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今回紹介いたしますのはこちら。

「ワールドトリガー」第11巻 葦原大介先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、大規模侵攻を退けることに成功したボーダー。
犠牲者は出てしまったものの、それでも最小限と言っていい数に抑えることができました。
その後政治的な動きもあり、大々的なネイバーの世界への遠征が決定。
千佳の兄と友人を探すという目的のため、修たちは一刻も早くA級へのランクアップを目指すことになったのです。


ランク戦にも順調に勝ち星を重ねていき、B級暫定8位にまで到達した修たち玉狛第2。
次なるランク戦は、同9位である鈴鳴第一、そして同13位の那須隊です。
どちらのチームも修たちと同じ、前衛・中衛・後衛が一人ずつ、そして中衛がリーダーと言う構成。
さらに鈴鳴第一には、ナンバー4のアタッカーである村上が所属していて……
今回の戦いでは、一番上のランクに位置する修たちはマークされる立場となります。
今までは比較的ノーマークで、挑む立場だった玉狛第2。
相手にも油断とまでは行かないものの、ある程度の付け入る隙もそこから生まれていたでしょう。
そう言ったものが見込めない今回の戦いこそ、玉狛第2の真価が問われるものとなるわけです!

一見すると好調に見える修たちですが、もちろん不安材料もあります。
風間隊の菊地原にも言われたのですが……
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玉狛第2の快進撃はすべて、遊真の絶対的な実力あってこそのものだ、ということ。
戦力としての修にはとがった部分はないと言っても過言ではありませんし、千佳は絶大なトリオン量でとんでもない威力の射撃を放つことこそできるものの、身体能力や戦術はまだまだ……
それに加えて、千佳に戦闘の指導をしているレイジには気になることがあるようです。
B級中位相手に上々の成績を残した、と言うのは充分合格点。
戦術もかっちりはまり、修の努力も報われています。
ですが、千佳についてはどうでしょう。
戦闘が始まったと同時に、修たちが千佳に告げる作戦……「修と遊真がやられたら、千佳はペイルアウト」。
これはあまりにも過保護ではないか?とレイジは言うのです。
祖の心配を打ち明けられた栞は、それはそうだ、とうなずきます。
が、同時にそうしている理由も打ち明けてきました。
普通にやると、千佳は頑張りすぎてしまう。
……みんなで作戦会議をしたところ、千佳は囮や砲台といった、危ない役ばかりやりたがったそうです。
それはどうも、千佳の過去のトラウマに由来しているようで。
その絶大なトリオンによってネイバーを呼び寄せてしまっていた千佳。
兄がさらわれたのもそのせいだと思いこんでいます。
そんな思い込みのせいなのか、千佳は自分の命を軽く見ているところがあるのです。
危険なことを進んでやろうとする。
その行動は、時と場合を選ばなければ、ただの「無謀」に終わります。
それを十分にわかっている修と遊真は、千佳に無理をして欲しくないからこそその作戦を打っているのです。
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「危険な時は自分の安全をまず考える」。
訓練ではなく、実践……遠征の日に向けて、そう言う癖を今からつけていくために!

遊真は、緑川と個人戦をしていました。
やればやるほど勝てなくなる、と頭をひねる緑川、逆にだんだんわかってきたと肯く遊真。
そんな二人の戦績は、遊真の21勝9敗。
ですがその戦績ほど二人の実力差は広がっていないようで、後半のほうでは割と五分五分の戦いとなっていました。
お互い実力を磨き合い、ついでに遊真は緑川からポイントをごっそりいただく。
そんなお互いにメリットがあるようなないような30本勝負を終えたところ……訓練室に気になる人物が現れました。
鈴鳴第一のアタッカー、村上です!
村上がこの場にやってきたのは、もちろん次のランク戦対策。
グラスホッパーを使い、自由自在に空間を飛び回る遊真対策を練りに来たのです。
ですがお目当てだった緑川はこれ以上ポイントを減らせられないからと対戦を拒否。
それを見て、遊真は緑川が負けを感情に入れるほどの相手なのかと感心し……こう持ち掛けるのです。
じゃあ、俺とやろうよ。
直接対策したほうが早いでしょ、こっちもそっちの戦い方知りたいし。
……その提案を聞いた村上は、なにやら返事をしづらそうにしています。
さらにその場に居合わせていた荒船は、次の試合が不利になるからやめておけと言いだします。
おまけにあの米屋まで、口を出すのも出さねえのもフェアじゃない気がするが、勝負は試合までとっておけと言い出すのです!
普段なら戦いをあおるような面子まで、口をそろえて止めろと言う村上との対戦。
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ですが、その理由が何なのか気になって仕方がない遊真は、それを知るためにやりたくなったと笑うのです!
なるほどと勝負を受けた村上は、勝負の形式を提案してきました。
10本勝負、ただし5本終了後に15分休憩をはさむ。
……少し変わった形式ではありますが、かといって奇妙すぎるといったわけでもありません。
遊真はその提案を快諾し……10本勝負、スタート!!
果たして村上の実力のほどは?
そして、口をそろえてみんながやめておけといったその理由とは……!?


というわけで、B級ランク戦が過熱していく本作。
すでに未来を見据えての戦いを始めている修達ですが、なかなかどうしてその道は険しいです。
指摘されるまでもなく、遊真頼みである現在の玉狛第2。
千佳はまだ戦術次第ではいくらでも活用しようがあるものの、正直言って今の修は、チームの付け入るスキになる弱点と言ってもいいでしょう。
修がこれからどう成長していくのか、がチームの躍進に直結していきそうですが……?

そして目先の戦いも気になります。
これからはともかくとして、今回の戦いでは遊真の果たす役割が非常に大きくなるでしょう。
だというのに、村上と戦うのは不利になる、という言葉を振り切っての個人戦。
この戦いが、大事なランク戦にどんな影響を及ぼすのか?
個人戦の結果も、チーム戦の行方も目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!