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今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女サイト」第4巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、さりなの襲撃を退けることができた彩たち。
ですがその代償は大きく、彩と露乃は重傷を負い、ステッキを失ってしまった挙句、敵に回すと厄介な能力を持つにじみんとの関係にも亀裂が入ってしまいました。
さらに魔法少女サイトの管理人・漆も不審な動きをはじめて……!?


二人が目を覚ましたのは、病院のベッドの上でした。
呼吸器までつけられるほどの重傷であったらしい二人、状況を確認しようとしたのですが……そんな間もなく二人に話しかけてくるものが現れます。
起きたか、その節はどーも。
そう言って二人を見下ろすのは……
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昏睡状態であったはずの梨ナではありませんか!!
体もボロボロだったはずなのに、その体はどう見ても健康体。
一体梨ナに何が起きたのでしょう。
梨ナは、こいつが治してくれた、と一人の少女を指しました。
その少女は、雨谷小雨と名乗りました。
左目に眼帯をした、なんだかテンションの低い彼女の能力によって、梨ナの体も、二人の体も直してくれたらしいのです!
そう言われて初めて、彩と露乃は自分たちの体に傷一つないことに気が付きます。
これは彼女の魔法のようですが……小雨は、彩たちと自分は違う、と言いながらノートパソコンを取り出し、ディスプレイに映っているものを見せてきました。
そこに映っていたのは……魔法少女サイトです。
が、そこにいたのはいつもの管理人の漆ではなく、おかめのような管理人でした。
これは、彩たちの導かれた魔法少女サイトとは、別の魔法少女サイト。
そして、小雨はこの魔法少女サイトの魔法少女だというのです!!

梨ナや彩たちを治した小雨の目的。
それは、「テンペストの真実」を知るためでした。
テンペストは、魔法少女サイトの隠しページに表示されていた、謎のカウントダウンが終わると訪れるとされているものです。
その正体はわかりませんが、とにかくカウントダウンが終わればとんでもない災厄が降りかかるのだろう、と考えた多くの魔法少女たち。
その一部が、身を守るためにステッキを収集しようと行動したりもしていたわけですが……
小雨の考えでは、それは正解の行動ではないというのです。
テンペストのカウントダウンページに表示されるテキストボックスにパスワードを打ち込むと表示される、「テンペストについて」という画面。
そこにはこんなことが書いてあります。
カウントダウンが終わると「先人類の王」なるものの封印が解かれ、人類の大半が滅亡する、防ぎようはないが、助かる法はある。
それは、ステッキを使うことによってたまる不のエネルギーを大量に献上すること。
最も多くの不のエネルギーを溜めたステッキを、テンペストの日に魔法少女サイトに献上した者のみが、テンペストの回避対象になる……
要するに、とにかくステッキをつかまくれということのようです。
しかも助かるのは一人という書き方からして、魔法少女同士の戦いをあおっているような……
ですがそもそもおかしいところがあるのがわかると思います。
ステッキは、使えば使うほど寿命が削られていく。
仮にどんどんとステッキを使い、テンペストを回避したところで……残った寿命が僅かならほとんど意味がないではありませんか。
そこで彩も気が付くのです。
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まさか、はじめから誰一人生かすつもりなんてないんじゃないか?
小雨はそれを肯定します。
野心のありそうな子にサイト管理人が自ら姿を現してあおれば、踊らされてステッキを使い続けるものもいる。
そうなれば用心深い人物でも、身を守るために否応なく捨てっ気を使わざるを得なくなり……

とにかく、魔法少女サイトはほぼ100%、悪意だけの存在であることはわかりました。
ですが、肝心のテンペストの真の意味は分からないまま。
それを知るために、小雨は三人を治療したのです。
……協力をしてもらうために。
小雨の目的は、とんでもないものでした。
それは……
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サイト管理人の捕獲!!
そんなとんでもない作戦に、どうやらほかにも複数名の協力者がいる様子。
サイト管理人対魔法少女チーム。
果たしてこの戦いはどのようなものになっていくのでしょうか……!?


というわけで、新展開を迎えることとなった本作。
今までは魔法少女同士の命の奪い合いがメインとなっていた本作ですが、ここに来て物語の本筋に入ってきた感じです。
戦わなければならないのは魔法少女相手ではなく、サイトの管理人と、その背後にいるもの。
その全体像はいまだ謎に包まれていますが、本作の本筋がこれで定まったといっても過言ではないでしょう。
ですがそもそも、管理人の渡してきたステッキが管理人に効果があるのでしょうか?
そして、管理人の戦闘能力も未知数です。
不安は多いものの、わずかながらでも助かる道につながる可能性のある管理人捕獲に挑まない手はありません。
この戦いの行方は、どうなるのでしょうか……!?

そして、つねに彩を苛んできた兄の行動にも注意を払う必要がありそうです。
魔法少女サイトの存在に気が付き、にじみんを(にじみんが勝手にですが)籠絡した彼、このまま何もしないわけがありません。
管理人相手の戦いという、今まで以上に危険な試みに挑まなければならない上、すぐ近くに潜んでいる強大すぎる悪意……
彩を取り巻く状況は、より絶望の色を濃くしていくのかもしれません……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!