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今回紹介いたしますのはこちら。

「サエイズム」第2巻 内水融先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。

さて、自分の気に行った少女を、自分の思い通りに染め上げることに快感を覚える少女・冴に目を付けられてしまった美沙緒。
彼女の異常性に恐怖する美沙緒ですが、過去に冴の毒牙にかかり命を落としてしまった少女の仇を打たんとする古海と出会います。
美沙緒は家族すらも滅茶苦茶にされかねない冴の魔手から逃れるため、古海は友人の仇を討つため、手を組むことになったのですが……?


美沙緒が裏で冴から逃れようとしていたことは、すべて知られてしまっていました。
古海によって消しかけられたチンピラも、冴とその部下であるらしい謎のきぐるみによって返り討ちどころか、顔面をたたきつぶされるという重傷を負わされてしまいます。
そんなとんでもないことをした直後、冴は美沙緒の家を訪問。
持ち前の美貌と外面の良さを発揮し、あっという間に両親に気にいられ、お泊りをすることになってしまいました。
自分の部屋で、冴と二人きり。
冴は、気にいった少女に関係を迫ってくることもあるのだとか……
もはや逃げ場はありません。
美沙緒は恐怖におびえながら、冴の様子をうかがうのですが……
何とさえ、もううつらうつらと船をこぎ始めているではありませんか。
私、12時を過ぎるともうだめなの、もう寝るね。
時計を見れば、深夜12時を回ったところ。
冴は倒れるように、布団にもぐりこんで眠ってしまうのでした。
当然、残された美沙緒はすぐに眠れるはずもありません。
自分の欲しいものはなんとしても手に入れ、自分の思う色に染めていく。
やがてターゲットとなった者は追い詰められ……自らその命を絶つ。
その事実を知った美沙緒は、もういてもたってもいられません。
ですが冴の時折見せる迫力はただ事ではなく、その近くに控えているきぐるみの部下のことも考えれば、表立ってたてつくことなどできはしません。
だからと言ってこのままでは、自分も同じ末路を歩むだけ……
美沙緒は勇気を振り絞り、行動します。
枕元に置いてあった冴の携帯電話を手に取り……さっと奪い取ったのです!!
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そして、冴が美沙緒に見せびらかした、自らが顔面をたたきつぶしたチンピラの画像を表示。
それを素早く自分のメールアドレスに送信し、そっと冴のもとに携帯電話を返したのでした。

翌日。
送信したメールは削除しましたし、冴は美沙緒の寝顔が見たかったのに残念だったといつもの調子ですし、メールしたことは気づかれていなさそうです。
ですが気になるのは、冴がチンピラに襲われ、それに美沙緒が噛んでいるだろうという件に全く冴が触れてこないということです。
ですが、冴は美沙緒との別れ際にこういってきたのです。
美沙緒が誰かに操られてたこと、私全然気にしてないから!
これからも私の知らないところでなら、どんな行動したっていいんだよ。
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私も、私の好きなようにやるだけだから。

その言葉の真意を測り切れないまま、冴を送った帰り道につく美沙緒。
その道中で、古海に出会います。
古海と人目につかないところで、対冴に関しての密談をすることになったのですが……
やはり、チンピラをものともしないきぐるみの部下の存在は予想外そのもの。
数々実行してきた作戦も頓挫してきて、打つ手はないかとも一時は思われました。
が、美沙緒は、古海にあの画像を送っていました。
その画像は古海が計画している次なる作戦の大きな一歩になるとのこと。
その作戦はじっくりと進めていく……はずだったのですが、冴が美沙緒を操っている存在に気が付いている、という情報を聞かされてはそうも言ってはいられません。
確かに冴ならば、その背後の人物にどんなことをしてくるか……
ですが、その裏の人物が古海である、と直結はしていないでしょう。
まだ時間はある、それならば作戦を辞める気はない、奴を倒すことが犠牲者の供養になる!
そう言って、古海は戦う意思を曲げないことを表明するのです。
古海の確固たる覚悟。
それを知った美沙緒は、絞り出すように言いました。
私から一つ、作戦の提案があります、と!!

その作戦は、確かに効果的だと思われるものでした。
ですが同時に、冴に美沙緒が敵意を持っているということを明らかにしてしまう、宣戦布告のようなものでもあるのです。
それでもいいのか、と確認してくる古海ですが、美沙緒も震えながら答えました。
これが私の、本当の気持ちだから。
美沙緒の覚悟を確認した古海は、その日のうちに作戦の準備を始めることにしました。
その作戦とは……!!

翌日、その日は全校朝礼のある日でした。
めんどくさいとぼやく冴、その様子はいつも通りのもの。
美沙緒もいつもと同じ様子を装い、学校に向かいました。
そしていつものように、全校朝礼が始まり……その時がやってきたのです。
古海がひそかにスイッチを押すと、隠していたラジコンカーが動き始めます。
そして、そのラジコンカーに結び付けられていたひもが引っ張られ、結び目がほどけていくと…天井付近にぶら下げられていた包みがほどけ、中に入っていたものが体育館中にばらまかれたのです!
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ばらまかれたもの……それは、叩きつぶされたチンピラの顔の画像と、冴がきぐるみとともにそのチンピラの顔面を潰しているその瞬間の画像を印刷したもの!!!!
学校中の全員に、冴の悪行の紛れなき証拠を知れわたらせる。
これ以上ない作戦が、見事に成功したのです!!!
……が……!


というわけで、とうとう冴に面と向かって戦いを挑んだ美沙緒。
冴は確かにこのチンピラをもあっさりと片付ける腕利きの部下を持っている上、こんな惨事を巻き起こしても警察沙汰にすらならない権力的な力も持っているようです。
ですがそんな冴といえど、これだけの悪行が表ざたになれば、ただでは済まないはず!
権力を持っていて警察につかまらないとしても、このまま学校生活を普通に続けることなどできはしないはず……!!
完全に成功したように見えるこの作戦ですが、だからと言って美沙緒は解放されるのでしょうか。
あの異常な冴のこと、仮に学校を追われたとしても美沙緒に対する執着心を捨てるとは思えないのですが……?

そしてこの作戦の後、物語は新展開へ!
新展開では、新たなキャラクターが登場し、物語を大きく動かしていくことに!!
美沙緒の運命はどのような方向へと進んでいくのでしょうか!?
前巻から続く異常としか言えない冴の恐怖、次々に襲い来る魔の手、降りかかる絶望は一段と加速!!
緊迫の展開は続くようです……!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!