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今回紹介いたしますのはこちら。

「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿」第4巻 木々津克久先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、兄である圭一が幽霊となって帰ってきてから、様々な事件に巻き込まれる毎日を過ごしている蛍。
時には命の危険まで感じる事件もありましたが、そんな中で兄の死の真相に徐々に近づくことができ……?


圭一とともに学校に向かっていた蛍。
ですが、急に蛍を頭痛が襲います。
これは病気とかそう言ったものではなく……近くになにか強力な力を持つ者がいて、その影響を受けているのが原因のようです。
しかしこの気配は……今まで感じてきた様々なものとは何かが違っています。
気配を感じて立ち止まっていた蛍と圭一ですが、二人を負い越して前方に歩いていく女生徒がいました。
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一見すると普通の少女なのですが、その少女を見た瞬間、圭一がうめきます。
なんでも、目がくらんだようになったとのこと。
蛍が感じた気配も、圭一の感じた異様な圧力も、その通り過ぎていった少女が発したもののようです。
蛍には今一つピンと来ないのですが、圭一は相当彼女がすさまじいものに見えています。
何者だ?あれは、タダ者じゃないぞ?
そう言って彼女のことを見送るのでした。

あの謎の女性が気になって仕方がない蛍。
今までは、蛍が「背後のもの」にきがつくか、圭一が何かしらの前兆を感じてるというのが大抵のパターンでした。
が、彼女にはそう言うものはありません。
さらに、蛍は彼女になんとなくデジャビュのようなものを感じていて……?
そんなことを考えているうちに授業は進み、体育の時間になりました。
体操服に着替えていた蛍に、突然中等部のみしらぬ少女が話しかけてきました。
その少女、頬を染めながら色紙をさしだし、サインをしてくれと頼んでくるではありませんか!!
以前こっそりと解決した事件、名前を出していなかったもののそれがばれて、ファン的なものが付いたのか?
そう考え、蛍は彼女にサインをしてあげるのですが、その少女、サインをもらった後大はしゃぎで友達にそれを見せびらかしています。
その友達もなんだかうらやましそうにしていますし……なんだか不思議なものを感じますが、まあいいかと気を取り直して授業に向かうのです。

二人組を作れと言われた蛍、一緒にくもうとお誘いを受けたものの……楓が一人でぽつんとしているのを発見。
どうしてもそれを見て放っておけなくなり、一緒に組もうと彼女に声をかけるのです。
楓は、何で私がお前なんかと、と言いながらもうれしそう。
照れながら組になってくれた楓に、せっかくですしあのことを尋ねてみることにしました。
朝見かけた、これこれこういう特徴の子に心当たりはあるか?
楓は少し考えた後、その人物のことを教えてくれました。
桃園さんのことかな?
初等部からこの学校の生徒で、今は2年A組に在籍、風紀委員長を務めている。
なんでも元貴族のお嬢様だそうで、眉目秀麗学業優秀、その上お上品と、お嬢様のお手本のような存在……
とりあえず怪しいところもなさそうですし、実害がなければ放っておけばいいか、と蛍は思ったのです、が……

圭一はどうしても気になったようで、一人桃園のもとへ向かっていました。
少し張り付いて様子を見ようかと考えていたのですが、それまで授業に没頭していた桃園が顔を上げ、圭一のほうを見てきたではありませんか!!
こっちに気づいたのか!?
仰天する圭一。
その直後、
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圭一にすさまじい力が襲い掛かり……!!!

一向に帰ってこない圭一が心配になった蛍。
二年A組に向かってみようとしたのですが、教室の外には中等部の子がたくさん蛍を待っていたのです!
サインしてください先輩、握手してくださいお姉さま。
大勢の、蛍のファンだという少女たち。
尋ねてみれば、自分が解決した事件のことは全く知らないようで……何で自分のファンなのか全く理解ができないのです。
が、彼女たちは勝手に盛り上がっていき、ついには抱き付いてくる子まで出てきました!
次々に押し寄せる中等部の子たちをひらりとかわし、とりあえず逃げようとする蛍。
なんだか妙なものを感じる蛍ですが、なぜか学校のそこかしこで自分のことを見ているような感覚を覚えるのもまた妙で……
とりあえず圭一と合流しようとしたものの、2年A組の前に来て蛍はとんでもないものを発見してしまいます。
地面にあおむけに倒れ、頭蓋骨が首から外れてしまっている圭一の姿!!
生きて(死んでますけど)入る様ですが、満足に動くことはできないようで、圭一は絞り出すようにこういうのです。
蛍、気を付けろ、桃園はただの人間じゃない……
圭一の言うように、桃園が普通の人間ではないのは確かでしょう。
ですが今気を付けなければいけないのは桃園ではありませんでした。
いつの間にか、前方の廊下にも後方の廊下にも、目的地であった2年A組の中からも……蛍に異様な視線を向けながらにじり寄ってくる生徒たちがやってきていて!?
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まさかこれもあの桃園の仕業なのでしょうか!?
瀕死の圭一とともに、蛍はこの窮地を逃れることはできるのでしょうか!?


というわけで、今までとは毛色の違った事件が起きる今巻。
この後、まさかのキャラが再登場し、事件の全容が明かされていきます。
尋常ならざる力を持った桃園は何者なのか。
この事件の目的は何なのか。
とんでもないその真相と、驚く結末が待っているのです!!

この他にも前巻から続いている中編の結末や、兄の死にかかわるある組織が明かされるお話、蛍の妹・節の様子がなんだかおかしくなってしまうお話、そして楓と圭一が大ピンチに追い込まれてしまうお話などなど、様々な気になるお話を収録!!
圭一の死の真相と言う本作の軸のお話をゆっくりと進めながら、全く関係ないお話もクッションに挿入。
硬軟織り交ぜたストーリー運びが今回も楽しめますよ!!
さらにファンにはもはやおなじみの、有能なのに無能カワイイ楓のアレっぷりもばっちり収録!!
楓好きの同市諸君も必見ですよ!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!