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今回紹介いたしますのはこちら。

「ハナハダハナヤ」第1巻 若菜先生 

講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。

若菜先生は、11年に講談社さんのちばてつや賞で佳作を受賞し、デビューした漫画家さんです。
ですが専業漫画家さんではないようで、花屋さんで働きながら本作を執筆されているのだとか。
本作は、そんな花屋さんとしてのスキルを活かした、花屋さん日常漫画となっています!!


キャップにジャージと言うスポーティーな印象の人物が道を歩いておりました。
チラシにかかれた地図とにらめっこして……どうやら、その地図に記された場所に行きたいようなのですが、その地図が何だかおしゃれな感じなせいもあり、どうにもこうにも道がわからないのです。
そんなとき、一人の女の子が目につきました。
おさげにメガネのその女の子、ベンチに腰掛けてなにやら絵を描いているようです。
ゆっくりと彼女に近づき、手にしていたチラシを見せつつ、道を尋ねました。
ここらへんに甚田生花店って花屋があると思うんだけど、知ってる?道にまよっちゃって。
そう尋ねますと、女の子は少し間を開けた後、知ってますよ、案内しましょうか?と申し出てくれたのです!
ほっと胸をなでおろし、今日からそこでアルバイトなんだよね、遅刻するところだった、と安堵の言葉を漏らします。
すると……何やらその女の子、値踏みをするような瞳で見つめてくるではありませんか。
なんだか気になるその視線。
ですが女の子はすぐににこりと笑い、行きましょ!と先に立って歩き始め……
その視線の意図を聞くことはできなかったのでした。

ただ黙って歩き続けるのもどうでしょう。
そう言えば先ほど女の子は絵を描いていたので、そのことを話題にして会話を始めようとします。
何を描いていたのか聞いてみますと、花の絵だとのこと。
これからお花屋さんで働こうというこのタイミングでお花の絵とはなんとタイミングのいいこと。
さっそく見せてもらいますと、
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なんか、「タンポポたん」と言う魔法少女チックなキャラクターが描かれてるじゃありませんか!!
……これ何?
思わず正直な感想を漏らすのですが、女の子は当たり前のように、何ってタンポポだけど?と返してくるのです!
どう見ても女の子の絵ですが……なんでも「メタモルフォーゼ」してるんだそうです。
要するに、花の擬人化的なキャラみたいですが……正直、ちょっとわかりません!
ですが女の子は、タンポポがわからないのか!?と謎の反応。
そう言うことを言ってるわけではないんですけど……とりあえずタンポポくらいわかると指さすのですが……
最初に指さしたのは「ノゲシ」、次に指さしたのは「ブタナ」……
本当の「タンポポ」はこれ!!
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と、教えてくれたのは女の子のほうでした!
しかもなんだかものすごく詳しくて、正式にはセイヨウタンポポでヨーロッパが原産、最近はもともとあったカントウタンポポよりメジャーかな、総苞片が上向きなのがカントウタンポポね……と、聞いてもいない情報まで教えてくれるのです!!
圧倒され、君のほうが花屋に向いているかも……とたじたじになっていたところ、女の子は「うん、そうしてる」と言う奇妙な返事をして……?
すると、ちょうどその目的の花屋さんにたどり着きました。
ようこそ、甚田花屋へ!!
そう言って見得を切る女の子……
ちょうどその時、店の中から男性が出てきて、女の子に声をかけてきました。
おう宇里、と女の子に呼びかける男性に対し、宇里と呼ばれた女の子は男性を店長と呼び、新しいバイトの人連れてきた、と答えるのです。
何と女の子、花屋さんのバイトの先輩だったのです!!
まさか中学生がバイトしてるなんて……と驚きの声を漏らすと、宇里は何やら泣きながら怒り始めます。
こんなちっちゃい体なのに、彼女は22歳だというのです!!
え、4歳も上!?と驚き、謝りながら帽子を脱いで挨拶する……
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ジャージの、女の子!!
今度は宇里のほうがびっくり仰天!
ときめきを返せ!と謎の絶叫をしてしまうのでした!!
……そんなファーストコンタクトからの大騒動を見て……店長はこれからの毎日が必要以上ににぎやかになる予感を感じるのでしたとさ……


というわけで、この渚央と宇里を中心とした、お花屋さんでの日常を描いていく本作。
お花屋さんが舞台ですので、もちろんお花が物語のキーとして中心に据えられています。
様々なお花の知識が楽しめるのですが、それだけではありません。
お花をアイテムとして、個性豊かな様々な女性キャラが登場し、物語をよりかしましく、楽しく彩ってくれるのです!!
様々な女の子が、それぞれの魅力を発揮してくれるのですが、やはりひときわ輝いているのが主役の二人。
お花の知識は確かなものの、基本的に擬人化キャラを作るのに忙しく仕事はそこそこの宇里に、ボーイッシュでお花のことはほとんど知らないながら、徐々に知識をつけていく渚央。
そんな二人の成長(?)も楽しめることうけあい!!
特に渚央の時折見せる女の子っぽさはもうたまりませんよ!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!