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今回紹介いたしますのはこちら。

「団地ともお」第26巻 小田扉先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。

さて、03年より連載が始まった本作も今年で足掛け13年。
今巻収録分で、450回を超えることとなりました!
昔から変わらぬクオリティを保ちながらも走り続ける本作、今巻も盛りだくさん。
今回はそんな作品の中から、あのキャラが変貌を遂げるエピソード、「ワルになってやるんだともお」を紹介いしたいと思います!


学級会では、遠足の行き先を投票で決める、という非常に重要な議論を交わしておりました。
1位は水族館で13票、2位はハイキングで6票、3位は動物園で4票。
この上位3案の中から行先を決めようということになったのですが、そこで突然吉本が声を上げて異論を唱えたのです。
その3位の動物園、4票なら僕が投票したゲームセンターも3位のはずです。
ともお、よしのぶ、野口、ぼくの4人が投票しました。
でも3位になっていないということは、委員長が票を操作した疑いがあります!
クラスメイト全員の前で、思わぬ反撃を受けてしまった委員長。
大体遠足でゲームセンターなんて非常識です、と至極当然の反論をするのですが、それは語るに落ちたというヤツ。
票を操作したということを認めたということですね、とさらに追い込まれ……さらにともおがいつもの調子で口走った、「委員長は委員長の資格がない」という言葉が決定打となってしまったのです。
学級会が終わった後、委員長は先生のもとへ向かいました。
一身上の都合で、委員長を辞めさせていただきます。
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そういいながら、辞職願を提出したのでした!!


放課後。
吉本とともおは、たにしマートで恒例の立ち読み中。
雑誌を読みながら、明日の学級会に関しての会話をしていました。
何とかゲーセンの望みは繋いだ、明日の学級会でみんなを説得すれば……
などと話していますと、こちらを物凄い見てくる女子がいることに気が付きました。
これだけ見てくるわけですから、何か用事でもあるのでしょうか?
ともおは、誰でしたっけ?と尋ねるのですが……彼女は、あたいよあたい、と知り合いであることをアピールします。
よくよく見てみると……
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委員長じゃありませんか!
きっちりと揃えられていた前髪は無造作になり、丁寧に結ばれていた三つ編みも、後ろで無造作にまとめられているだけの簡素なものに。
しかもその目つきは先ほどまでの知性の輝き(?)は感じさせない、やさぐれたものになっていたのです!!
おまけに服装は、今まで見たことのないジャージにズボンというラフなもの。
何よりも、真面目な彼女がこうして放課後に立ち読みをして、あまつさえ店先で炭酸のジュースをぐいぐいやっている何て……
あまりの変貌に唖然とするともおと吉本。
そんな二人にかまわず、委員長はどっか遊びに行こうじゃん、と誘ってくるのです!

変貌したとはいえ、友達の遊びの誘いをむげにする二人ではありません。
三人で、植え込みの花の蜜を吸うというアレな遊びを楽しむのです!
未体験の行動を楽しんでいる様子の委員長ですが、そこに委員長と並ぶ女子真面目に大巨頭の一角、より子が姿を現しました。
遠足の行き先だけど、動物園に投票したのあたしたちと福岡君と菊川君だけだったから、明日動物園の良さをアピールするための作戦を……
と、そこまで言いかけた時に委員長の様子がおかしいことに気づいたより子。
なんか雰囲気違うね、と戸惑い始めると、委員長はつぶやくのです。
あたいもゲーセンにしとけばよかったなあ、と!
より子を置いて、歩きだした三人。
すっかり変わり果てた委員長を見たともおと吉本は、委員長と呼び続けるのも変だな、と言い出し……
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新委員長に、「暗黒委員長」と名付けるのでした!!

突然委員長の職を持すと言われても、すぐに変わりが出てくるはずもありません。
そこで次の委員長が決まるまで委員長を続けることになった暗黒委員長、学級会も適当に進行します。
漢字一つかかず、どうぶつえん、ハイキング、どうぶつえん、ゲーセンと汚く書きなぐる状態で。
汚くて読めないという女子の声も、舌打ちとともにうざいと吐き捨てる暗黒委員長……
元々真面目な委員長、ぐれ方も真面目に徹底しているということなのでしょうか。
暗黒委員長の矢探れぶりは気になる所なのですが、それより何より小学生たちは遠足の行き先のほうが気になったり。
ここで動きだすのは、動物園組……!!
果たして遠足は、暗黒委員長という強い味方を得たともおたちのゲーセンになるのか?
それとも多数派の水族館となるのか!?
みつおやより子といった高スペックなメンツのそろう動物園の逆転はなるのか!?
あと、悪堕ちした委員長は闇の誘惑から脱出することができるのでしょうか!?


というわけで、暗黒委員長が活躍するエピソードを収録した本作。
あの委員長の意外な姿が見られるこのお話の他にも、やっぱり見どころ満天です!
ともおのお父さんが転職に向けて動き出すお話、青戸さんと坂上さんが喧嘩しちゃうお話、なんだかいつもは空回りしている感の強い校長先生が、今回も空回りしながらも実は……というところを見せるお話などなど、バラエティに富んだ物語ぞろえとなっております!!
中でも、あのともおが何だか流れの中で塾に行くことになってしまう一連のシリーズは必見!!
全4話で塾がらみのお話を繰り広げていくことになるのですが、その「ともおが塾に行く」という、アンリ二もありえなすぎる出来事が引き金となり、とんでもない事態が引き起こされちゃったりも……!!
ある意味本作史上最大の大ピンチとなるこのシリーズも必見ですよ!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!