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今回紹介いたしますのはこちら。

「ゴーストライター」第1巻 御影夏先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。

御影夏先生は本作で連載デビューされた新人漫画家さんです。
が、11年くらいから別名義で大人向けの漫画を描かれておりまして……そちらでの実績は充分、実力派の漫画家さんなのです!
そんな大つ……御影夏先生が描く本作は、ホラー風味の能力バトルものとなっています。
果たしてその内容は……?


よしのは、喫茶店で幼馴染の太一に相談をしていました。
手が勝手に、わーってなってグルグルって動くときがあって、なんでなんだろーって。
……彼女の言動が個性的なのはいつものことらしいのですが、今日の彼女の言動はいつにもましてわけがわかりません。
そんな益体もないやり取りを続けていますと……急によしのがペンを手に取り、「来たっ!」と叫びました!
すると、よしのは手にしていたメモ帳に猛烈な勢いで文章を書き始めたのです!
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その内容は、紙がない、助けを呼ぶにも電池がない、などと言うよく分からないもの。
……だったはずなのですが、この文章が何を意味しているのかすぐに分かることとなるのです。
ちょうどその時、お店にいたお客さんの一人が、トイレが開かないと店員さんに助けを求めていたところでした。
鍵がかかっちゃってるのかな、と店員さんの手で外から鍵を開け、お客さんが助かったと扉を開くと……
そこには、トイレを終えた後、紙がなくてどうにもできなくなっていた男性が座っていたのです。
まさにこれは、よしのがメモ帳に書いた文章と合致した状況。
これは、まさか……?

その出来事がきっかけになったかのように、太一たちの身に変化が起きはじめました。
なんといいますか……妙なもの、が見えるようになってしまったのです。
いうなれば、幽霊や、妖怪とでもいうべきものが!!
普通の人には見えていないそれ、世間様の目もありますし、太一は無視するのが一番だろうと考えています。
ですが天然なところのあるよしのは、それらにいちいちかまってあげちゃいまして……
太一は奇怪なものが見えるようになったことよりも、よしののフォローに腐心することとなるのです。

天真爛漫で、子供のように無邪気、そして人を疑うことを知らないよしの。
太一は、そんな彼女がいつか悪い奴に騙されたりするんじゃないか、と以前から心配はしていました。
その上、なんだか奇妙なモノがそこらじゅうをうろついているということを知ってしまったのですからますます不安が増してきます!
できるだけ目の届くところにいてあげたいとは思うのですが、ずっと付き添っているわけにはいかず……
別れるときには、人の目がある所であの能力は使うな、と言い含めることくらいしかできないのです。
よしのの能力は、おそらく他人の考えたことを書きとる、というものです。
あの時の事件(?)から、よしのは自分が察知していればあの人を助けられたのかもしれない、と思い悩んでいました。
彼女は昔からそんなところがありました。
たとえば子供のころあった、こんな出来事。
腹減ってるから金を貸してくれ、とカツアゲしている現場を見かけた二人、よしのはちょこちょことそのカツアゲをしている方の不良に近づいていき、これでおなかいっぱい食べれる?と全財産の130円を差し出したのです!!
幸いその不良さんはド外道ではなかったようで、やさしく大丈夫だからしまっとけと言って矛を収めてくれたのですが……
よしのはそう言う、困っている人を見たら放っては置けない性格の持ち主です。
が、太一は自分の周りさえ無事ならそれでよし!という人物でしたので……よしのが自ら進んで面倒に巻き込まれないように祈るのみなのです!

が、そんな面倒事は向こうからやってくることもあるのです。
太一の名前を呼び、いきなり声をかけてきた……紙袋をかぶった怪しげな男。
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久しい顔にようやく会えた、という彼……太一には見覚えがありません。
さらに、こんなあからさまに不審な人物がいるにもかかわらず、周囲の生徒が騒いでいないことから考えて……彼は例の人間じゃないモノ、であるようです。
戸惑う太一に、紙袋の男は言いました。
君たちのことはよく知ってる、君のことも、幼馴染のよしの君のことも。
彼女の能力、「ゴーストライター」のこともね。
そして男は、太一に忠告をしてきます。
「オヒトリサマ」という都市伝説がある。
一人きりで過ごす夜、符と自分は孤独だ、誰からも必要とされていない、という考えがよぎってしまった時。
そんなときオヒトリサマがやってくる……
ほら、急がないと幼馴染が危ない。
男はそう言って、幻のように姿を消してしまうのです。

その頃、よしのはゴーストライターの発動真っ只中でした。
街中で、様子のおかしい少女を見つけて心配して声をかけていたよしの。
彼女は何も言わず、うつろな表情のまま歩きだしたのですが、その瞬間に能力が発動したわけですが……
書きだされた文字は、こんなものだったのです!!
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死ななきゃ。
オヒトリサマの言う通り。


と言うわけで、よしのが突如能力に目覚めたことをきっかけに物語が始まる本作。
この後、太一は初めて明確な悪意を持つ人間でないモノ、通称「厄怪物」と出会うこととなります。
果たして太一は人間ならざる者の悪事を止めることができるのでしょうか?

そしてその後、物語はいよいよ本格始動!!
太一とよしのは、自分たち以外にも厄怪物が見える人々に会い、自分たちが何をするべきを決めることとなります。
まぁ、よしのがいる以上、厄怪物を放っておくという選択肢なんてないでしょうが……!
そして物語が本格的に厄怪物との戦いに移行していくその直後、物語のもう一つの軸になりそうな人物も登場。
どうも彼らは、太一たちと対立しそうな空気で……
これからどうなっていくのでしょうか!?

物語は実に正統派な能力バトルもの。
御影夏先生の経歴からすると、おパンティは死守するなどお色気要素が控えめではありますが、その画力はさすがの一言!
描きこまれた密度が濃いながら読みづらくない画面で、厄怪者は気味悪く、キャラクターは魅力的に描かれています!!
紙袋の男といった謎も気になる所ですが、まだ掘り下げられていない気になるキャラクターも大勢おりまして、そちら方面の興味もつきません!!
キャラ、ドラマともに今後の展開がより楽しみになってきますね!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!