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今回紹介いたしますのはこちら。

「アイアムアヒーロー」第17巻 花沢健吾先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。

さて、衝撃的な展開を迎えた英雄たちグループの旅路。
場面は移り変わり、世界で起きつつある異変を描き、そしてさらに場面はチェンジ。
英雄と因縁(?)ある元大人気漫画家、中田コロリの物語が描かれるのです!!


青空の下、昼寝をしているコロリ。
そんな彼を、コロリ隊長起きてくださいと呼び起こす声がします。
起き上がり、大きなあくびとともに伸びをするコロリですが……夢見は最悪だったとのこと。
なんでも痴漢の冤罪でつかまった夢だそうです。
しかもコロリ、黙っていればいいのに時々それに近い行為をしなかったわけではないが、その時はほんとに100%冤罪だったから腹が立った!と余計なことを言い出します。
出るところに出ようかとも考えたが、人気漫画家だったため騒ぎになると大変だという編集部判断で示談にした……と聞いてもいない話をし始めるのですが、コロリの部下らしき人物が早く帰らないとZQNきますよといさめます。
すると地図を広げてマークを付けだすコロリ。
どうやら今彼らは一軒一軒民家をあたり、ガソリンを集めているところのようです。
ガソリンスタンドに行って一気に集めてはどうかと部下は提案するのですが、スタンドは大通り沿いにあることが多くZQNも多いし、運搬も大変で下手をすると全滅もありうる、と意外に慎重。
ですが、準備さえ整えばやる価値はあるよ、と部下の考えを全否定はしないフォローまでするなかなかのリーダーぶりも見せてくれます。
これでそのあとの自分の痴漢についての最低な語りがなければ完璧なのですが……

ZQNの行動は日常の習慣に起因している、ということから、非日常である墓地にはあまり現れない。
そんな経験に基づく理論で、コロリはここで堂々と昼寝をしていたようです。
そんな経験と慎重な行動が功を奏し、危険とほとんど縁のない探索をしていたのですが……いつもそうはいかないのが世の常というもの。
帰り道に、5体のZQNがうろついていたのです。
5体ぐらいならいける、と意気込む男性の部下ですが、コロリはだめだ、と武器を下ろすよう指示。
いつもZQNに出会った時の戦法「ハイウエストポンドポーチ」で行くと言い出します。
コロリが囮となり、部下二人は基地に戻るという作戦のようですが……?

コロリが声を上げながらZQNの前に姿を現すと、当然ZQNはコロリを追いかけてきます。
ZQNが追いかけていることを確認したコロリはダッシュで逃げ、ひらりとビルの階段へ。
そのまま全速力で上階へと駆け上がり、さらに柵を乗り越えて大ジャンプ!!
普通ならば大けがをしてしまうところですが、すでにこの作戦は何度も結構しているようで、飛び降りるあたりには何重にも布団が敷かれていまして。
うまくそこへ着陸したコロリ、痛いは痛いのですが怪我なく飛び降りることに成功したのです。
一方のZQNは、コロリのようにきれいにジャンプすることはできず、ビルから落下してしまい……
高所から落下して骨が砕けたくらいではZQNの動きが止まることはありません。
ですが四肢が損傷すれば動きは鈍くなりますから、逃げるのには十分です。
とりあえずこれで逃げる時間が稼げたコロリ、部下二人の心配をしながらゆっくりと聞かんしようとするのですが……その時のことです。
後ろから、何かが落下してくるような音が響いたのは。
……それは、ZQNでした。
コロリが落ちてきた毛布の上に落ちてきたそのZQN、コロリたちのような防具を装備していました。
ですがそれよりも目を引くのは、マスクの下に除く双眸。
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まるで出目金か何かのように眼球のあたりが盛り上がり、変形しているのです!
それを見てコロリ、血相を変えて全力で駆けだします!
するとほどなく、合流予定地点に部下二人が待っているのが見え始めます。
コロリはその二人に向かって叫ぶのです。
戦闘型ZQNだ、逃げろ!振り返らず逃げろ!!
痴漢でつかまりかけた時のように、全速力で走れ!!!
そんな経験はコロリにしかないのでしょうが、ともかく必死で逃げなければいけないのはわかります。
懸命に走る3人ですが、それまでゆっくり追いかけてきていた戦闘型ZQNも走り出しました!
するとみるみる距離は縮んでいき、あっという間にコロリの背後まで近づいてきました!!
もはやコロリもここまでか……
そう思われたその瞬間、戦闘型ZQNの足にトラップの金属が突き刺さります!
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それは、鉄製の丸椅子をさかさまに置き、脚部を鋭利に切り取った巨大なまきびしのようなもの!
普通の人間ならばこんなにわかりやすい罠にはかからないのでしょうが、注意力という面では人間に大きく劣るZQNには有効なようです!!
が、足に深々とトラップがささり、転倒した拍子に顔面を腹にトラップがささった状態でもまだまだZQNは元気そのもの。
刺さったトラップはそのままに、起き上がるなり再びダッシュしてくるのです!!
コロリは力を振り絞って再ダッシュ。
すると目前には、無数に置かれたパイプ椅子が見えてきます。
コロリが仕掛けたらしいこのトラップ、息も絶え絶えになりながらなんとか腰を下ろす部分だけを上手に踏み越えて先に進んでいくことができました。
ZQNはやはり慎重に足場を吟味するなどということはせず……足をパイプ椅子にとられ……さらに突き刺さったままのトラップにも引っかかっていき、自由に動くことはできない状態に……
援軍を待とうかという部下ですが、いつもは慎重なコロリがここで意外なことを言い出します。
いや、このまま倒します、と!
手負いとはいえ相手は戦闘型のZQN。
3人で立ち向かうのはリスクが高すぎる気もします。
ですがそれでもコロリは戦うというのです。
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痴漢を失敗したときの嫌な予感がする。
……イマイチ緊張感にかける気がするたとえですが、おそらくそれはコロリにとって一番の悪い予感の表現……!
一体このZQNになにがあるというのでしょうか?
コロリの悪い予感は当たってしまうのでしょうか……


というわけで、コロリ編が描かれる今巻。
今巻で英雄たち以外にも、よくも悪くもある程度の人間が生き残っているのがわかりました。
そして正直言って最初に登場したときは頼りがいがあるとはとても言えない印象しか受けなかったコロリが、以外にも論理立てた思考ができる人物で、身体能力も高く、リーダーシップを取ることもできる人物だということも。
彼にとっては良い印象がない英雄ですが、もし出会うことができたら、コロリから英雄に対しては良い印象しかないこともあり、心強い味方になってくれそうな感じもするのですが……
とはいえ、コロリが現在所属している部隊はどうも善人とは言い難い人物が多いようで。
この組織自体にもいろいろと問題がありそうで、まずその問題でコロリの命が危険にさらされる予感も……
この集団に英雄たちが絡んでいくのか?
それともこの集団には出会わずにそれぞれの物語が進んでいくのか?
どちらに転ぶにせよ、待っているのは死と隣り合わせの緊張の連続であることは間違いありません。
これから先の展開からも目が離せなそうですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!