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今回紹介いたしますのはこちら。

「だがしかし」第3巻 コトヤマ先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。

さて、ほたると親父に駄菓子屋の跡を継ぐように迫られながらも、漫画家の夢を追いかけて日夜奮闘する(?)ココノツの日常を描く本作。
二人に振り回されながらも、なんだかんだと駄菓子の魅力を再確認する楽しい毎日を送ってはいるのですが!?


軽トラックで神社にやってきたココノツと親父。
神社の参道には、すでにいくつもの屋台が立ち並んでいます。
そう、明日からこの神社で、お祭りが始まるのです!!
で、彼らがなぜここにやってきたかと言いますと……その答えは、荷台に積まれた鉄板にあります。
実はココノツの家の駄菓子屋も、毎年このお祭りに出店していまして……
この鉄板で、もんじゃ焼きを売るのです!
もはや毎年恒例ではあるのですが、ここに来てココノツはふと疑問を感じてしまいました。
なんで、駄菓子屋がもんじゃなの?
その質問をぶつけられた親父……なんか変な顔をして答えてくれません。
その疑問に答えてくれたのは……天上から響く、聞きなれたあの声でした!
まだまだねココノツ君、駄菓子屋を語る際、もんじゃの話題は避けて通れない、まだまだお勉強が必要なようね。
そういってほたるが、木の枝の上に座って見下ろしながら登場したのです!!
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昭和初期から40年代あたり、下町の駄菓子屋では大抵もんじゃ焼きが食べられたと聞く、などといいながら、ズリズリと木から降りてくるほたる……
そのさまが気になって、情報も耳に入ってきやしません!
そうこうしていると、親父はさらりととんでもない情報を明かします。
頼まれれば一応うちの店でももんじゃ出せるんだぞ、と。
今までそんな光景を見たことのないココノツはびっくりし、何でそう言うのをもっと宣伝しないのかとツッコミのですが、親父はおとぼけフェイスで面倒なんだもん、またまたとんでもない言い逃れ。
ちゃんと仕事しろやとさらに語気を荒げてつっこむココノツ、そしてまだなんかもんじゃと駄菓子屋に関してのうんちくを語っているほたる。
そんなクッチャクチャになった場面に、また新たな怒れる人物がやってくるではありませんか!!
鬼の形相で近づいてくるその女性……お好み焼き屋さんを営んでいる玉井さんです。
ズイズイと近づいてきて何を言うのかとおもえば、どうやら親父がもんじゃを売るのに文句がある様です。
彼女のお好み焼き屋も出店するのですが、お好み焼きとともにもんじゃを出す予定らしく。
もんじゃは売るな、今回だけにしろといちゃもんをつけてくるのです。
ですが親父も黙って聞いているわけではありません。
だったらうちのベビースターはわけてやらないよ、と言いました。
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それを言われた玉井さん……それは卑怯ジャン!と崩れ落ち……
もんじゃのトッピングに、駄菓子、とくにベビースターはつきもの。
その供給を絶たれれば、もんじゃはもはや出せないも同然なのです!!
が、親父はすぐにオレが玉井ちゃんにそんなことするわけないだろと手を差し伸べました。
今年も正々堂々、もんじゃ焼き勝負しようぜ、と見事な飴と鞭を繰り出し……玉井さんもその手を取って、和解を果たすのでした!!
……ちなみにこのやりとり、毎年繰り広げられているそうです。

和解を果たした二人は、前夜祭の飲み会やってくるから設営よろしく!!と逃げ去っていってしまいました。
取り残されたココノツ、持ち前の根の真面目さからとんずらすることもできずに設営をせざるを得なくなってしまうのです。
ですがその時、隣にいたほたるの目が輝きます。
おまつり?
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そういって、ワクワクが押し寄せてきているかのような笑顔を見せる彼女……
ここで何をやるのかもわからず、ココノツにうんちくを語るためだけにここに来ていたのでしょうか。
とにかくお祭りだとわかったほたる、もう大はしゃぎ!!
こうしちゃいられない、私たちも「生いきビール」で前夜祭よ!と生いきをゲットするために駆けだしていってしまいました!!
生いきビールはやめといた方が、とココノツが止める間もなく、はるか遠くに消えて行ったほたる。
ココノツはそれを見送った後……空を見上げてつぶやくのです。
明日、一緒に歩けるかな、お祭り。


というわけで、お祭り編を収録した今巻。
このお祭り編、なんと本作初の4話構成なのです!!
この後本格的にお祭りが始まり、遠藤兄妹も登場。
豆はいつものあれな感じでギャグ要因なのですが、サヤとほたるはこのエピソードで、今までにない感じの存在感を発揮して!?
このエピソードがきっかけとなって本作の毛色ががらりと変わる……と言うことはないのでしょうが、ココノツの心境にちょっとした変化をもたらすことになりそうです!

そしてそんなちょっと重要かもしれない夏祭り以外にも、通常営業のお話もたっぷり収録されています。
メーカーの垣根を超越した確固たる地位を確立しているレジェンドおかし「ふがし」、ついに自作までしてしまう「にんじん」、みんな大好き一粒300メートル「グリコ」のキャラメル、最近のはやっている子供に作らせる系のお菓子「つくるガブリチュウ」、そして駄菓子ではないものの駄菓子屋につきものの「おはじき」……
今回もノスタルジーと愉快な日常、そして可愛らしいキャラクターがまじりあう、楽しい一冊となっていますよ!!

16年1月よりアニメ化も決まり、ますます盛り上がっていきそうな本作。
アニメも予想されていたようなショートアニメではないとのことで……そちらも楽しみにしたいところです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!