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今回紹介いたしますのはこちら。

「ワンダーランド」第1巻 石川優吾先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。

石川先生は82年にデビューした大ベテランの漫画家さん。
小学館さんと集英社さんの青年誌を中心に活躍されていまして、「お礼は見てのお帰り」「よいこ」「格闘美神 武龍」「カッパの飼い方」と、映像化作品を次々と生み出されております。
近年は「スプライト」のようなホラー・サスペンス色の強い作品も描かれておりまして、本作はその流れをくむ作品となっているのです!


ある日の朝。
鳴り響く携帯のアラームを止めようと手を伸ばす女子高生、ゆっこ。
ですがなんだかすぐに違和感を感じました。
立ち上がって、周りを見回してみますと……
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まわりにあるものすべてが巨大化している……いや、自分が小さくなっている!?
ちょっと信じられないその光景を見て、ゆっこはもう一度ね直そうと横たわります。
が、そこに突然でっかい犬が顔を出すのです!!
ベッドの上に上ってきて、ゆっこの匂いを嗅ぐと、ぺろぺろと舐めてくる犬。
自分のしる姿よりもものすごく大きくはなっていますが、その犬は紛れもなくゆっこの愛犬であるポコ。
ぺろぺろ舐めの匂いや痛さに耐えきれなくなったゆっこはポコにハウスハウスと命令すると、ようやくポコはぺろぺろを辞め、ハウスではありませんが、ゆっこの勉強机の下でおとなしくするのでした。

変な夢だと思って改めて寝ようとするものの、今度は何やら窓の外がやかましいです。
ポコを呼んでその背中に乗り、窓際に近づかせて……すっとカーテンを開けてみますと……
そこには大勢のカラスがたかっていて、一斉に窓を嘴でつついているではありませんか!!

いよいよ夢とは思えなくなってきたゆっこ、ポコに命じて背中に乗ったまま1階のお母さんの部屋に向かいました。
そこには誰もいなかったのですが……点々と、血痕が残っていて……
そのままキッチンに行ってみるゆっこ。
ポコは真っ先に目についた自分用の水に食いついてしまいました。
そんなことしてる場合じゃないのに、とあせるゆっこでしたが、そこにお父さんの声が聞こえてきました。
ここだ、と言う声の方向を見ると、戸棚が少し開き、そこからやはり小さくなった両親が顔をのぞかせています。
二人ともけがをしているようで、全身血まみれ……
両親は、音を立てず部屋に戻ってドアを閉めろ、と言ってくるのですが、ゆっこは状況が呑み込めず、ポコの背から降りて二人のほうに向かおうとするのです。
それを見てお父さんは、ポカから降りちゃだめだ、こっちへ来るな!と叫びながら戸棚の中から出てくるのですが、その瞬間!
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飼い猫ミーくんが姿を現し、お父さんを弾き飛ばしたのです!!
壁にたたきつけられ、ぐったりと動かないお父さん。
ミーくんはさらにお父さんの体をもてあそび続け……もはやお父さんは無事とは思えません。
お父さんに興味を失ったミーくん、今度はゆっこのほう見つめてきて……
そこで今度は、お母さんが声を張り上げます!!
ミーくんこっちよ、遊びましょ!
ミーくんがその声に引きつけられると、お母さんはゆっこに今のうちに部屋に戻って!と叫びます。
湯っ子はその声に従うほかなく、ポコに乗ってハウスと指示を出すのです。
ゆっくり部屋に戻っていくポコ。
その時背後では、お母さんがミーくんに蹂躙されていたのです……

部屋に戻ったゆっこ。
何がどうなったのか、自分がおかしくなったのか?
机の下にポコと一緒になって隠れ、おびえて震えるゆっこ……
ですが残念ながら、ゆっこだけがおかしくなってしまったわけではありませんでした。
外には、阿鼻叫喚の地獄が広がっています。
小さくなってしまった人々が、様々な場所に隠れ……
それを、カラスたちがみつけ出し、次々とその毒牙にかけていく……
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そして、おびえて小さくなっているゆっこのもとにとうとうやってきてしまいます。
器用にドアノブをひねり、ドアを開けようとしているミーくんが。
おそらくミーくんの目的は、ゆっこを両親のように玩具にすることでしょう。
……やがてドアが音を立てて開き……ミーくんが顔を出すのです!!


というわけで、人間が小さくなってしまうという新たなパニックホラーとなっている本作。
こういったパニックホラーものは、大体が孤島なんかの閉鎖空間が舞台だったり、世界中が同じような被害にあっていたりしていて、絶望感をあおってくるのがセオリーです。
ですが本作はそのあたりが少し変わっていまして、この人間が小さくなるという現象が起きているのはそれほど広くない範囲のようなのです。
この小人化現象と同時に起きている、動物が小人に向かって襲い掛かってくるという現象。
この現象によって、非常に困難になってはいますが、ある程度進むことができれば助かるだろうという希望が最初から見えるという希望がある構成になっているのです。
が、そう簡単に物事が運ぶはずもなく。
ゆっこはこのあと、次々に残酷な現実に直面していくことになるのです!!

さらに、謎だらけすぎるある人物が登場。
その人物が物語のカギを握ることだけは確かなのでしょうが、とにかくその人物は謎が多すぎます。
襲い掛かってくる動物、謎だらけの人物、小人化現象……
なぜかポコだけ襲い掛かってこないと言うあたりも気になりますし、今後の展開に期待せざるを得ませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!