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今回紹介いたしますのはこちら。

「ちおちゃんの通学路」第3巻 川崎直孝先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスより刊行です。

さて、洋ゲー大好き女子高生、ちおちゃんとその親友、真奈菜の身に巻き起こるしょーもない出来事を描いていく本作。
今巻で彼女の道に立ちふさがる、どうでもいい、でも本人にはそれどころではないトラブルとは!?


3年間またされたゲームがようやく発売され、当然のごとくプレイしたちおちゃん。
待たされた甲斐はあるデキだったようでして、ちおちゃんはご満悦、すっかりご機嫌で学校に向かっていました。
そのゲームは、ちおちゃんの大好きな洋ゲーに多いタイプのスパイアクション的なやつでして。
敵国に潜入してテロ組織を壊滅させ、祖国を救う……と言うステレオタイプなあれです。
ちおちゃんも、洋ゲーって自国を救わせるの好きよな、と言いながらもすっかり脳内はそのゲームでいっぱいになっております!
気分はすっかりアメリカンスパイ。
通り慣れた通学路ですらも、いつもとは違う場所が気になってくるのです。
それは……角。
特に丁字路なんてもう大変です。
仮に両側に敵がいたりすれば挟み撃ちになって大ピンチ……
ちおちゃんは、すぐ後ろに親子連れが歩いていることにも気づかず、じりじりと丁字路に近づいていき……ささっと上体を動かして角の先をのぞき込む、リーンと呼ばれるテクニックを披露!!
右側の道に敵がいないことを確認すると、鞄を銃に見立てて構えながら素早く振り向いて、逆の道にも敵がいないことを視認してから……オールクリア、とどや顔をしながら登校を続けるのでした。
……後ろですべてを見ていた親子。
お母さんは、息子さんにあのお姉さんみたいにちゃんと安全確認するのよ、というのが精いっぱいなのでした……

やがて、ちおちゃんは自分の行く先に歩いている真奈菜を発見します。
早速声をかけようとするのですが、そこでまたろくでもないことを考えついてしまいました。
真奈菜が今歩いているのは、浅いながらそこそこの幅がある川にかかっている橋の上。
まるでこれは、潜入ゲーム鉄板の、一本道!!
真奈菜は前を見ていて自分に気づいていない……!!

真奈菜は、自分を呼ぶ声に気が付いて後ろを振り返ります。
それはちおちゃんの声のようでしたが……そこには誰もいないではありませんか。
実はちおちゃん……
橋の縁につかまり、ぶら下がっていたのです!!
このままじわじわと縁を伝っていって真奈菜の背後を取り、ゲームで気づかれないまま殺すように現れてびっくりさせてやろう!と考えていました!
……が。
いざ縁にぶら下がってみますと、これがまた……しんどい!
ゲームのようにすいすい進むのはおろか、もう腕の力も限界に近づいているのです!!
……川は大体おなかくらいまでの深さ。
橋のか会っている高さもそれほどじゃありませんし、怪我とかは大丈夫でしょうが……全身ずぶ濡れ、鞄も持っているため教科書もゴワッゴワになってしまうでしょう!!
もうこうなったら進むのはあきらめて登ってしまおう。
そう思ったものの、橋の縁に建てられている柵、縦の格子しかないタイプで、上りづらいことにここで気が付いたのです!
もはや独力での解決は不可能……
ちおちゃんは真奈菜に助けを求めることにしたのでした!

地獄から響いてくるような助けを求める声に、最初は生霊かと怯えた真奈菜ですが、そういうのいいからと言うちおちゃんの声に導かれて状況を理解しました。
追い詰められたちおちゃんの状況をまじまじと見つめ……真奈菜は言いました。
落ちてもいいんじゃない?ケガはしなそうだし。
あまりにも冷たい言葉ですが……真奈菜はちおちゃんがなぜこうなったのかの理由もなんとなくわかったようで。
どうせいたずらしようとしたんだろう、そんな無茶してたらいずれ大怪我するから、ここでちょっと痛い目を見てもいいかもね。
確かにそう言う教訓は必要かもしれません。
ですが、真奈菜ですから当然善意からそう言う言葉を言ってるわけじゃないんです!
勘違いしないで、心配していってるの、親友として。
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そう言いながら、にっこり笑って……カメラを取り出す真奈菜!!
真奈菜さん、写真どころか動画を取ろうとしてやがります!!
助け出してもらい、友情を確認し合う……そんな漫画のワンシーンのような情景を思い描いていたちおちゃんですが……面白全部でちおちゃんに視線を送る真奈菜を見て……覚悟を決めました。
最後の力を振り絞り、思いっきり体をスイング!!
体が傾いた瞬間に、負担の軽くなった左手を縁から離し……掴み取ったのです!!
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真奈菜の右足首を!!
その瞬間、二人の表情は対照的に変わります。
はじけるような笑顔のちおちゃん、血の気が引き、総毛立つ真奈菜……!!
直後、真奈菜の体は下へと引き下ろされます!!
そのまま真奈菜はずり下がり、柵の格子にまたが引っかかった形になってしまいました!!
そしてちおちゃんは瞬く間にその下半身を両手足で抱き込んだのでした!!!
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今までの絶対的優位な立場から、なんだかよく分からないピンチな状況に追い込まれた真奈菜。
いまもその股に格子が食い込み、ものすごい痛みが走ります!
その痛みの中で、そんな動ける体力がどこにあったんだ、とわめいてしまう真奈菜ですが、ちおちゃんもその力の出どころはよく分からないようです。
真奈菜に一泡吹かせられると思ったら……体が勝手に動いた!
……コイツ、生霊よりたちが悪い!!
そもそもちおちゃんがゲームの影響か何かで勝手にやったことなんだから、自分を巻きこむな、いい加減にしてと罵る真奈菜。
確かに彼女の言うことはもっともで……体力も精神力も限界のちおちゃんにできるのは

泣くことだけだったり……
登校時に巻き起こったしまった謎の絶体絶命のピンチ!
果たしてこの状況を打破することはできるのでしょうか!?
……ちおちゃんが素直に落下する以外の方法で!!!


というわけで、今巻もただでは登校できないちおちゃん。
ちおちゃんのあれっぷりがすべてを招いた事件ですが……良くも悪くもちおちゃんと真奈菜の関係性が浮き彫りにされるお話となっています!!
なかなかクズなちおちゃんですが、真奈菜も負けておらず。
類は友を呼ぶ、という言葉が本当であることをみせつけてくれますよ!!

この他にもちおちゃんの奮闘がしっかりと収録されています 。
オンラインゲームに熱中して夜更かしし、なんだか中途半端な早朝に起きてしまってこれからどうするか悩むお話。
ちおちゃんたちを超えるアレな人物、久志取先輩が激しく暴走するお話。
ちおちゃんが未知の領域に足を踏み入れるお話。
風紀委員の桃ちゃんが新登場お話……
さらに、その桃ちゃんを掘り下げた、本作の売りともいえるアレ要素皆無の特別編を収録!!
ひたすらくだらないアレな人たちのくちゃくちゃなアレコレから、ホッコリできるお話まで取り揃えた本作、もはや死角なしです!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!