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今回紹介いたしますのはこちら。

「軌道の鎧 レイルゴースト」第1巻 戸田泰成先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。

さて、本作は戸田先生の得意とするバトルものです。
戸田先生と言えば、「スクライド」をはじめとして、「ガンダムSEED ASTRAY R」「ジャイアントロボ」といった、メディアミックス作品の漫画版を置く手掛けていらっしゃいます。
その迫力と勢い溢れる作画で多くのファンを持つ戸田先生ですが、本作は戸田先生の連載作としては久しぶりのオリジナル作品となるのです!!


決定は覆されない。
そう告げられた、鎧に身を包んだ女性は、その言葉にこう返すのです。
では、それに反逆する、と言ったら!?
それに対しての答えはこうでした。
追放する。

女性は、身を包んでいた鎧を砕かれ、空高くから落下していきます。
予備の「鎧」を着なければならない、と懐から何やら丸いものを取り出すのですが……
その丸いものは手から零れ落ち、バリバリと雷のようなエネルギーを発しながら落ちていき……

その頃、木場習一は廃寺で居眠りをしていました。
彼はいつも学校の帰り、ここで居眠りするのが習慣になっています。
そしていつも同じ夢を見るのです。
無数に存在する奇怪な四本足の生物が棺桶を背負って歩いている。
その棺桶の中にあるのは……死体。
そしてその数は……72億。
それは、地球上の全人口の数で……
なぜいつも、こんな夢を見るのか?
習一が一人で考えてもその答えは出ないのですが……
うなされていた悪夢から覚め、習一は目を開きます。
すると目の前に……奇妙な蜘蛛のような、蟹のようなものが覆いかぶさってきているではありませんか!!
驚き戸惑う習一の左腕に、奇怪なものは槍のようなものを打ち込んできます。
すると習一の腕の皮が崩れ、その左腕の「中」に、文字のようなものを刻み始めたのです!!!

……再び習一は目を覚まします。
夢だったのか……?
そう考えながら周りを見回すと、どうやら近くに雷が落ちたようです。
そのあたりをよく見てみると……何か、人のようなものが……?
ほどなくそれは立ち上がり、習一のほうに近づいてくるのです。
それは……全裸の女性!?
その女性は現れるなりこういってきました。
私の「鎧」を、返せ……!!
習一は、その言葉の意味がわかりません。
とりあえず彼女が何者でどういう状況なのかを探ろうとするのですが……彼女は有無を言わさず習一の頭をつかみ、地面にたたきつけます!!
私の姿は人間には見えないはず、なのになぜおまえには見えている?
……またも何を言っているのかわからない習一。
何せ習一には、見えているのですから。
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彼女の、何から何までも!!
胸とかしりとか隠せ、と戸惑い放題の習一。
すると彼女は体なんてやっぱり一切体を隠すことなくこういうのです。
羞恥心なんてものは、同族だから生じるもの。
私の名は「オネイロス」、「夢」を司る「神」だ!!

やむなく習一は彼女を自宅に連れていきます。
彼女が神だなどと言う世迷言はとても信じられないことですが、手のひらほどの大きなハエのような「パンタロス」という存在を見せられてはその言葉というのもあながちウソではないのかもと思ってしまいます。
そのパンタロス、オネイロスの「鎧」の一部なんだそうです。
そしてパンタロスは、「鎧」は習一の中にあると言っています。
これもまた何のことだかわからない……と言いたいところですが、思い当たることが、ありました。
先ほど夢だと思っていた、あの奇怪な蜘蛛のような蟹のような……あれ?
そのかわった表情を見て、思い当たることがあるようだなと笑うオネイロス。
ならばお前は我々と同じ天界から追われる身となったということ、信じられないなら見せよう、これが「天界」だ!!
そう言いながら、オネイロスは「空間」を、「めくり」ました!!
するとその中には
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宙に浮いた島とその上に聳え立つ巨大な建物、そしてそれらの島を結ぶ無数の「軌道(レール)」があって……?
オネイロスによれば、そのレールに合わせて時間や空間、ありとあらゆるものが運行されているとのこと。
その中の一本のレールを、なにやら髑髏があしらわれたとこっろのようなものが走っています。
オネイロスによれば、それは「箱舟」。
その箱舟は、人類の寿命を司っているとのことで……
ですがその箱舟を乗せているレールは、すぐそこで切れているではないですか!!
しかしその目前に、剣がささっています。
そして箱舟は、落下寸前のところで剣にさえぎられて動きを止めたのです。
その剣はオネイロスが以前刺したとのこと。
とはいえあの件は、いつまでも箱舟を止められるほど強いものではないのだそうです。
剣が折れ、箱舟が落ちたら?
オネイロスは言うのです。
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滅びるわ、人類は。
理由もなく、突然にね。


というわけで、突如人類の運命をかけた戦いに巻き込まれることになってしまった習一。
オネイロスは一応人類の味方というポジションのようですが……だからと言って習一の味方というわけではないようです。
自分を追ってくる天界の刺客と戦うためには、鎧の力が不可欠なようで……
果たしてオネイロスは習一をどうするつもりなのか?
鎧とは何なのか?
それより何よりも、人類の運命はどうなってしまうのか?
数々の謎と、一人の少年にとっては大きすぎる運命がのしかかってくる本作。
ですが、習一もどうやらたまたま鎧にぶち当たっただけ、というものではないようで。
習一にも秘密があるらしく……

そしてこの第1巻はプロローグ的な感じの内容で、おそらく主要キャラになるであろうキャラクターや、鎧の持つ能力などが明かされていきます。
戸田先生のダイナミックで迫力満点な絵柄で描かれるバトルは引きこまれますし、オネイロスの性格もボディもたいへんよろしく、読者をのめり込ませてくれます。
ですが第2巻からは、さらに激しいバトルとドラマが待っていそうで、今後の展開が非常に楽しみですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!