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今回紹介いたしますのはこちら。

「サクラサクラ」第7巻 もりしげ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。

さて、コレットの暴走なんかもあり、春と桜子がぎくしゃくしてみたり、女の友情がはぐくまれつつあったりといろいろあった前巻。
なんだか学校に行くのも忘れていた一同は、久しぶりに学校に行ってみたのですが……何と翌日から夏休みとのこと。
さんざん学校を休んでいたのに、長期休みに入ってしまった一同、今度は何をするのでしょうか!?


コレットの音頭によって、海へ山へと遊びに行くことになった4人。
海ではコレットと、山では桜花と、あんなことやこんなことになってしまう春。
その時も、川でバランスを崩しそうになった桜花を張るが支えてあげると、二人とも頬を赤らめてみたりします。
そんな様子を見ていた桜子は……面白くありません。
最近になってめっきり「人間らしく」なった桜花がああいうイベントに直面して赤くなるのはわかります。
ですが、春が頬を染めるのは……納得いきません!!
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何せ春、桜子に対しては、一線こそ越えてはいないものの、あんなことやこんなことをしちゃってるんですから!!
おまけに春、「初めての女性は君であってほしい」なんて誠実そうなことを、面と向かって臆面もなく言っておきながらこれなんですから……
一人でじたばたしておりますと、いつのまにかすぐ傍にコレットが。
一人で身もだえしてどうしたのかと尋ねてくるコレット、春の「気が多い」と言うのは最後の世代の男のことしては喜ばしいことじゃないかと余裕のセリフを述べるのですが……その頬はわずかにひきつっております。
海でおこったあるイベント以来、コレットは今までの積極的な態度をとりながら、一歩引いた位置で余裕の豹表情を浮かべている……と言うスタンスをとれなくなっていまして。
そんなコレットとは逆に、桜子はなんだか冷静。
以前はほとんど感情を表に出さなかった桜花が、こうして女の子らしい表情を見せるようになった。
それを考えると。うれしいような寂しいような……親か何かのような心境になってしまうんだそうです。
ともかく、春の「初めて」の最有力候補であった桜子にやる気がないというならば、今のコレットにとって願ったりかなったりです。
これからは桜子ではなく、桜花のほうがライバルになるかもしれない、とうそぶいたかと思うと、コレットは私も参加すると大声を上げながら桜花と春が楽し気にしている川のほうへと走るのでした。

三人でキャッキャウフフしている様子を見つめる桜子。
何故でしょうか、つい先日まで感じていた体の火照りまで急速に冷めていくような気がします。
そんな桜子のもとに春がやってきまして、一緒に魚取りをしないかと誘ってくるのですが……桜子はなぜか春の顔を見ていると、心の中から湧いてくるイライラが抑えられないのです。
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やめとく、とつれない返事をしてその場をさっさと立ち去る桜子。
この気持ちは何なのか?
ジェラシーなどでは消してないこの気持ちは……?
桜子は一人離れ、物思いにふけるのでした。

改めて恋に目覚めたコレット。
女の子らしくなった桜花。
それ自体は、嘘偽りなく人として素晴らしいことだ、と桜子は思っています。
ですが自分はどうなのでしょうか。
本当に自分はあの二人のように、春のことが好きなのか……?
春と会う前の桜子の中には、この国をこんな状態にした「御老人」たちへの怒りしかありませんでした。
ですが春と出会い、自分の中にも怒り以外の感情があることを知り……そして、この世界も捨てたものではないと思えた時もあったのです。
ですがいくら春たちとの日常を謳歌しても、自分が最後の世代というがんじがらめに縛られた存在であることは変わりません。
心の中に抱える絶望は、春も同じはず……そんなことを考えているうちに、今度は春が桜子の傍に来ていました。
最近楽しいよね、と話しかけてくる春に、桜子は心の中いっぱいに広がる疑問を投げかけます。
でも本当は何一つ変わっていない、私たちが楽しそうにすればするほど「御老人」はほくそ笑む。
今が楽しいからって、本当にこれで良いのか……?
そんな桜子の真剣な問いかけに対する、春の答えはと言いますと……
こういう人生も悪くないかなぁ、なんて……というもので……
そう答えた瞬間、春の顔に冷や水がぶっかけられました。
そして、すっと立ち上がった桜子の顔は……冷め切っています。
あなたって最低。
そう言い残し、春の引き留める声も一切聞かずにその場を去っていく桜子。
桜子の胸中に渦巻くのは……怒りです。
何がこんな生活も悪くない、だ。
もう止めた、何が青春だ、何が楽しい学園生活だ。
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やっぱりこんな国、私が滅ぼしてやるから!!


というわけで、一同の心に大きな変化が起きる本作。
改めて春に恋をし直すことになるコレット。
人らしい感情を豊かにしていき、春にはっきりと惹かれ始めた桜花。
そして、春たちとのぬるくも楽しい日常をすっぱりと捨て、一人で御老人への反逆計画を進める決意をした桜子。
そんな中で、春だけはほとんどスタンスを変えずにのほほんとやっている、陽にも見えるのですが……
そんな春も、彼なりに強い決意を持っていることがこの後わかります。
御老人の掌の上で踊らされている春たち。
しかし、このまま彼らの思い通りにことが進んでいいものでしょうか?
それを面白く思っていないのは、桜子だけではないはず!!
大きく物語が動く準備が行われる今巻。
そろそろ物語はクライマックスに突入していきそうです!!

ちなみに、恒例のサービスシーンもばっちり用意されているのでご安心を!!
いつもとは一味違うコレットのお色気シーンは必見……かもしれません!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!