今回紹介いたしますのはこちら。
「アフターアワーズ」第1巻 西尾雄太先生
小学館サンノビッグコミックススペシャルヒバナより刊行です。
西尾先生は14年にデビューした新人の漫画家さんです。
ですがそれ以前からSTAG名義でイラストレーターとして活躍されておりまして、CDのジャケットなどを手掛けられております。
本作はそんな西尾先生初となる単行本。
その内容は……
エミはクラブにやってきていました。
友人のマユミに誘われて、何度目かのクラブ訪問をしては見たものの……エミはあまり乗り気ではないのです。
ごった返す人、耳をつんざくような大音響、場内にあふれる熱気……
別々にやってきていたマユミには、適当に合流しようと電話で言われるのですが、エミは無理かも、と苦笑いするしかないのでした。
やはりマユミは見つかりません。
疲れ果て、壁際に座り込んでしまうエミ……
すると、隣に見知らぬ男が腰掛けてきました。
ねー君さ、どっかであったことない?
気安くそう話しかけてくる男。
ナンパ常套ともいえるそんなセリフをグイッと近寄ってはいてくる彼に、体をずらして距離をとりながら、ないと思いますけど、と答えるのですが……男は引きません。
エミの手首をつかみ、けっこう記憶力いいほうよ俺、とニヤついてくるのです!!
あまり気の強いほうではないエミ、この押しの強さに困り果てながらも声すら出せず、だれか!と心の中で助けを求めることしかできません。
が、その時のことです。
二人の間に、足が割り込んできたのは!!
その足の主は、男の知り合いのようです。
おいキノコ、あんた今日仕事で来てんじゃなかったっけ、呼ばれてたわよ、シャンとしなさいよ。
男はその言葉を聞くと、舌打ちしながら去っていったのです。
大丈夫だった?アイツ酒癖悪くてさ。
足を割り込ませて助けてくれたのは、なんだかかっこいい感じの女性でした。
気を付けてと立ち去ろうとする彼女ですが、なんだかこの場所になれていそうな彼女にエミは助けを求めることにします。
マユミの写真を見せながら、彼女と合流したいが連絡が付かなくて、と打ち明けますと、さっそく場内に視線を走らせる彼女。
すると、すぐにマユミを発見してくれました!
ですが、マユミはなんだか男と楽しそうにイチャイチャしております。
あんな様子を見せられては、もう合流する気なんておきやしないというもの。
立ち上がりかけた腰を再び椅子におろし、深くため息をつくのでした。
帰ろっかな、と漏らすエミ。
それを聞いた女性は、遊んでいったら?といきなり帰ろうとするエミに不思議そうに尋ねてきました。
エミは正直に胸のうちを明かします。
こういうとこってどう楽しんでいいかわからなくて、と言い、なんだか大盛り上がりしている若者のグループを指し、あんなふうには盛り上がれない気がすると続けました。
しかし女性は、そればっかりが倶楽部の楽しみじゃないから、いいんじゃないかとほほ笑むのです。
出会いを求める人。
ただただ音楽に夢中な人。
何かを忘れたくてくる人。
酒を飲みにくる人……
様々な楽しみ方を上げた彼女は、席を立って踊り始めました。
私は、全部かな!
そう言って。
彼女は、エミに興味を持ったようです。
良ければ外で飲み直さないか、と肩を寄せてくる彼女に、なんとなく押し切られてしまう形で肯くエミ。
彼女は早速立ち上がり、クラブの知り合いに帰るから皆によろしくと言い残すと、手を差し伸べてきました。
私はケイ、よろしくね。
連れてこられたのは、意外にもケイの部屋でした。
彼女のイメージにはちょっとそぐわないような、ピッタリなような、ちょっと古いアパートの一室。
中は乱雑……とはちょっと違うものの、物であふれかえっています。
その中でも特に目を引くのが、壁一面のラックに詰め込まれた大量のレコードです。
彼女はDJをしているようで、その仕事と趣味、両方を満たすコレクションをしているようです。
そっちの棚は使わないやつだから、興味があったら持っていっていいよというケイ。
ターンテーブルだってここにあるごっついのじゃない、安いのを買えばいい、と簡単に言ってきます。
……一本一本の溝に音が刻み込まれているレコード。
なんだか面白いと思ったエミは、お言葉に甘えてレコードをもらうことにしたのですが……正直言って何が何のレコードか、どう選んでいいのかもわかりません。
素直にどう選べばいいのか尋ねますと、敬は笑顔で答えるのです。
勘よ、フィーリング。
失敗しておぼえるんだから、こーいうのは。
お酒を飲みながら、クラブの楽しみ方を教わったり、心地いい会話を楽しんだりしているうちに、二人はすっかり打ち解けます。
そのままの流れ出、いきなりエミはお泊りすることになってしまいました。
おかげですっごく楽しかった、このまま朝が来なければ、そしたらずっと……
お酒の力か、上がったテンションのせいなのか、自分でもわかる恥ずかしいセリフを言ってしまうエミ。
ほっぺたが熱い、と照れ隠しをすると、ケイはいきなりエミの顔に顔をくっつけてほんとだ、と言ってきました。
笑いながら、もう止めてよと顔を隠すエミですが……ケイは頬を主に染めながら、もう少しだけ、とつぶやき……
そして、エミもうんと肯いて……二人は口づけを交わしながら一つのベッドの中に入っていったのでした……
というわけで、エミとケイの出会いから始まる本作。
この後、エミはケイに導かれるようにして、クラブの世界へと入っていきます。
エミが選ぶクラブの楽しみ方は、「作る」側。
今まで楽しいと思えたことのなかったクラブが、ケイが背中を押したことによって一気に魅力的な世界へと変わっていくのです!!
本作の気もとなるのは、大きく分けて二つ。
エミがクラブにのめり込んでいく様や、その魅力を描くパートと、エミとケイの背景を描いていくパートです。
前者では、スポーツものなんかのような、それにはまるきっかけや楽しさ、仲間たちとの関係なんかを描いていくある種の正当派な成長劇的な物語が楽しめます。
そして後者は、エミとケイの楽しい日常とともに、彼女たちの過去や現在に影を落とす、難しい現実なんかも描かれていく、楽しさと不安さを内包したドラマになっているのです!
エミはこのままクラブの魅力に惹かれ、この道を進んでいくのか?
彼女の抱えている、ある大きな問題にどう蹴りをつけるのか?
謎の多き女性であるケイの胸のうちは……?
様々な気になる要素が満載の物語なのです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
「アフターアワーズ」第1巻 西尾雄太先生
小学館サンノビッグコミックススペシャルヒバナより刊行です。
西尾先生は14年にデビューした新人の漫画家さんです。
ですがそれ以前からSTAG名義でイラストレーターとして活躍されておりまして、CDのジャケットなどを手掛けられております。
本作はそんな西尾先生初となる単行本。
その内容は……
エミはクラブにやってきていました。
友人のマユミに誘われて、何度目かのクラブ訪問をしては見たものの……エミはあまり乗り気ではないのです。
ごった返す人、耳をつんざくような大音響、場内にあふれる熱気……
別々にやってきていたマユミには、適当に合流しようと電話で言われるのですが、エミは無理かも、と苦笑いするしかないのでした。
やはりマユミは見つかりません。
疲れ果て、壁際に座り込んでしまうエミ……
すると、隣に見知らぬ男が腰掛けてきました。
ねー君さ、どっかであったことない?
気安くそう話しかけてくる男。
ナンパ常套ともいえるそんなセリフをグイッと近寄ってはいてくる彼に、体をずらして距離をとりながら、ないと思いますけど、と答えるのですが……男は引きません。
エミの手首をつかみ、けっこう記憶力いいほうよ俺、とニヤついてくるのです!!
あまり気の強いほうではないエミ、この押しの強さに困り果てながらも声すら出せず、だれか!と心の中で助けを求めることしかできません。
が、その時のことです。
二人の間に、足が割り込んできたのは!!
その足の主は、男の知り合いのようです。
おいキノコ、あんた今日仕事で来てんじゃなかったっけ、呼ばれてたわよ、シャンとしなさいよ。
男はその言葉を聞くと、舌打ちしながら去っていったのです。
大丈夫だった?アイツ酒癖悪くてさ。
足を割り込ませて助けてくれたのは、なんだかかっこいい感じの女性でした。
気を付けてと立ち去ろうとする彼女ですが、なんだかこの場所になれていそうな彼女にエミは助けを求めることにします。
マユミの写真を見せながら、彼女と合流したいが連絡が付かなくて、と打ち明けますと、さっそく場内に視線を走らせる彼女。
すると、すぐにマユミを発見してくれました!
ですが、マユミはなんだか男と楽しそうにイチャイチャしております。
あんな様子を見せられては、もう合流する気なんておきやしないというもの。
立ち上がりかけた腰を再び椅子におろし、深くため息をつくのでした。
帰ろっかな、と漏らすエミ。
それを聞いた女性は、遊んでいったら?といきなり帰ろうとするエミに不思議そうに尋ねてきました。
エミは正直に胸のうちを明かします。
こういうとこってどう楽しんでいいかわからなくて、と言い、なんだか大盛り上がりしている若者のグループを指し、あんなふうには盛り上がれない気がすると続けました。
しかし女性は、そればっかりが倶楽部の楽しみじゃないから、いいんじゃないかとほほ笑むのです。
出会いを求める人。
ただただ音楽に夢中な人。
何かを忘れたくてくる人。
酒を飲みにくる人……
様々な楽しみ方を上げた彼女は、席を立って踊り始めました。
私は、全部かな!
そう言って。
彼女は、エミに興味を持ったようです。
良ければ外で飲み直さないか、と肩を寄せてくる彼女に、なんとなく押し切られてしまう形で肯くエミ。
彼女は早速立ち上がり、クラブの知り合いに帰るから皆によろしくと言い残すと、手を差し伸べてきました。
私はケイ、よろしくね。
連れてこられたのは、意外にもケイの部屋でした。
彼女のイメージにはちょっとそぐわないような、ピッタリなような、ちょっと古いアパートの一室。
中は乱雑……とはちょっと違うものの、物であふれかえっています。
その中でも特に目を引くのが、壁一面のラックに詰め込まれた大量のレコードです。
彼女はDJをしているようで、その仕事と趣味、両方を満たすコレクションをしているようです。
そっちの棚は使わないやつだから、興味があったら持っていっていいよというケイ。
ターンテーブルだってここにあるごっついのじゃない、安いのを買えばいい、と簡単に言ってきます。
……一本一本の溝に音が刻み込まれているレコード。
なんだか面白いと思ったエミは、お言葉に甘えてレコードをもらうことにしたのですが……正直言って何が何のレコードか、どう選んでいいのかもわかりません。
素直にどう選べばいいのか尋ねますと、敬は笑顔で答えるのです。
勘よ、フィーリング。
失敗しておぼえるんだから、こーいうのは。
お酒を飲みながら、クラブの楽しみ方を教わったり、心地いい会話を楽しんだりしているうちに、二人はすっかり打ち解けます。
そのままの流れ出、いきなりエミはお泊りすることになってしまいました。
おかげですっごく楽しかった、このまま朝が来なければ、そしたらずっと……
お酒の力か、上がったテンションのせいなのか、自分でもわかる恥ずかしいセリフを言ってしまうエミ。
ほっぺたが熱い、と照れ隠しをすると、ケイはいきなりエミの顔に顔をくっつけてほんとだ、と言ってきました。
笑いながら、もう止めてよと顔を隠すエミですが……ケイは頬を主に染めながら、もう少しだけ、とつぶやき……
そして、エミもうんと肯いて……二人は口づけを交わしながら一つのベッドの中に入っていったのでした……
というわけで、エミとケイの出会いから始まる本作。
この後、エミはケイに導かれるようにして、クラブの世界へと入っていきます。
エミが選ぶクラブの楽しみ方は、「作る」側。
今まで楽しいと思えたことのなかったクラブが、ケイが背中を押したことによって一気に魅力的な世界へと変わっていくのです!!
本作の気もとなるのは、大きく分けて二つ。
エミがクラブにのめり込んでいく様や、その魅力を描くパートと、エミとケイの背景を描いていくパートです。
前者では、スポーツものなんかのような、それにはまるきっかけや楽しさ、仲間たちとの関係なんかを描いていくある種の正当派な成長劇的な物語が楽しめます。
そして後者は、エミとケイの楽しい日常とともに、彼女たちの過去や現在に影を落とす、難しい現実なんかも描かれていく、楽しさと不安さを内包したドラマになっているのです!
エミはこのままクラブの魅力に惹かれ、この道を進んでいくのか?
彼女の抱えている、ある大きな問題にどう蹴りをつけるのか?
謎の多き女性であるケイの胸のうちは……?
様々な気になる要素が満載の物語なのです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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日常漫画とはちょっと違う感じがするのでとりあえずカテゴリなしになっています。