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今回紹介いたしますのはこちら。

「銀河は彼女ほどに」第1巻 高木ユーナ先生 

講談社さんのマガジンKCより刊行です。

さて、「不死身ラヴァーズ」で鮮烈なデビューを果たし、高いテンションを維持したまま駆け抜けた高木先生。
無念の完結となった前作ですが、今回も描くのは少し変わった事情を持つ男女のラブコメ!
果たして今回のちょっと変わった事情とは!?


両親はそろって海外出張、中学まで面倒を見てくれた姉は結婚して家を出て、春からの高校生活は猫一匹との一人(プラス一匹)ぐらし……
そんな境遇の高校生、人(じん)は友人の宮田とともに学校に向かうバスに乗っていました。
吊り輪につかまって立った状態のままうとうとする、と言う離れ業を見せた人ですが、何でもその上夢まで見ていたのだとか。
その夢には、以前宮田にも打ち明けたことのある、好きな女子が出ていたのだそうです。
宮田にとって割とどうでもいい話なのか、その人の名前が思い出せません。
細川?誰だっけ?と気のない質問を繰り返してくる宮田に、人はしびれを切らして「大石阿智さん!」と大声で突っ込んでしまいました。
……宮田の座っていた席のすぐ横に、その阿智が立っていたことにも気づかずに!!
大声で自分の名前を呼ばれれば、当然振り返ります。
意図せず告白してしまった、と血の気が引きつつ顔を真っ赤にする人。
何も言えずに固まっておりますと、バスがちょうど大きく揺れました。
すると網棚の上に置いていた人の荷物からバサバサと教科書が崩れ落ち、あ値の上に降り注いじゃいました!!
引いたはずの血の気がさらに引き感覚を覚えつつ、慌ててごめんと謝る人。
阿智は無言で腰を折り、その教科書を拾おうとしてくれるのですが……彼女が背中に背負っていた鞄もきっちりとしまっていなかったようで、人の教科書の上に彼女の教科書が降り注ぐという大惨事に……
ギョ、と妙な声を漏らしたかと思うと、そのまま何事もなかったかのように教科書を拾い集めはじめる阿智。
ありがとう、大丈夫?と自分もそれにならおうとする人ですが……
その時、阿智の襟から何やらハートのようなものがぶら下がっているのに気が付きました。
値札か何かが付いたままになっているのか、と思った人はなんとなくそのハートを指先で触れてみると、次の瞬間、
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人の首は胴体から切り離されていました。
何が起きたかわからない人は、自分の頭が地面に落下したのを感じます。
その物音に振り返った乗客たちは、首が!!と大騒ぎするのですが……
直後、人は自分の首が元通りつながっている……ハートに触れる直前の状態に戻っていることに気が付くのです!!
大慌てで首を抑える人。
つながってるよな、今、何が!?
なんだかわからない状態から、またまたなにがなんだかわからない状況に陥った人。
バスはちょうど学校前のバス停に到着し、冷静に考える間もなく阿智と教科書を分配して降車することになります。
バスから降りたかと思うと、
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阿智は急に人の胸元に耳を押し当ててきたではありませんか!!
矢継ぎ早に巻き起こる予想外の出来事……
もはや人は、今の状況に反応し、固まったまま鼓動を高鳴らせるのが精いっぱい!!
阿智は涼しい顔でしばらくそのままでいたかと思うと、顔をはなし、「少し速いが、オゥケイ」と、にっこりと笑って立ち去っていったのです!
何がオーケーなのかわからないという謎もそうなのですが、阿智はいつも黙って一人でいる人物。
まさか彼女が授業以外でしゃべるなんて……
ミステリアスな、そして恋い焦がれた彼女とした初めての会話。
首になんとなく残るあの感覚を反芻しながら、人は彼女を見送るのでした。

その後、人はちょっとしたきっかけで阿智と二人きりになることができました。
すると阿智、体育の授業中、人が自分を見ていたから自分も人のことを見ていた、と打ち明けてきました!
「人」と名前で呼んでくれたのもうれしいのですが、阿智がいつもは自分のことを見てくれないからうれしかった、と言うのでまたびっくり!
おまけに大石さん、と呼びかけようとすると、「阿智」で良い、と名前で呼んでいいとまで言ってくれて……
それって、ひょっとして両想いってことなのか!?
高鳴り放題のの鼓動のせいか、足元までぐらついてきました。
何とか会話を続けようとした人は、阿智の襟から出ているあれに注目。
えりから、何か出てるよ、とあのハートのようなものをぎゅっと握ると……
今度は教科書がとんできました。
阿智は頬を赤らめながら、こういうのです。
また突然、このしっぽ触って。
ビックリして、
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また人のこと殺しちゃいそうになったろ?
……また、殺しそうに……?
つまりそれは、あのまだ首に感触が残っている気がするあの出来事は、幻覚でも白昼夢でもなく……!?
この阿智と言う少女、何者なのでしょう!?


というわけで、またまたとんでもない展開となる本作。
しっぽと言い、人を簡単に殺す上に時間を巻き戻すようなことができるこの阿智……悪魔か何か、と予想される方もいらっしゃるかもしれません。
ですがそう簡単な(?)お話にはしないのが高木先生!!
お話が続いていくにつれ、徐々に明かされていく阿智のとんでもない能力。
クールに見えながらも、頑張り屋さんで感情豊かな彼女は大層魅力的で、人でなくともときめいてしまうこと請け合い、なのですが……
その能力のとんでもなさは常軌を逸していまして、さすがの人翻弄されることとなってしまいます。
阿智はいったい何者なのか?
その謎のすべてはまだ明かされませんが、今巻の最後でそれはもう驚かされる正体の一端が判明。
今後の展開が気になって仕方のない引きとなっているのです!!

ちなみに本作、単行本に初出の情報が載っていません。
それもそのはず、本作は単行本が先行で、ウェブ雑誌による連載がそれを追いかけていくという新たな試みがされているのです!!
この試みがどんな結果をもたらすのか、と言うのも、本作とは直接関係ない部分ながらも気になる所です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!