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今回紹介いたしますのはこちら。

「それでも町は廻っている」第14巻 石黒正数先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。

さて、歩鳥と彼女の友人たちと、商店街の皆々様の日常を描いていく本作。
ギャグ有、オカルト有、感動有のなんでもありな本作ですが、今巻でもそんなあれこれが詰め込まれております。
全8編が収録されている今巻ですが、今回は衝撃的な内容のエピソード、「夢幻小説」を紹介したいと思います!


バイトではなく、客としてシーサイドにやってきた歩鳥。
そこには静さんと、同じく客としてやってきていたタッツンが寛いでおりました。
厳密にいうとタッツンはくつろいでいたのではなく、勉強しに来ていたようですが、冷え性の彼女は足先が冷え切ってしまって温めているところで。
じゃあ足が温まるまで雑談タイムとでもしゃれ込もうかとなったのです。
そこでタッツンが持ち出してきたのは、意外や意外、本当にあった怖い話。
先日、友人の田原さんちにお邪魔したタッツンなのですが、洗面所にお邪魔したらなぜか戸棚の一つにべたべたとガムテープが張り付けられて開かないようになっているのです。
どうしたのこれ、戸が外れたの?と田原さんに尋ねてみますと……田原さんは答えたのです。
そこから、女の顔が出るから。
……あの真面目な田原さんが、真顔で。
思わず聞き耳を立てていた静さんも、こわ、と声を上げてしまい、歩鳥も短くまとまってるけど怖いよ!うまい!と謎の絶賛をするそのお話のおかげですっかり場が温まったせいか、他に怖い話がないかという方向にお話が進んでいきます。
普通に火とか自動車とか怖いけど……ととぼけた返答をする歩鳥ですが、そう言えばと夏ごろに読んだ門石梅和の新刊が怖かった、と言い出しました。
「異界村」と言うその新刊、雪に閉ざされた村に迷い込んだら、つい昨日まで生活していたあとだけを残して村民がだれもいなくなっていた、というお話だったようで……
その話を聞いて、ひそかにうろたえている人物がいました。
それは……静さん。
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このタイミングでなんで門石梅和の名前を出した!?
バレてんの?バレてんのか!?
あたしが門石梅和だって……!
静さんが小説家として活動しており、一般にも評価を受けている……と言うのは内緒にしていることのはず。
当然歩鳥はこれっぽっちも気づいていないのですが、やはり自分の目の前でそんな話をされては鎌をかけられているんじゃないかと疑いたくもなるというもの。
そんな静さんのうろたえなど知らず、今の話題で歩鳥はある「夢」のことを思い出しました。
と言っても、「私の根源的な恐怖はこれだな」と思った夢だった……と言う夢を見た、ということを思い出しただけで、夢の内容までは思い出していないのですが。
思い出そうとすると逃げていくと言うその夢を、再び思い出そうとする歩鳥。
すると何でしょうか……まるで世界がそのものがものすごい勢いで移動しているかのような轟音がして……?

はと目を覚ます歩鳥。
いつの間にか寝ていたのか?と体を起こすのですが、それを見たばあちゃんや静さんの様子がなんだかおかしいのです。
頭がぼーっとする、ばーちゃん、私いつから寝てたっけ?と問いかける歩鳥ですが、それに答えたのは静さん。
いやお客さん、目を離した一瞬にいきなりそこにポンと現れたように見えましたけど?
そして静さんは、すぐ隣に立っていた……シーサイドのエプロンをつけた紺先輩に、いつ入ってきたか気づいたかと問いかけて……
そこに驚いたのは歩鳥。
なぜ紺先輩がエプロンをつけてシーサイドにいるのか?
思わず何やってんすか紺先輩と問いかけるのですが……紺先輩は歩鳥を見て、誰?ときょとんとした顔をして……
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もしかしてドッキリか、設定とかがわからないとどう対応していいかわからないよと戸惑う歩鳥ですが……どうもドッキリの類ではなく、紺先輩どころか、静さんやばあちゃんまで歩鳥のことを知らないようなのです!
しかも歩鳥、いつの間にか寝間着姿の上、裸足じゃありませんか!
何がなんだかわかりませんが、とにかく一度家に帰ることにした歩鳥……
ばあちゃんはすっかり歩鳥をかわいそうな身の上の子だと思い込むのですが、静さんや紺先輩はただのかわいそうな子ではなさそうだと気が付き始めます。
裸足でここに来たにしては、足の裏が全然汚れていなかった。
紺先輩は何か思い当たる節がある様なのですが……?

家にたどり着いた歩鳥。
すると何と、見慣れているはずの自宅が見慣れないがいそうになっているではありませんか!!
いつの間にリフォームしたのかとうろたえていますと、視界の隅にジョセフィーヌをとらえることができました。
フンフンといつもの泣き声を上げながら甘えてくるジョセフィーヌ。
あーなんかほっとした、と彼をなでる歩鳥ですが……犬小屋に書いてある名前はジョセフィーヌではなく、「ボーナス」になっているではありませんか!!
おまけに歩鳥と戯れているジョセフィーヌに向かって、知らない人と遊んじゃだめ!!と声をかけてくる人物が現れたのですが……その人物はユキコだったのです!!
おいユキコ、知らない人じゃないだろ、お姉ちゃんだろ!と慌てて語りかける歩鳥なのですが……ユキコはこんなことを言い出すのです。
私、ユキコじゃないんだけど。
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嵐山歩鳥という者だよ。
確かにユキコの持ち物にはすべて「嵐山歩鳥」と名前が書かれています。
……これってどういうことなのでしょう。
いたずらにしてはあまりにも手が込みすぎではないでしょうか?
しかもユキコは歩鳥を目の前にして……防犯ブザーを鳴らして……!!
ユキコは本当に歩鳥のことを知らない……?
これは一体どういうことなのでしょうか。
歩鳥は一体、何に巻き込まれてしまったのでしょうか!?


というわけで、いつもの日常話かと思わせておいてのとんでもない展開を迎えるエピソードを収録した今巻。
この後もどんどんと歩鳥は不思議ワールドに迷い込んでいくこととなっていきます!!
下手をすれば本作の中で最も恐ろしいかもしれない子のエピソード、どのような展開を迎えてどのように決着を迎えるのか?
本作ですから壮大なストーリーや手に汗握るスペクタクルはないわけですが、グイグイ引き込まれる展開と決着が待っていますよ!!

この他にも若かりし日(?)の静さんと歩鳥が出会い、今の関係に至るまでのきっかけが描かれるお話や、にぎやかキャラ福沢さんが歩鳥に事件の依頼に来るお話、タケルとエビちゃんとエビのエピソードなどなど、見どころ満載!!
今巻も様々なエピソードで読者を最後まで楽しませてくれるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!