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今回紹介いたしますのはこちら。

「押入れの少年」第2巻 原作・高橋葉介先生 漫画・みもり先生 

秋田書店さんのプリンセス・コミックスより刊行です。

さて、押入れに住む不思議な少年、サトルとであってから不思議な事件に巻き込まれるようになったみこと。
サトルの住む押入れのある家は様々な妖が住んでいるようですが、なにやらみこと自身にも何か秘密がある様で?
行方不明になった両親もサトルの押入れの世界と関係がある予感がしますし、みことの奮闘は続くのです!!


にぎやかな教室の中、隅っこの席で一人外を見つめていたみこと。
卒然教室の扉が開き、白い学ランを着た美少年が入ってきました。
当たり前のように入ってきた彼ですが、誰も見覚えがありません。
誰?と聞こうとしたその瞬間、その少年が指をぱちんと鳴らします。
そして、笑顔でおはようとあいさつをすると……
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クラスメイト達は、今までの態度が嘘のように、おはよう聡くん、と口々に挨拶を返しながら、彼を囲んでワイワイとやりだすのです!
そんなワイワイの中で漏れ聞こえてきた、「今日はみことと一緒じゃなかったのね」と言う声。
その言葉を耳にして、きょとんとした表情を浮かべるみこと……
聡は当然のようにみことの隣の席に腰掛けつつ、おはようとあいさつをしてきます。
みこともおはようと返すのですが……その表情はいぶかし気で……

放課後になりました。
聡は、当然のようにみことに一緒に帰ろうと語りかけながら席を立ちます。
クラスの女子たちは聡に首ったけでして、カンナたちいつもの3人組がやってきて、今日遊びに行っていいかな、などと聡への熱視線を隠しもせず話しかけてくるのです。
みことは、悪いけど用事がある、と三人をあしらい、家路を急ぐのです。
そんなみことをみて、カンナはご立腹!
何なんだあのでかい態度は、聡くんの従姉妹じゃなければギッタンギッタンの目にあわせてやるのに!と地団太を踏むのでした!!
そのカンナの叫びが聞こえていたみこと、聡に問いかけます。
聡くん、みことのいとこですって?あんた、一体誰なのよ!!
そう詰め寄られた聡は、やっぱり君には通用しないか、とつぶやきます。
人の心を自在に操る力を持っているらしい彼の力……なぜかみことには効果がないようで。
ですが今度は、「僕はサトルなんだ」と言い出し、ミコトに急接近して瞳を覗きこんできました!!
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聡の瞳の中に渦巻く、得体のしれないどす黒い力……
その力に捕えられてしまったかのように、みことの瞳はうつろになっていきます。
立ち尽くすみことの頭の中では、サトルと初めてであった後から今に至るまでの、様々な事件の記憶が再生されていました。
ですがその映像の中にいるサトルは、あの得体のしれない小さな少年の姿ではなく、今目の雨に立っている聡のそれで……
これも聡の力なのでしょう、頭の中の記憶を書き換えられ、心ここにあらずといった状態になっているみこと。
そんなミコトに、覚はとどめとばかりに囁きかけました。
ね、思い出した?
いつだって僕は君の傍にいたろう?
君を守って、君を助けてきたじゃないか。
聡、とその目には何も移さないままつぶやくみこと……
これからも一緒だよ、永遠に。
そういって、聡はミコトの唇にくちびるを重ね合わせ……!!
そうになったその瞬間!
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地面から超巨大になったサトルが飛び出し、やめんかこらぁ!!と叫んだのです!!
その体は薄汚れていて、全身のそこかしこに「封」と書かれたお札が張られています!!
よくも僕を封じ込めたな、ただじゃおかないぞ!!
ぶちぎれた覚は、やばいとその場から走って逃げようとした聡に向けて、その超巨大な拳叩きつけたのです!!
……手ごたえはいまいち。
拳をどけてみると、そこにはぽっかりと大穴があいています。
どうやら聡、児の大穴を掘って逃げのびた様で……
正気に戻ったみことは、一体今の聡というやつは何なんだと覚に尋ねました。
アイツ、僕を土の中に封じ込めて、その隙にミコトの記憶にもぐりこむつもりだったんだ、とのこと。
目的はわかりましたが、何故その目的を果たそうとしたのか、聡が一体どこの何者なのか、という知りたいことは教えてくれません。
しばらくたって落ち着いたころに改めてサトルに聞いてみても、良いんだよ、心配ない、僕が付いてるんだからと言う返答があるばかりで、謎の解明とはいきません。
カンナたちに尋ねてみても、「聡って誰?」と言い出す始末で、誰も彼のことを覚えてすらいないのです。
聡は何者なのか?何が目的なのか?
いつものように窓際の席でそんなことを考えながらうつむくみこと……
その背後に、聡がいることは全く気が付いていません!!
聡はみことを見つめながらつぶやきます。
つれないねみことちゃん。まぁ良い、いずれ君は僕のものだ。


というわけで、新キャラクターの聡だ登場する本作。
この聡と言う男は言った何が狙いでこのようなことをするのでしょうか?
それはどうやら、みことに隠された秘密にもなにやら関係するようなのですが……?
通常の1話完結型のストーリーももちろんあるものの、今回の目玉は完全に聡!
そしてこの第2巻で一応聡編は決着を見るのですが、やっぱり肝心な部分は謎だらけ!
聡関係の謎はこれからも徐々に明かされていくことになるのでしょう!!
そして、今巻のラストあたりでは思いもよらない新要素がお披露目されます。
聡の登場、みこととサトルのあれ。
おそらく第3巻からは今までとは毛色の違う物語が楽しめることでしょう!!

ちなみに今巻も高橋先生独自のセンスと、みもり先生ならではの画の雰囲気を活かしたホラー色の強い作品をばっちり収録!!
コメディもシリアスもあり、本格ホラーでありながら今までの作風をひっくり返すような天界もある本作、これから先の展開をあれこれ考えながら読むのも楽しいかもません


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!