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今回紹介いたしますのはこちら。

「DRAW(ドロウ) 魔女の眠る海で」第3巻 原作・奥瀬サキ先生 作画・阿倍野ちゃこ先生 

秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行です。

さて、いよいよ戦うこととなったドロウと吉良女ことドロワ。
ドロウはドロワの待ち構える深夜の学校に向かいました。
海はすこし怪しげな刑事、郷野とともに風を使って様子をうかがうことにしたのですが……?


海たちが学校を探しても、ほとんど人気はありません。
それもそのはず、相手は体育館で、大勢の動く死体……泥人とともに待ち伏せをしているのですから。
風が体育館にたどり着き、その様子をうかがっていたのですが……その異様な表情に驚き、思わず声を上げてしまったのです!!
その声を聞いた瞬間、泥人たちは一斉にその視線を風に集中させました!!
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風の目を通してその光景を見た海は、驚愕します。
まるで生きている人の意思を感じない、人の形をしたそいつら。
アイツらは一体何なんだ!?
しかもその数は数名なんてものではなく、数十はいようという膨大なもの。
あんな相手と、ドロウはたった一人で闘おうというのか……?
そんな考えがよぎった瞬間、すでに海は駆けだしてしまっていました。
何の力も持たない自分が言ったところで、何の役にも立たない、とすら考えずに。

ドロウは、泥人に促されるまま体育館にやってきていました。
彼女が考えていたのは、少し前のことでした。
マトリ……我々が耳にするマトリとは違い、「魔法取締官」だという郷野。
その郷野は、ドロウが知らないことを多く知っているようで。
ドロウの保護者的な立場である賽温は、今長野県に向かっていると思われるということ。
そこは、おそらくドロウの出自にかかわる場所だということ。
そして、ドロウは「自分の形」を知り、ドロワの形をなぞることを辞めなければならないということ……
そんな郷野の目的は、ドロウにある依頼をすることでした。
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君に、吉良女舞を殺してもらいたい。
……決着をつけなくてはならない相手ではあります。
ですが、仮にも公僕に「殺してくれ」と依頼されたとなると……
否応なしに走る緊張……
体育館の扉は静かに開かれます。
ずらりと立ち並ぶ泥人たち。
そしてその泥人たちが並び立つ先の壇上に……ゴシックロリータに身を包んだ少女が、笑みを湛えながら待ち構えていたのです!!

その姿を見た瞬間、ドロウは駆けだしました。
予想をはるかに超えるほどの泥人がいたことに驚きは禁じえませんが、とにかく彼らを相手にしている暇などありません。
ドロウは眼鏡を投げ捨て、空高く飛び上がります。
魔力を両手に集中させ……虚空より氷の剣を作り出したのです!
その剣は、剣と呼ぶにはあまりにも巨大なものでした。
体育館の天井を突き破るほど巨大なそれは……ドロウが考え出した必勝の一手でした。
以前ドロワと戦った時、ドロワは「鋼の槍」と「時間停止」という二つの魔術を同時に使用していました。
だからこそ一つ一つに避ける魔力の量が少なくなっていたのか、互角に戦うことができたのです。
初めての戦いだったため、ドロウは間合いも何もわからずただ顕現させた槍を振り回しただけ。
にもかかわらず先手を取れていたのは、ドロウの使っていた氷の槍のほうが、ドロワの使っていた鋼の槍よりも圧倒的に軽かったためでしょう。
だったら……今度は、もっともっと大きくて、強い形に。
圧倒的な力、ただそれだけ……!!
その一撃は、破壊力とともにスピードも十分。
たとえドロワが今から防ごうとしても、そう簡単に避けられるものではありません!!
気合いとともにその剣を振り下ろし、相手を両断しようとしたその瞬間……!!
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ドロワ様、と彼女はつぶやいたのです!!
違う、ドロワではない!!
寸前で気が付いたドロウは、何とかその軌道を変えようとしたのですが……!?


というわけで、決戦のはずが意外な展開を迎えた今巻。
ドロワは替え玉を置いて、どこかへと向かったようです。
ドロウとの決戦は避けられないものですが、それを先延ばしにしてまで彼女はどこへ向かったのでしょうか……?
彼女のドロウ以外の目的と言えば、海か……あるいは、賽温しかありません!!
ドロワが向かっているのは、つまり……!!

すぐにでもドロワの行方を追いたいところですが。ドロウたちの周りには大勢の泥人たちが取り囲んでいるわけで。
ドロワへの絶対の忠誠が刻み込まれてはいるものの、彼らは普通の人間並みの知能を持っています。
そして同時に、普通の人間以上の欲望や卑劣さをも兼ね備えているのです。
おそらくすべての魔力を使ってしまったであろうドロウはこの場を逃れることはできるのでしょうか。

そして物語は新たな局面へ。
ドロウとドロワの宿命は、さらに決着への針を進めていきます。
そして……海は、その宿命の中に巻き込まれていって……!?
果たして本作、どのような展開を迎えていくのでしょうか!?
ますます目が離せない展開になるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!