am0
今回紹介いたしますのはこちら。

「オールラウンダー廻」第18巻 遠藤浩輝先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。

さて、全日本選手権もいよいよ大詰め。
廻とマキは、ともに決勝まで駒を進める大健闘を見せています。
廻の相手は、運命のライバルともいえる喬です。
果たしてその戦いは、どんなものになるというのでしょうか!?


赤コーナーに立つ廻、青コーナーに立つ喬。
お互いの胸中に、幼いころの思い出、そして今こうして前に立った相手への思いが渦巻きます。
しばしにらみ合った後……ゴングはならされました!

先手を打ったのは喬。
放たれた左のハイキックを、
am1
廻はしっかりとガード。
ですが、ガードをした……攻撃を食ってしまった、というのはあまりいいことではありません。
決定打にこそならないものの、ガードの上からでもしびれるほどの衝撃……蓄積すればいずれ腕が利かなくなり、ガードがおろそかになってしまうでしょう。
さらに、相手にヒットしたことで喬はペースを作りやすくなってしまいます。
セコンド陣は焦り始めますが、実は廻はそれほど慌てていない様子。
過去のことを思い出し、それをなぞるように戦うのです。

喬はどんな相手にも、蹴りでプレッシャーをかける。
廻はジャブで牽制しながら、足を使って左に回る。
無理に中に入らず、気をうかがっていると、喬はスイッチ。
追い突きで前に出て、右の蹴りで動きを止めにかかる。
廻は喬が前に出るタイミングで、ボディストレート……と言うのはおそらく読まれていて、下手に行けば膝を合わせてくるかもしれない。
だからここで
am2
ボディと思わせてオーバーハンド!
廻の思い描く通りの展開となった攻防。
自分のセオリーをあえて外してきた攻撃に、喬は……それでも反応!
左腕でしっかり相手の腕がのびるきる前にパンチを止め、間合いをぐっと詰めてきます!
喬はそのまま左手を廻の頭にかけて引き寄せてきました。
首相撲です!
この体勢から喬がはなってくるのは……一撃でKOまであるアッパー!!
とっさに顔を上げてアッパーから逃れ、そのまま首相撲からも脱する廻ですが、その間合いが離れた瞬間も油断はできません。
その瞬間を狙い、またも喬の得意とする左の灰が飛んでくるからです!!
廻は何とかそれもガード。
そのまま数歩後退し、間合いをとることができました。
……一見すれば、かなりひやひやする競り合いだったように見えます。
確かにどれか一発でも直撃すれば、勝負の旗色はかなり変わっていたことでしょう。
しかし実際は、お互いここまでは「だいたいこう来るだろう」という、手の内がわかったうえでの攻防だったのです。
セコンド陣にはわかっていました。
本当の戦いはここからだ、ここから先はお互いがどんな引き出しを持っているか、だと。

つっかけたのは、廻でした。
逆ワンツーで口火を切って、ジャブで前に出ていく。
先手を打っていくのは有効なのでしょうが、問題はそれがあまり機能していないことなのです。
ジャブの隙に喬の放つ左ミドル。
その重い攻撃をガードすれば、それだけで跳ね返されてしまって……
ですがこの事態、実は想定済み。
廻は左ジャブで、喬は左ミドルでペースをつかもうとするだろう。
だが、喬のほうがフィジカルも圧力も上回っている……
足を使って何とかしようと思っても、廻はそもそもアウトボクシングが得意というわけではなく。
何れはコーナーかロープに追い詰められ、苦し紛れに大ぶりをすればカウンターを合わされてしまう……
……そして今まさにそう言う状況になってしまっています。
ロープを背負ってしまった廻。
ここで喬が狙うのはおそらく、彼が加賀谷を倒した時のパターン。
廻のオーバーハンドに直突きを合わせて勝負を決めるつもりなのでしょう。
ですが、セコンド陣はこの時のための作戦も打ち立てていました。
こちらも一撃必殺の威力を秘めているオーバーハンド。
それを、逆にフェイントに使えれば……
オーバーハンドと見せかけて、腕を下げ、アッパーにスイッチ!!
am3
見事にその作戦ははまり、見事にさく裂したのでした!!
思いがけないほどきれいに決まったアッパー。
喬はそのまましりもちをつくようにダウン……!!
決定的なダメージにはなっていないようで、すぐに立ち上がる喬。
ですが、開幕早々のダウンというのは精神的なダメージがないはずはありません!
一気に優勢に立ったと言えるだろう廻。
ここで一気に攻めたてて、番狂わせを演じたいところですが……!!
果たして廻はこのまま押し切れるでしょうか!?
それとも……


というわけで、運命の決戦が始まった今巻。
戦うべくして戦うこととなった二人の戦いは、幼馴染という背景もあり、手の内を知った者同士の小手調べという立ち上がりになりました。
ですが、ここから先は違います。
幼馴染だったあと、お互いが歩んできた道で学んできたものを見せつけ、より優れたものが勝つという戦いとなるのです!!
空手を磨き続けてきた喬。
空手をバックボーンとして、様々な人物と総合格闘技を学んできた廻。
人間関係も、技術も違う二人がぶつかり、最後に立っているものは……?
もしかしたら本作の最終決戦となるかもしれないこの戦い、一瞬たりとも油断できないバトルとなっていますよ!!

そしてこの他、マキの決勝戦も収録!!
最後の正念場となった場面から始まるこの決勝、マキは早くも「日本一」の座に上り詰めることができるのか!?
こちらも見逃せない内容となっています!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!