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今回紹介いたしますのはこちら。

「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿」第2巻 木々津克久先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、行方不明の兄が幽霊として帰ってきて以来、ただでさえ妹たちの世話に勉強にと忙しかった日常がさらにあわただしくなってしまった蛍。
兄の力によって、人の悪意を増幅させる亡霊の存在を知った蛍はどうしてもそれを見過ごせず。
苦学生と探偵のまねごとという、大変な二足の草鞋を履くことになってしまうのでした。


ある日のことです。
蛍の家にとんでもない凶報が飛び込んできました。
世話になっていた会計士の実山が、蛍の家が営んでいる町工場の資産を持ち逃げして失踪した……!!
普通の企業にとっても大変なこの事件ですが、町工場にとってこれは致命傷です。
このままでは、間違いなく蛍の家の工場はつぶれてしまうでしょう!!
ですが実山さんは、お父さんともお酒を酌み交わすなどのいい関係を築いていて、とてもこんなことをする人には見えなかったのですが……

蛍は、幼馴染でひそかに蛍に片思いしている慎一から気になる話を聞きました。
蛍の母親と、実山が一緒にいるところを見た、という。
蛍の母はスナックをやっていまして。
慎一は蛍に近づきたい一心で工場でバイトをしているのですが、その関係もあって球にその店の買い出しなんかを頼まれるそうなのです。
その時、店に来ていたのを見たのだとか。
その時はひいきにしてくれてるのかとも思っていたのだそうですが、今振り返ってみると……なんだかいい雰囲気だったような気も……
蛍の母は今でこそいろいろ苦労しているものの、若いころは美人でもてはやされていたようで。
実山にそそのかされて、持ち逃げに協力したとなれば……?

慎一を変装させて、実山の持ち逃げの被害者を装って会計事務所を訪ねた蛍。
すると事務所の前は同じような被害者であふれかえっていました。
事務所の所員たちも実山と連絡をとれず、この状況にてんやわんやになっていて。
ですが何度も何度も電話をかけているうちに、ようやく実山と電話がつながったようです!!
電話先からは、実山のこんな声が聞こえてきます。
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皆にすまなかったと言ってくれ、こんなことになってしまったのは私の責任だ、これから私は責任を取る。
それだけ言って、電話は切れてしまいました。
……まさか、自殺でもする気なのか!?
騒然となる所内ですが、探しに行きたくともいま事務所の外に出れば、押しかけてきている債権者に何をされるかわかったもんじゃありません。
探すに探せず、困り果てる所員達ですが……その会話を、蛍の兄、圭一が聞いていました!
すぐに圭一は蛍に報告!
圭一は所内で実山の住所を調べていたので……蛍は早速その部屋に向かうのでした!!

部屋の前につくと、すでに所員に通報されていて、警察がドアをたたいている状況でした。
そこで蛍は身を隠し、圭一が中に入って調べることにします。
中に入ってみると……リビングに実山が倒れていました。
ですがなんだか様子がおかしいのです。
首にひもがかけられており……タイマーによって、そのひもが引っ張られて、首吊りの形になる……殺人装置に賭けられている!?
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必死にそれを止めようとしますが、幽霊である圭一の手はむなしく空を切るだけ……
蛍、止めてくれ、蛍!!
その心の叫びもむなしく、装置はその役目を……遂行してしまうのでした……

おそらくこの装置は、アリバイ作りのためのものでしょう。
となれば怪しいのは、いま事務所にいた所員四人のうちの誰か。
金を横領し、実山に罪を擦り付けて殺した人間がいる!!
通報したいところなのですが、まだ犯人は不透明。
そこで、今警察が管理人にのもとに行っているこの隙に犯人が殺人装置を回収しに来るはずだと貼り込むことにします。
なかなかやってこない犯人……
蛍は、こんなことを言い出します。
お金のために人を殺せるなら、命にも値段の相場があるんじゃないか?
百万か一千万か……殺してもいいやって基準が。
だったら、お金を払えば命を返してくれればいいのにね。
そうすれば、兄貴だって……

夜も更け始め、家事やら勉強やらトイレやらがそろそろ気になり始めたその頃です。
実山の部屋の前に、思いもしなかった人物が現れたのは!!
なんと、同じ学校の制服を着た女子高生!?
もちろん彼女が犯人なわけはありません。
彼女は蛍の存在に気が付き……その顔を見ると、蛍のことを思い出したようです。
それもそのはず、蛍は入学してくるなり「新入生の中で死人が出る」などと不吉なことを言ったある種の有名人でしたから……
しかも彼女、なんだかめんどくさそう。
何でこんなところにお前がいるんだと問い詰めてきた彼女は、こう自己紹介をして来たのですから。
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マルス学園一年、緑川楓。
探偵さ。


というわけで、まさかの女子高生探偵登場となった本作。
前作「マーニー」では主役として活躍した女子高生探偵ですが、今回はライバルキャラ的な立ち位置となっています!
何せ蛍の場合、調査や推理で事件の真相にたどり着くまっとうな探偵ではなく、圭一のもつ亡霊や人の悪意を見る力で事件をしり、圭一の持つどこでも自由に立ち入れる体質(?)によって真相のパーツを手に入れ、残りを推理なんかで解決していくスタイルです。
それは真面目に探偵をやっている楓からすれば不可思議なものでしかなく……事件現場にふらりと現れる、むしろ不審な人物でしかないのですから!!
そんなわけで、彼女は蛍の操作を邪魔する存在となってきます。
ですが、そこは蛍の世渡りのうまさの見せ所!!
警察ともある太いパイプを持つ楓をうまいことかわして利用すれば、ただの邪魔者には終わらせないこともできるはずなのです!!

新キャラクターも登場し、蛍の日常がさらに大変になっていく本作。
ですが同時に、謎の多い圭一の死にも徐々にではありますが近づいていき、物語と蛍の悩みの種の解消は徐々に解消していきそう!!
これから先の展開も見逃せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!