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今回紹介いたしますのはこちら。

「ヤコとポコ」第2巻 水沢悦子先生 

秋田書店さんの少年チャンピオンコミックス・エクストラ もっと!より刊行です。

さて、「革命」後のちょっと不思議な世界で、漫画化をしているヤコと、そのアシスタントロボであるポコの日常をゆったり描いていく本作。
お仕事の傍ら、ポコは自分の思い出の色と一致すると幸せになれるという、昔はやった文具「ゆっこペン」を集めるという趣味(?)を楽しむのです。
今回は二人、どんな出来事に出会い、そしてどんな色のペンと遭遇するのでしょうか?


いつものように打ち合わせに向かう二人。
いつものように、ポコは道中のゲームセンターにおろしてもらい、打ち合わせが終わるまでここで遊んで待っています。
あんまり使いすぎちゃだめだよ、とポコに声をかけるヤコですが、ポコはもう入口に貼ってある新入荷のゲームの情報に首ったけ!
ふむふむとその情報を反芻し、いそいそと店内に入っていくのです。
ヤコはその嬉しさを抑えきれない後姿を見送った後、打ち合わせに向かうのでした。

新入かのゲームは、やはり大人気なようです。
子供たちやポコのようなロボットが大挙して押しかけていまして、大行列ができております。
その盛況ぶりを見てあっけにとられるポコ。
そんなポコに、すごくならんでるよねぇ、と見知らぬライオン型のロボットが声をかけてきました。
いつかみんな飽きてくるから、僕はその時でいいんだ、とのんびりした口調で話しかけてくるそのロボット。
見知らぬロボとは言うものの、全く見たこともない相手といわれればそういうわけでもありません。
お互いこのゲームセンターにちょくちょく来ていまして、何度かすれ違ったことはある顔見知りのような……そんな関係でした。
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ライオン型ロボは、山吹レオンと名乗りました。
彼は自分がダメモードだと紹介してきます。
この世界のロボットは、購入時に「かんぺき」「てきとう」「ダメ」のどれかから一つのモードを決めることになっています。
そのモードは文字通り、日常生活を「かんぺき」にこなすか、ほどほどに失敗もする「てきとう」か、生活の助けというよりはペット的な存在となる「ダメ」かを決めるもの。
一度決めると後で変えることはできませんので、慎重に選ぶ必要があるのですが……
ちなみにポコは「てきとう」です。
モードの違いはあれど、ゲーム好きの二人はすっかり意気投合。
最近は何のゲームで遊んでいるのか、と言う話題になってきまして、二人とも「宇宙大冒険ピンボール」にご執心だということがわかりました。
ステージ5をクリアすると景品がもらえるというこのゲームですが、ステージ2までしか行けません。
ですがレオンはステージ4まで行けるというではありませんか。
ダメモードでも、努力すればてきとうモードくらいの動きができるようになるってママが言っていた、ママはちゃんと考えて僕をダメモードにしたんだって、とレオンは嬉しそうに言ってきます。
そしてなんだか気になることも言い出しました。
ダメモードには、かんぺきモードにも備わってない秘密の能力があるんだよ、と!
秘密のモードが気になるポコですが、それが何なのかはレオンも、レオンのママも知らないそうです。
あくまで噂ではあるようなのですが、ロボットたちには説明書にも書いていない秘密の仕様がたくさんあるそうで……そんな噂もどことなく信憑性が感じられてしまうのです。
ゲーセンで頑張れるのうりょくだといいなぁ、などと言うレオンですが、そこでポコは閃きます。
二人で協力プレイをやらない?
ステージ5をクリアして景品がもらえるかもしれない!!
うん!やる!!と二つ返事で肯くレオン、さっそく二人は協力プレイを始めるのでした!!

そのころ、ヤコは打ち合わせのついでに編集さんに質問をしておりました。
ゲームってそんなに楽しいものなのか、と。
ポコのウキウキぶりを見て気になったのでしょうが、編集さんも最近はゲームは全然やっていないとのこと。
ですが、昔熱中したゲームは、努力しないとクリアできないように作ってあったし、満足感や達成感はすごくあった、と言います。
広い視野で見れば、ゲームもスポーツも同じかもしれない。
そう言う編集さんの言葉になんとなく同意した感じのヤコ、何かクリアしていたら褒めた上げたほうがいいよ、というアドバイスも一応は受け入れたのですが……

一方のポコ&レオンは、ステージ5も大詰めのところまでやってきていました!!
ボスに後一発ボールを当てればクリア、というところまで来ていまして、ギャラリーも集まってくる盛り上がりを見せています!!
そして返ってきたボールも絶好球!
レオンの操作するフリッパーのほうに球は転がってきて、最後の一発を放つ……!!
と思いきや、急にレオンは落ち着いた表情になってその球を打ち返さず、ゲームオーバーにしてしまったではありませんか!
どうしたのか、とポコが尋ねると、レオンは言います。
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ずっと一人プレイで頑張ってきたから、やっぱり自分の力でクリア目指したくなってきたから。
景品も二人分もらえたのにごめんね、と謝ってくるレオンに、ポコはいいよ、二人プレイだと少し楽だもんね、と答えた後、にっこり笑って言いました。
なんか、偉いね。

その後二人は、ベンチに座って休憩します。
今までどんな景品をもらったことがあるのか、という話題になりましたが、レオンと同じく自分も残念少子化もらったことがないのがちょっと恥ずかしかったポコ、お話をそらしてしまいました。
ゆっこペンってもらったことある?と。
残念賞の文具ならいっぱいあるけどそれがあるかは分からないというレオン、自分の家にあったら上げるよと約束してくれました。
ですが、二人ともこのゲームセンターに来るタイミングが不定期。
次会えるのはいつなんだろう、と話していますと、そこにレオンのママがやってきました。
レオンのママはなんだかほんわかした人で、てきとうモードの子も結構好きだけど、ぽこちゃんみたいにかわいいてきとうちゃん初めて!と、ポコをものすごくすりすりしてくるのです。
緊張やら恥ずかしさやら嬉しさやらで赤面し、硬直してなすがままになってしまうポコ。
ですがそこに、
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タイミング悪くヤコもやってきていて……
その様子がなんだか面白くなかったらしいヤコ、むすっとしたまま何も言わず、ぷいっと顔を背けて歩き始めてしまいます。
ポコは慌ててそれを追いかけていきます。
じゃあね、ポコ君、ペン探しとくから、またいつかね!
そう声をかけてくれるレオンに、ポコもまたね!と元気よく返し、二人はわかれるのでした。

友達になった、ダメモードには秘密の能力がある、ゆっこペン持ってたらくれるって。
次々に話しかけても、ヤコは何も言わずに黙ったまま。
……だって急によしよしして来たから。
ポコはとりあえず、言い訳するしかないのでした。


というわけで、ポコにお友達ができた今巻。
ヤコとポコのやり取りがメインの本作、貴重なヤコの仕事つながり以外のキャラクターが登場しました!
のんびりしているけど努力家で真面目なレオンと出会い、ポコの心にも何か変化は起きるでしょうか……?
少なくとも、他人によしよしされている姿を見たヤコの心にはわかりやすい変化が現れましたが!!
そしてそのお友達からもゆっこペンがもらえることになりそうで。
探しものというのは、予想もしないところから出てきたりするもの。
この調子で、もっとどんどんペンが集まっていくといいですね!

この他にも、注目のエピソードがいっぱいです。
「革命」後の世界はいろいろと変わっていまして、我々のよく知るものとは大分違うこいのぼりが登場するエピソードなどにもそれがよく表れています。
ですが一方で変わらないものもやっぱりありまして……人気のない商品は製造が終了し、人気のない作品は連載が終了する……そんな商売の無情なんかも収録!
さらに気になるダメモードの隠された能力も明らかになったり!?
不思議な世界の新鮮なもの、変わらないもの、懐かしいもの……様々なものが、やさしくのんびりと、どこか抒情的に描かれているのです!!

そして、豊富なおまけにも注目したいところ!
各エピソードに因んだり因まなかったりするあれこれを、ポコの視点で描くおまけ漫画、「教えて。ポコ先生」を、2Pずつ8編も収録!!
ワンポイント的なイラストも多数描き下ろされていまして、ちょっと少なめなページ数以上の満足勘を得られること請け合いですよ!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!