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今回紹介いたしますのはこちら。

「がっこうぐらし!」第6巻 原作・海法紀光先生 作画・千葉サドル先生 

芳文社さんのまんがタイムKRコミックスより刊行です。

さて、とうとう高校を卒業することになった学園生活部の面々。
次に目指す場所を、聖イシドロス大学かランダルコーポレーションかと目星をつけ、進学……大学を目指すこととなりました。
できる限りの準備を整え、めぐ姉の車に乗り込み、卒業の旅に出るのです!!


地図で見れば近く見えた大学ですが、いざ行くとなるとなかなかどうして時間がかかります。
なにせ「工事」で道はそこかしこでふさがっていますから……
出発して数日、いろいろなことがありましたが、一同はみな無事に旅を続けることはできていました。
ですが、体は無事と言ってもやはりゆっくり寝ることもできない車の旅。
体は疲れてきていますし……なによりも、女子として体や身につけているもののよごれが気になっちゃいます。
着替えも心もとなくなってきましたし、通りがかりにあった川で水浴びと洗濯をすることにしたのです。
が、まだ夏というわけではないわけで……川の水は冷たく、勇んで水に飛び込んだゆきはガタガタと震える結果に……
一緒に水にはいったくるみは鍛え方が違うとのことで、平気そうなのですが。

川辺で選択をしているみーくんとくるみ。
みーくんは、最近ゆきが頼れるようになったと言います。
それはくるみも感じていたようなのですが、「頼れるゆき」というのもそれはそれで物足りなく感じたりもして……
大学もいいが、もう少しこのままでもいいかな、とも思うと漏らすみーくん。
くるみはやはり同意するのですが……そうもいかないだろう、ともいうのです。
こっちがこのままでいたいと思っても、あっちから来たりするだろ?
じゃあ、準備しとかないとな。
そう言ってほほ笑むくるみ……
みーくんはそのくるみの笑顔と言葉に、言いようのない不安を感じてしまうのでした。

夜になりました。
川辺に車を止め、眠っていた一同ですが、みーくんがふと目を覚ますと……くるみが一人で外に出ていることに気が付きます。
くるみはそのまま街の中へ。
当然街の中には、「他の人」がいるわけですが……彼らはくるみを……まるで相手にせず、すぐ横を通り過ぎていくではありませんか!
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思わず、おい待てよ!と大声を上げてしまうくるみ。
人々はその声を聞いて振り返るのですが……振り返ったまま何かをするわけでもなく、立ち止まっていて……
くそ、と毒づくくるみですが、その直後、突然人々が飛び掛かってきたではありませんか!
驚きスコップを構えるくるみですが……くるみの背後から、みーくんが先輩と声をかけながら駆け寄ってくるではありませんか!
何やってんだ、とみーくんの行動を叱責し、スコップを振るうくるみですが……

二人は再び汚れてしまった服を選択します。
みーくんはくるみの顔に返り血が付いているのを見て、それを手で拭い取ります。
そのくるみの肌は、ひんやりと冷たく……
みーくんは、恐る恐る言うのです。
くすり、効いてなかったんですか、と。
くるみは、効いたからいるんじゃないか、と笑顔で返答するのですが……みーくんはくるみの手を握り、どこにもいかないでください、と今にも泣きそうな表情で訴えます。
くるみもその手を握り返し、わかったよ、可愛い後輩のためだもんな、と約束するのですが……
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翌日。
少し様子のおかしいみーくんを心配するリーさんですが……そんなりーさん自身の表情も優れません。
その表情は疲れ切り、漏れ出るため息を止められず……
気分転換に、停車した車から降りてみても、広がるのは荒廃した街。
そんな光景を見ても、心が休まるはずもないのです。
電信柱にもたれかかり、大きなため息をついて、顔を上げるりーさん。
すると、その目の前には以前の平和だった世界が広がっていて!?
呆然とするりーさんに、声をかけてくるものがいました。
「りーねー」。
そう声をかけてくるのは……
いや、「りーさん」と声をかけてきたのは、ゆきでした。
そして、世界もまた今までのような荒れ果てたそれに戻っています。
りーさんは、ゆきを一度「るーちゃん」と呼ぶのですが……

早く学校に戻りたい、と発言するなど、りーさんの様子は明らかに普通ではなくなっていました。
すぐ気を取り直していつも通りの状態であるように取り繕うのですが、ゆきにはそれが虚勢であることを見破られていたようで。
人目のないところでうずくまり、ぐったりとうなだれていたりーさんのもとに、水を持っていってあげるゆき。
りーさんは、そんなゆきの笑顔を見て……ポツリポツリと語り始めました。
私には、妹がいたんだ。
私、あの子のこと今までずっと忘れてた。
酷いよね、お姉ちゃんなのに、ずるいよね、自分だけ助かって。
ごめんね、るーちゃん。
あの子、ちっちゃいのに元気いっぱいですぐ迷子になって、真っ青になって探してた。
隣町に迎えにいたら、帽子が風で飛ばされたから走って追いかけていったんだ、と言っていた。
ゆきちゃんみたいだよね。
ずっと思ってた、ゆきちゃん妹みたいだなって。
本当の妹のことは忘れてたのに。
渡し、ずっとあなたをあの子の代わりにしてたのよ。
思い出したくなかったから、ゆきちゃんを身がわりにして、忘れて!
汚いよねこんなの!!
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水の入ったペットボトルを握りしめ、涙を流しながら自分を責めるりーさん……
そんなりーさんをみたゆきは……!!


というわけで、卒業旅行編となる今巻。
大学に入学するまでのつなぎとなるシリーズではありますが、このシリーズでも見逃すことはできない様々な要素が詰め込まれています!
紹介した部分の中だけでも、くるみの身に起こりつつある異変、そしてりーさんの精神的ダメージなど、不安要素が満載……
くるみはやはり徐々に変わっていってしまうのでしょうか?
それとも何かの打開策は見つかるのでしょうか……
そしてりーさんの状態もかなり心配です。
学園生活部のまとめ役だった彼女ですが、やはりこの極限状態でみんなをまとめるというのは多大なストレスだったのでしょう。
その重圧にとうとう耐えきれず、彼女の心はほころびはじめてしまったようです。
この彼女の心のほころびが、致命的なミスにつながらなければいいのですが……

そんな不安要素意外にも、今巻は盛りだくさん。
外に出て旅をするということは、数々の問題や、お楽しみもあるわけで。
人々の溢れる外の世界で、水や食べ物が確保できるのか?
どこから人が出てくるかわからない状態で、安全な旅ができるのか?
そして、外の世界でまだ元気に暮らしている人はまだいて、それに会うことができるのか、というところです!
この度で手に入るのは、希望も絶望も両方でしょう。
ですが、そのどちらのほうが多いのかが今後を左右することにつながりかねません。
物資的な意味でも、精神的な意味でも……!
なによりもこの旅の後、一同は無事に大学にたどり着けるのでしょうか。
たくさんの不安と仄かな希望、そして徐々に変わりつつあるゆき……
それらがこの後の物語がどうなるのか!?
ますますこれからが気になりますね!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!