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今回紹介いたしますのはこちら。

「うしおととら 完全版」第8巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックススペシャルより刊行です。

さて、過去にさかのぼり獣の槍の生まれた由来を知り、白面の者の恐ろしさを体感してきたうしお。
長かった旅も終わり、うしおの目的もとりあえずは果たされました。
うしおたちは再び日常に戻ろうとしたのですが……?


某空にいる妖怪のせいで、すっかりと飛行機が苦手になってしまったうしお。
そんなわけで、電車を使ったルートで家に帰ることとなりました。
来るときはとらと二人旅でしたが、今回はお見送りに同行しているイズナと、親父様である紫暮といっしょ。
飛行機ならすぐ終わる所を、時間のかかる長旅になる電車。
ですが、うしおも紫暮もなんだかんだ言って電車大好きなようで、駅弁を大量に買い込んだり、汽車の歌を一緒に唄ってみたりと、大はしゃぎするのでした。
ですが、うしおのそんないい気分をぶち壊しにする人物と出会ってしまうのです。
野村という、なんだかつまらなそうな顔をしている、暗い雰囲気の中学生に。
彼は夏休み中北海道の親戚の家に言ったものの、もう帰りたくないとごねてしまっていたのだそうで。
そこで、担任の丘だが迎えに来たのだそうです。
野村はうしおにぶつかってきても何も言わずむすっとしたまま立ち去るような、うしおとは対極にあるような人物。
岡田は一応彼を連れ戻すことができたものの、どう接していいかわからず困り果てていたのです。
ひょんなことから知り合ったうしおたちと野村達。
うしおはそんな野村を、珍しくああいうやつは苦手だ、と興味なさげに扱き下ろすのですが……

その頃、光覇明宗の札幌寺院では大変なことが起きていました。
宝物殿に祭られていた、強力な法具が、ある人物によって強奪されていたのです!
その法具は、穿心角。
すさまじい破壊力を持つものの、その力が強大すぎるあまり使用者の精神に異常をきたすとも言われる危険な武器。
そしてそれを強奪した人物は……光覇明宗の大僧正の兄でありながら、その狂暴性ゆえに破門となった法力外道……
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凶羅でした!!
凶羅はかつてうしおととらに単身挑み、一時は圧倒したものの結局敗れてしまった過去を持っています。
それ以来、二人を殺すのは俺だと恨みと憎しみを募らせていて……とうとうこの穿心角に目を付け、復讐を実行に移したのです!!
うしおととらが東京につく前に、いや、青函トンネルを抜ける前に破壊してやる!!
凶羅はその狂暴な殺意を隠しもせず、うしおととらのもとへと向かっていたのでした!!

怒りに燃える凶羅にはもう、戦いの場所や時などはどうでもいいのでしょう。
青函トンネルを通る真っ最中の電車の中で、うしおにあった瞬間穿心角を構えて襲い掛かります!!
その殺意はもはや狂気と言ってもいい域に達していて、電車内が狭くて戦いづらいと思えば、電車の天井をぶち抜いてその上に飛び上がって戦いを続けようとするのです!
逆に戦う理由などないうしおですが、たまたま近くにいた野村が人質に取られてしまい……もうこのまま見過ごすわけにもいかなくなってしまいました。
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ですが相手も人間であるという躊躇もあるのでしょうか……うしおは変身しないまま戦いを挑むことに。
幾多の戦いを経て生身のうしおの実力も上がっているとはいえ、さすがに法力僧の中でも指折りの実力者である凶羅に太刀打ちができるはずもありません。
次第に押され、ついには弾き飛ばされて電車の天井から落下してしまうのです!!
とっさに電車の側面に槍を突き刺して落下は免れましたが、もはや絶体絶命!
あとはとどめを待つばかりの状態になってしまいました。
凶羅はそこで、お前はもう用済みだと野村を投げ捨てます。
自分につかまれた時も、今の戦いを間近で見ていた時も、何一つ言えないままおびえるだけの野村。
凶羅はそんな野村に、お前のような目をして何もできず、何も主張しない臆病者は、昔から踏みつぶされてのたれ死んでいくんだ、と吐き捨てます。
そして、目の前でうしおが死にそうになっているときも、我が身可愛さで電車の中に逃げ込もうとする姿を見て大笑い。
良いぞ、それが人間だ!卑怯で、汚くて、俺は好きだぜ!!と!!
ひとしきり笑った後で、凶羅はうしおの方を向き直りました。
さあ、とどめだな、蒼月!!

一方、紫暮とイズナは突然化物の気配を感じ、そちらに向かっていました。
地中の決まったルートを数十年かけて航行し、目についたものなら何でも食らう。
たまに遭遇する人間の味が大のお気に入りで、発見すれば食らい尽くす。
その上、生まれてから一度も日の光を浴びたことのないそいつは、日光を浴びた瞬間に全身が爆発し、その強力な爆破力によってあたりに甚大な被害を及ぼす妖怪……
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山魚のもとへ!!
硬い体毛に覆われて獣の槍でさえも満足に通らず、雷や火も目だった効果を上げられない山魚に、最初に立ち向かうのはとらでした。
さすがのとらも、巨大で強固な体を持つ山魚に大苦戦は必至……!
だからと言って、じっくり戦うわけにもいきません!
青函トンネルを出れば、太陽光の降り注ぐ外。
そうなれば山魚は大爆発を起こし……うしおたちだけでなく、電車に乗っていた人々も犠牲になってしまうのですから……!!


というわけで、山魚と戦う「時限鉄道」を収録した今巻。
うしおは凶羅に襲われ、電車は山魚に襲われるというピンチに見舞われてしまいます。
逃げ出すことができない、高速でトンネルの中を走る電車で、トンネルを出る前の活着をしいられるというわかりやすいタイムリミットがあるだけでも大変だというのに、この山魚というやつが本当に強敵でもう大変なのです。
硬くて攻撃力も結構あるうえ、爆発までしてしまうという三段構え!!
挙句に凶羅まで喪が襲ってくるのですからもう散々!
そんな強敵との戦いに加え、野村と岡田のストーリーも展開。
まともに戦闘する紫暮も久しぶりに見られるなど、見どころ満天のシリーズとなっています!!

そしてさらに、札幌の地で雪女と戦うことになる「暁に雪消え果てず」も収録。
こちらは雪女との戦いよりも、むしろゲストキャラと雪女のドラマに主眼を置いたストーリー!
昔話の雪女と言えば、バッドエンドで終わるものですが……藤田先生はそんな題材をどう料理するのでしょうか!?
おとぎ話へのアンチテーゼ的な内容である「月光条例」にある意味つながっている気もするこのお話、こちらも見逃せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!