葬。
これが香取の勝ちパターンなのです。
そもそも、懐に入って一発で相手をKOする一発もない廻が、無理をして懐に入る必要すらないわけで……
足を使って出入りを激しく、アウトボックスを徹底する。
そうすれば必ず相手は焦れて、前に出てくる!!
そんな作戦通り、香取は間合いを詰めつつ攻めてくるようになりました。
そこで狙うのは、香取の残すレスリングの癖です。
やや猫背で顎が若干前に出ているそのレスリングの匂いの残る構えは、付け込む数少ない隙の一つ!
ダッキングでジャブをかいくぐることができれば、練習してきたパンチが当たる!!
その想定通り、見事にジャブをくぐり、カウンターで右のアッパーを放つ廻!!
思惑通りその一撃がさく裂……するかと思いきや、なんと香取はそのアッパーをスウェイして避け、左の膝を合わせてきたではありませんか!!
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息がつまり、動きが一瞬止まる廻!
香取は続けて左のストレートで追撃してきました!!
こうなったら組み付いて体勢を立て直すしかないでしょう。
ですが低いタックルに行っても、潰されてしまうだけ。
そこで廻は、マキとの特訓で比較的自信のある首相撲に持っていける高いタックルを敢行します!!
が、首相撲が得意なのは廻だけではありませんでした。
素早くその手を捌き、長いリーチを生かして内側に手を回す香取……
態勢を完全にコントロールし、廻の脇腹に再び膝を叩きこんだのです!!
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たまらずダウンしてしまう廻……
辛くもカウントフォーで起き上ったものの、状況は圧倒的に不利です。

なぜあのアッパーはスカされたのか?
今まで左へ左へと廻が避けていたにもかかわらず、香取が前に出た途端に廻はまっすぐ下がり始めた。
そこにピンときて、香取は何か仕掛けてくると意識しながら攻め、その通り反撃を仕掛けてきた相手に反応して膝を叩きこんだ……
言葉で言えば簡単ですが、そんなことができるのは紛れもない「才能」を持っているものの所業。
廻が先ほどのダメージで動きが鈍ったことに気づくや否や、廻の不用意なジャブをくぐってタックルへ!!
瞬く間にグラウンドに持ち込んだのです!!
グラウンドでも廻を完璧にコントロールし、あっという間にバックを取ってしまうのです!!
顎を引き、香取の左腕をつかむ廻。
このまま頭をくぐれば、バックからは脱出できるはずだったのですが……
ここでも香取の類稀馬リーチが生きてくるのです!!
香取は本来ならば左手で相手の右肩をつかむところを、自分の右肩をつかむことで強引に頭を抜くスペースを潰してしまったのです!!
普段ならば自分の肩をつかまれることで危険を察知できる廻ですが、その感触すらないわけですから、当然反応は遅れます。
その隙をついて、すさまじい速さでチョークの体勢へ!!
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……もはや絶体絶命と言っていい状況に追い込まれた廻……
ですが廻は今までもそんな不利を幾度となくかいくぐってきたはず!!
起死回生の逆転劇となるのか、それとも!?


というわけで、激戦が繰り広げられる今巻。
今までも何度となく格上の相手と戦ってきた廻ですが、今回のようにスタンド、グラウンド、総合での経験といった技術面に加え、パワーやリーチといったフィジカルな面に至るまで全局面で自分を上回っている相手と戦ったことはありませんでした。
いわばオールラウンダー同士の対決となったわけですが……こうなると、いかに自分のとがった部分を生かしていくかというところに焦点が当たっていくでしょう。
当然香取は最大の有利であるリーチを生かして攻めてくるはず。
源に今もこうして廻はピンチに追い込まれてしまっているわけですが……廻のとがった部分と言えばやはり粘り強さ、そして成長力というところでしょう!!
この戦いでいかに粘り、いかに成長していくか。
そこにあた界のカギがあることは間違いなさそうです!!!

この戦いが終われば、もう一戦の準決勝ののちいよいよ決勝戦。
仮に廻が勝ち、喬も勝てば……本作のクライマックスということになるのでしょう!!
女子側の優勝者も気になる所ですが、やはりここは二人の主役の激突に期待したいところ。
果たしてこれからどんな戦いが繰り広げられていき、誰が勝利を収めるのか?
まだまだ目の離せない展開が続きそうですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!