hs0
今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第7巻 川田先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、いよいよ開幕したインターハイ県予選。
ダチ高は順当に勝ち進み、下馬評通り石高と決勝戦でぶつかりました。
今までの戦いをすべて真っ向勝負で挑み、玉砕していた三ツ橋は、ここに来て大きな変化をするという奇策に出たのですが……?


次鋒戦は、國崎VS荒木。
國崎はレスリング王者、そして荒木は柔道王者という異色の経歴を持った者同士の対決となりました。
軽い因縁がある二人、荒木はできることなら団体戦ではなく、個人戦で國崎と戦いたかったと言います。
団体戦は自分の勝敗がチームの勝敗にかかわってくるため、個人戦ならば縁のないプレッシャーがかかってきてしまいます。
そう言う不純物をすべて取っ払って、どっちが強いのか決めたかった。
荒木はそう言うのですが、國崎はそんな言葉を聞いて答えるのです。
なるほど、お前は削ぎ落して強くなるタイプか。
安心しろ、俺はいつだってベストコンディションだ。

國崎も荒木も、ここまで自分の経歴を活かした鋭い責めで白星の山を築いてきました。
そんな二人が、相撲で勝負するとなれば、どんな展開になるか予想が付きません。
勝敗を分けるのは、レスリングと柔道、どちらの競技が相撲において優位に働くか……なのでしょうか!?
戦いは始まりました。
ハッキヨイの掛け声とともに立ち上がる二人、ですが……
二人は一向に動きださないのです!!
相撲の勝負を分ける一番の要素と言っていい、「立ち合い」。
力士ならばその立ち合いにすべてをぶつけていくのでしょうが、二人はまだまだ力士としては未熟そのものです。
が、レスリングと柔道にかけては一流なのです。
そんな二人が直感的に一番危険だとわかっているのが……組み合う瞬間です。
じっくりとその隙を伺いながら……最初に動き出したのは、やはりタックルという「飛び道具」を持っている國崎でした!!
低い姿勢で突進するタックル、その姿勢から繰り出す技は柔道にもあります。
双手刈と呼ばれるその技は、しかしその有効性ゆえに乱発されてしまい、今では禁じ手となってしまっているのです。
そんないま現在、柔道家に対してはタックルが有効に作用する……!!
とでもおもったのか?
荒木はその國崎のタックルを冷静に確認していました。
自分が國崎に飼ったところで、柔道がレスリングより強いなんて言うつもりはない。
強い奴は何をしていても強いんだから。
だがそんなことも今はどうでもいい、雑念に過ぎない。
目の前の相手に勝利する、それ以外のすべてを削ぎ落す……!!
圧巻の集中力を発揮し、荒木は國崎の高速タックルに反応!
hs1
カウンターの内股で逆に國崎を投げて見せたのです!!!
荒木が欲しいのはただ一つ、誰も文句のつけない完全な勝利。
その勝利はもはや彼の手の内に握られた、香に思えたのですが……
國崎もここで終わりはしません。
ダチ高の仲間たちの必死な姿は、もう自分の中に焼き付いてしまってそぎ落とせない。
自分以外の奴の負けが、自分のことのように思えたのは始めただった。
まだこいつらは俺が勝ってやらないといけないのさ。
削ぎ落す強さを持つお前を否定はしない、でも世の中には削ぎ落さない強さもあるらしいぜ!!
hs2
國崎も負けじと内股に反応し、腰投げで反撃を試みたのです!!!

中堅戦は、五條VS金盛です。
五條も自分のバックボーンだった空手を学び直し、大きくパワーアップを遂げています。
……が、相手は石高の主将である金盛。
過去に完敗を喫した難敵でもあり、あの沙田との練習で更なる実力をつけていることは間違いないでしょう。
それでも、ここで負けを覚悟で挑むなんてことはできません。
ここで勝たなきゃ男じゃねぇ!
気迫をこめて立ち合い、諸手突きで相手を起こし、顎へ向けての平手での追い突き、突っ張りで相手を倒す、という作戦で突っ込む五條!
ですが最初にさく裂したのは、金盛の鋭い突っ張りだったのです!!
五條のお株を奪う鋭い突っ張り……!
気迫のこもった金盛の攻撃に手も足も出ないかと思われた五條ですが、そこで師匠の言葉を思い出すのです。
立ち合いでしくじってもうろたえるな、むしろそこからが真骨頂。
こんな言葉がある、「空手に先手なし」!
五條は必死に構え直し、気を吐きます!
hs3
今までしてきてしまった、小関への取り返しのつかない様々な悪行……そんな後悔の念を払拭するため……腹水を、凡に返すために!!

そして副将戦は、小関VS真田。
小関は2年生まで公式戦勝ち星なしの弱小選手、と多くの人物に見られていますが、実際は鍛え上げられた足腰が抜群に強い、掛け値なしの強者です。
潮の入部や、自身の公式戦の勝ち星を得た経験もあり、今の彼はもう追いついていなかった精神面も徐々に鍛えられ、今や誰だろうと油断できる相手ではなくなっています。
が、真田はそのことをよく知っていて、小関に対しての油断は一切なし!
舐めていてくれた方が小関によっては有利だったのでしょうが……
石高の副将を任せられている実力者の真田に対し、小関は太刀打ちできるのでしょうか!?
緊張の立ち合い、そこではやくも勝負は動くのでした!!!


というわけで、石高との団体戦が進んでいく今巻。
参拝してしまえばその時点ですべてが終わってしまうこの団体戦、特に三年である小関と五條にとっては絶対に負けられない戦いになってきます。
五條は、後悔をここで取り戻すことができるのでしょうか。
小関は今まで耐え抜いてきた三年間の苦労をここで実らせることができるのでしょうか!?
そして國崎は、そして三ツ橋は、何よりもほしい勝利をつかみ取ることができるのでしょうか!!
どの勝負も、それぞれの思いがこもった熱戦ばかり。
石高のメンバーも、ダチ高に負けず劣らず熱い思いをたぎらせていて……!!
激戦続きの団体戦、副将戦までが今巻で一気に決着となります!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!