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今回紹介いたしますのはこちら。

「聖骸の魔女」第1巻 田中ほさな先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。

さて、田中先生の最新作となる本作は、中世のファンタジーものです。
田中先生初となる青年誌での連載作品、どのような物語なのでしょうか!?


15世紀のローマ。
浄皇庁の聖天使城(サンタンジェロ)。
その大書庫でひたすら書を読みふけっている男がいました。
彼の名はニコラ・エスカリバ。
夜通し書庫にこもって何かを調査していたようですが……そんな彼のもとに、なにやら高貴なオーラを身にまとった女性が現れます。
その女性の登場に驚いたニコラ。
何を隠そうこの女性こそが、この城の主である浄皇なのです!
215日ぶりの御尊顔拝謁です、猊下に置かれましてはご機嫌うるわしゅう……と喜び勇んで浄皇のご機嫌をうかがうのですが、ご機嫌は麗しくない!と浄皇はきっぱり。
昨晩、「魔女の眷属」に襲われた……と言うのです!!
幸い浄皇は無事でした。
が、襲ってきたのはただの使い魔だったのにもかかわらず、7名もの犠牲者が出てしまったとのことで。
しかもその現場には、魔女からの宣戦布告ととれるメッセージが残されていまして……
浄会と魔女との戦争はもはや避けられない。
浄皇はそう言うのですが、お付きの者たちは口々に反論するのです。
魔女は不死の再生力と数百の軍勢を打ち負かす武力を備えている、戦争相手というよりは、災害に近い、避ける工夫と穏便な処置を考えたほうがいい……
ですが条項はそんな助言を完全に無視!
魔女をその目で見、知った者、幼少より魔術文献に親しんだ異端の住人、二コラに聞いているのだ、とお付きの者たちを追い払うのです!!
そしてその二コラは、いきなり第一声から彼らの常識を覆すのです!
「魔女は不死である」、それは迷信です。
……ですが、魔女の持つ圧倒的武力は現実だから、事実上殺すのは不可能だ、という但し付きですが。
がっくりくる浄皇ですが、二コラの話はこれで終わりではありませんでした!
一つだけ方法がなくはない。
それは……味方となってくれる魔女を探しだし、魔女と戦わせる、というもの!!!
およそ実現可能とは思えないその作戦ですが、もちろんあてもなくそんなことを言う二コラではありません。
浄皇ですら忘れかけていた言い伝えを、覚えていたのでしょうか。
背教の大逆人を収容する贖罪監獄の奥深くに、魔女が眠っている。
浄皇は、魔女の鍵という大大伝えられてきた鍵束を二コラに渡し、魔女にあって来いと命じます。
お前がその目で確かめてこい、幼少のころその目で見た魔女と、書物から拾い集めた魔女との違いを。
我らの味方になりうるかを。

書物には、はるか昔は魔女と人間は良き隣人であったとありました。
そんな魔女が本当にいるのなら。
願うような気持ちをこめて封印された扉を開けると……その部屋の真ん中には、拷問器具の一つとされている「鉄の処女」が鎮座していました。
さあ鍵を開けよう……と思いきや……鍵束のどれを刺せばいいか見当もつきません。
順番に試すしかないか、と最初の鍵を差し込んでみる二コラですが……その鍵、軽く一ひねりしただけで先が割れてしまったではありませんか!
驚き戸惑っていますと……どうしたことか、大きなきしむ音を立てて閉ざされていたふたが開き始めます。
何故開いたのか?
……そんなことは今は重要ではありません。
子の中に魔女がいる、一体どんな……!!
固唾をのんで見守っていると、中から現れたのは、魔女……
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の、白骨でした。
亡骸の装飾品から見るに、彼女の名は「最初(はじまり)の魔女・エゼルハルド」。
……冷静に考えれば、言い伝えになるような昔からここに閉じ込められているのならば、白骨化している方がむしろ自然……
ですよね、と脱力する二コラではありますが、そこでもう二コラは完全に開き直ることにしました!
だからどうした、死んでたら生き返らせればいいじゃない!
浄皇の期待を一身に浴びてここにやってきたわけですから、手ぶらでなど帰れません。
白骨死体をお姫様抱っこし、帰ってなんか反魂の法とか復活の呪文とかを探してみるしかないと駆けだす二コラ。
そこで、この白骨死体には左手の薬指がなくなっていることに気が付くのですが……?

外に出てみますと、そこでは大変なことが起こっていました。
夜の礼拝堂で一人祈りをささげていた浄皇のもとに現れた、女。
彼女は単身、浄皇の命を狙いに来たのです!
ですが浄皇はすでにこの事態を予測済み。
先日の使い魔がやってきたのもこの場所、万一を考え礼拝堂にたくさんの伏兵を忍ばせてあり、その伏兵による一斉掃射を女に浴びせたのです!!
……が、その女は体に奇妙な文様を浮かび上がらせ……立ち上がったかと思うと、あっという間に伏兵たちを皆殺しにしてしまったではありませんか!!
女は、魔女の刺客などではありませんでした。
彼女こそが浄皇に宣戦布告のメッセージを送りつけてきた魔女!
魔女は浄皇を踏みつけ、この問いに応えれば今死ぬか後で死ぬかくらいは選ばせてやる、と言って、こう尋ねてくるのです。
「最初の魔女」はどこにいる?と!!
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……ちょうどそのタイミングでその場に姿を現してしまった二コラ。
浄皇や魔女は、二コラが抱えているものが魔女の亡骸であることを知り、それぞれの反応を見せます。
やはり死んでいたか、と予想していたらしい浄皇。
そして、奇跡ってのはおまえら浄会の救世主の十八番だろ、蘇らせて見せろと無茶振りしてくる魔女!!
確かに魔導書に、祈祷文は書かれていました。
ですが写本もなければ魔法円もない状態でその威力が発揮できるとは到底思えません。
魔女は、条項を人質にとって早くしろと強いてきます。
本で読みかじった知識なんて何の役にも立たない。
死んだ者は生き返らないし、魔女の暴力にあらがうすべもない。
俺は「また」大切なものを守れない、誰でもいい、俺に力を……
自分の無力さを痛感し、涙を流すながら祈祷を行う二コラ。
あの先の割れた魔女の鍵は、失われていた魔女の薬指だったようで、その指を戻してやりながら、最後の一文を読み上げます。
ぽたぽたと流れ落ちる涙が、魔女だった骨にしたたり落ちた……その時のことです!
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美味い。
そう言って、今まで白骨だったそれが美しい女性の姿へと返事、立ち上がったのは!!
まさか、本当に魔女が生き返ったとでもいうのでしょうか。
そしてこの魔女は、本当に人間に力を貸してくれるのでしょうか?
二コラと浄皇、そして魔女たちの物語はここから幕を開けることとなるのです!!!


というわけで、二コラと魔女と、魔女との戦いを描いていく本作、
本作は青年誌連載ということもあり、田中先生の前作なんかと比べますとグロ描写なんかも多めな、ハードなストーリーが繰り広げられていくこととなります。
ですが、ただ重いストーリーが続くわけではなく、この後物語はハードな背景を残しつつも意外な色合いも同時にはらんでいくことに!!
魔女による壮絶なバトルとともに、また別のお楽しみもある欲張りな作品となっていくのです!

物語は邪悪な魔女を、魔女によって制するというものなのですが、本作のボスとなりそうな存在も今巻で早くも登場。
それを目指すための戦いが物語の軸となっていくようです。
しかし二コラの脳裏に今も焼き付いている、幼い日に見た魔女の存在も気になる所。
その魔女がこれから先の物語にどう絡んでいくのか?
そのあたりも注目せざるを得なさそうです!!

もちろん様々登場する女性キャラも要チェック!
青年誌ということもあり(?)、いろんな意味でちょっぴり大胆な行動をしてくる個性豊かなキャラクターの活躍も期待できそうですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!