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今回紹介いたしますのはこちら。

「どんぶり委員長」第2巻 市川ヒロシ先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。

さて、すっかりどんぶり物の魅力にとらわれてしまった委員長と、その委員長のリクエストに応えてどんぶりを作り続けさせられる羽目になってしまった吉田の毎日を描く本作。
果たして今巻ではどんなどんぶりが登場するのでしょうか!?


八百屋さんの前を通りがかった委員長。
彼女の目についたのは、大ぶりでみずみずしい秋ナスでした。
昔から、秋ナスは嫁に食わすなという言葉があります。
美味しいからよそから来たに食い嫁にやるなんてもったいないという解釈と、水分が多く体が冷えるので食べすぎて体調を崩させないようにするためだ、という解釈があるその言葉……
どちらにせよ、秋ナスがおいしい、ということを現していることだけは間違いないわけです!
大きなナスを一つ手に取り、早速購入する委員長。
もちろん委員長の考えていることは決まっております。
このナスを使って、美味しいどんぶりを食べる!!
……吉田に作らせて!!

ナスを大事そうに抱え、ニコニコしながら吉田のもとへ向かう委員長。
やっぱりナスと言えば、味付けは定番の味噌味だろうか?それとも醤油?
そんなことを考えながら歩いていますと、いつも吉田にどんぶりを作らせている家庭科室から何やらにぎやかな声が聞こえてくるではありませんか。
恐る恐るその中を覗いてみますと……そこでは思いもよらない光景が繰り広げられていたのです!!
吉田が、女子三人に親子丼を振るまっている光景が!!
おまけに、吉田くんの作った親子丼おいしい、すごい、料理上手なんだね、と大絶賛されているではありませんか。
予想もしなかった場面に出くわし、思わずナスを落としてしまった委員長。
その物音で吉田が委員長に気づき、ちょうどよかった、親子丼くってくか?と尋ねたのですが……
委員長は、誰が下品などんぶりなんて!!と絶叫し、ナスもそのままに走り去っていってしまったのでした!!

屋上で一人黄昏る委員長。
何であたし逃げ出しちゃったんだろう、ナスでどんぶり作ってもらうはずだったのに……
自分がなぜ逃げ出したのか、自分の気持ちの整理が付かず、こうして風にあたっているようです。
そこに吉田がやってきました。
ほら、おとしたぜ……ナス。
そう言ってナスを差し出す吉田。
もうギャグにしか見えない光景ですが……今日の吉田は冴えております。
このナスでどんぶりを作ってほしかったんだろ?とズバリ確信をつくのですが、素直になれない委員長はあんたが暇してると思って勝ってきただけだとごまかすのです。
ですが暇しているはずの吉田は、女子たちにドンブリを作ってあげていたわけで……暇じゃなかったようです。
頼まれただけだという吉田ですが、じゃああたしが頼んだら作ってくれるってわけ!?と委員長は詰めよってきました!!
そりゃまあ、とうろたえる吉田に、委員長は最後のひと押し!
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ならアタシのために……いえ、アタシだけのためにナスでどんぶり作ってよ!!
……秋ナスはほかの女子に食わすな、ってか。
吉田は思わずそう呟くのでした。

で、早速調理です。
委員長がただ「大きいから」という理由で手に取ったナスは、米ナスという品種。
米ナスは大ぶりなだけでなく、丸ナスのように固く煮崩れしにくいという特徴を持っています。
つまり、どんぶりものに最適、というわけ!
吉田はまず、ナスを縦に切ってヘタを取り、水にさらしました。
そしてラップをかけて2分加熱し、クッキングペーパーで余分な水分を取り除きます。
これでした準備は完了。
フライパンで牛脂を熱し、そこへスライスしたニンニクを入れて香り付け。
そしてニンニクは焦げないように別の皿に移し、香りの付いた牛脂でナスを焼くのです!!
ナスには焼く前に格子状の切れ目を入れておき、味付けは味噌でも醤油でもなく……ウスターソース!!
程よく焼きあがったらソースを絡めたナスを炊き立てごはんの上に盛り付け、先ほどのニンニクとバター、パセリをトッピングして……完成です!!
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名付けて、「秋ナスはステーキにして委員長だけに食わせろ丼」!!長い!!!
箸で切れるほど柔らかくなったナスをごはんと一緒に口へ運ぶと……
その味はもう抜群でした!
牛脂のうまみをしっかり吸い込んだナスは、ソースの香ばしい風味が絡み合って何とも言えない味わいに!
それが解けたバターとガーリックの味がしみ込んだごはんと口の中でマッチして、えも言われぬテイストになっているのです!!
パンチの効いた味付けに、ふわふわとろとろのナスの食感。
委員長の箸は、モリモリ進んでしまうのです!!

すっかりご満悦の委員長、機嫌を直して吉田と一緒に御帰宅。
そんな様子を、実はずっと例の親子丼三人組女子が見ていたのです。
委員長ごめんね、なんかやきもち焼かせちゃったみたいで!
そう言って委員長をからかう三人組、委員長は顔を真っ赤にしてやきもちなんか焼いてない、と反論するのですが……
吉田はどや顔で言うのです。
委員長はやきもちなんか焼いてないよ。
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焼いたのは……俺の焼いたナスだけさ。
……おあとよろしいようで。


というわけで、第1巻から引き続き委員長とよしだのやり取り+創作どんぶりが繰り広げられる本作。
ですが今巻では委員長と吉田の関係に大きな変化が現れ始めます。
なんか……ラブコメし始めやがりました!!
どんぶりをもとんるものと求められるものの関係だったはずの二人ですが、委員長はこの紹介したエピソードでもなんとなくお判りになるように、明らかに吉田のことを意識し始めました。
そして吉田のほうはそんな気持ちに気づきもせず委員長にドンブリを与え続ける……と思いきや、この後のエピソードで意外と意識していることがわかるのです!!
このまま二人でラブコメを続けていくのか!?
とは言え、新たな登場人物なんかが出るわけでもありませんので……
二人の接近の邪魔をするどんぶりだけ!
どんぶりを取るのか、ラブコメ成分を取るのか、両方ゲットするのか?
なんにせよ読者を楽しませてくれそうです!!

ちなみにどんぶりのほうもきちんと作ってます!
この他にもひと工夫された角煮丼や、コンビニのお惣菜だけで作られたどんぶり、なんかカロリーとかすごそうなカレーパン丼、夏向けの冷製丼などなど盛りだくさん!!
料理漫画としての本分も忘れてはいませんのでご安心ください!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!