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今回紹介いたしますのはこちら。

「SHIORI EXPERIENCE(シオリエクスペリエンス) ジミなわたしとヘンなおじさん」第4巻 長田悠幸先生・町田一八先生 

スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスより刊行です。

さて、メンバーも集まり、そして軽音楽部が始動した前巻。
伝説を作り出すまでの時間は刻々と減っていますが、それでも着々と前へ進み始めた本田たちなのですが……?


アメリカ。
空港で呆然と座っている男がいました。
呆けた表情で座っているその男の横には、金髪の物憂げな瞳をした男がうずくまっています。
その男は……カート・コバーン。
伝説のバンド、ニルヴァーナのボーカル&リードギターで……27歳の時、自らその命を絶った人物です。
あのジミヘンと同じ、いわゆる27クラブの一人……ということは、今のジミヘンとその立場も同じ。
彼は今この呆けた表情の男、フォードについているようで。
そんな彼に対し、フォードは謝り始めました。
どうもこの空港に飛行機に乗りにやってきたものの、その搭乗前にビアホールを見つけてしまったのが運のつき。
どうもフォードは無類の酒好きのようでして、ちょっと一杯のつもりでよったらへべれけに。
いつの間にか寝てしまい、フライトに乗り遅れたばかりか、財布をすられてすっからかんになってしまったのです。
どうしてこんなに酒に飲まれてしまうんだ、とうなだれながら形態をいじりだすフォード。
俺にはやらなきゃいけないことがあるのに、と言いながらその画面に写し出されたのは……ジミヘン!
その画像を見るや、カートはその目を輝かせて食い入るように画像に張り付くのでした!
フォードは笑います。
そうだような、オレたちギターを弾く人間にとっちゃ、ジミは神様以上の存在だもんな。
ようやくアンタの「CROSSROAD MANUAL」でジミが日本にいるってわかったんだ、酒で時間を怒田にしてる場合じゃないよな。
サクッと旅費を稼いで、会いに行こうぜ!!
そう言ってフォードはうなじのジャックをさらけ出します。
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さぁ相棒、ジャックインだ。
「Smells Like Teen Spilit」でいこう!

ちょうどその頃、本田が日野から借りたニルヴァーナのCDを聞いているところでした。
その曲を聞いたジミヘンは、おもむろに聞いたばかりのその曲を弾きはじめました!
ノイジーで重く激しいサウンドに、耳に残るポップなメロディー。
憂鬱なムード漂う歌詞と、感情をぶちまけるようにシャウトする歌声がフィットしている……
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悪くねぇ、俺と同じ「10代の魂の匂い(Smells Like Teen Spilit)」がするぜ。
そう褒めちぎるジミヘン。
本田はそんな曲を奏でるカートのことが気になったのか、彼の「最期」を調べ始めます。
そうか、カート・コバーンも27歳でなくなってるんだ。
ふと思い立ち、今度はジミヘンの最期をしらべてみると、こんな記述を発見します。
1970年9月18日、女性二人とロンドンのホテルに滞在中急逝。
死因は飲酒中に睡眠薬を服用した中毒および、睡眠中におうとしたことによる窒息死。
なおその死については諸説あり、マフィアによって大量のワインを飲まされ溺死のような窒息死をさせられたとか、多額の保険金をかけていたマネージャーがジミに酒と薬を野も褪せて殺害したとも言われている……
本田は、大量のワインという記述に引っかかりを感じます。
ジャックイン中に流れ込んできた、床に落ちて割れたワインのイメージ。
もしかしてあれは、ジミヘンの最期の瞬間の記憶なのではないか……?
ジミヘンに尋ねてみますと、死んだときのことははっきりと覚えてない、記憶があいまいだ、とのこと。
どうもそれは本当にそう言っている、というよりは、この話はしたくないという意思表示にも見えて……
これ以上深入りしてはいけない気がする、と本田は話をそこでやめるのでした。
と、同時に思い起こされる、借金を残して失踪した兄、丈二のこと。
彼がまだ家にいた時に言っていたこんな言葉……
天才ミュージシャンは27歳で死ぬってジンクスがある。
だから俺も27歳で死ぬことになるだろう。
……初めて本田は、「27歳」と「死」という言葉にリアリティを感じて……
丈二の写真を見ながら、本田は語りかけます。
どこかで元気に、生きてるよね?

路上(空港上?)ゲリラライブを終えたフォードは、けっこう長くの金を手にしていました。
カート・コバーン人気はいまだ健在だ、この調子であと2~3回やれば日本行のチケット代も稼げる!
そう言ってほくそ笑むフォードの耳に、何やら騒がしい声が飛び込んできます。
どうも一人の小汚い男が飛行機のチケットを買おうとしたものの、お金が足りなくて追い返されているようです。
その男が係員に突き飛ばされて、フォードの前に転がってきます。
その男の懐から飛び出てきた一冊の本。
その表紙には「CROSS ROAD」と記されていて……!?
すると小汚い男は、拾ってくれたお礼に特別に100ドルで俺様の超絶ギターテクを見せてやろうか?と言うその男。
彼はこんな風に名乗りました。
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俺は本田丈二、ジミ・ヘンドリクスの生まれ変わりだ!!


というわけで、とうとう登場した二人目の27クラブと……丈二!
すぐに、ということはないでしょうが、彼らはいずれ本田に出会い、何らかの影響を与えることは間違いないでしょう!!
この3人が対面するときはどんな状況になっているのか?
クライマックスなのか、クライマックスに向かうときになのか……
ともかくその時が今から楽しみなことは間違いないでしょう!!
ちなみに今まで丈二は割とどうしようもないキャラとして描かれていますが……やっぱりどうしようもない人です。
が、彼がどうして多額の借金を作ったのかや、彼の持つ情熱の本気ぶりが描かれておりまして、アレな性格ではありますが交換を持てるキャラになっております!!
本田との出会いだけでなく、彼自身の活躍も期待したいところです!!

そして本田達軽音部にもいよいよ試練が訪れます。
今まで外野からの圧力的なもの以外の面では比較的順調に進んできたわけですが、さすがにこのまま一直線にゴールまで行くわけがありません。
伝説へたどり着くには、ちょっとやそっとの関門をくぐるだけではたどり着かないのです!!
流れ始める不穏な空気、立ち込めはじめる暗雲……
本田達の動向からも目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!