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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕だけがいない街」第7巻 三部けい先生 

角川書店さんの角川コミックス・エースより刊行です。

さて、真犯人を知ることはできたものの、その真犯人の手で始末されかけてしまった悟。
運よく命だけは助かったものの、昏睡状態となって15年間も眠り続けることとなってしまいました。
そのせいか、悟の真犯人遭遇前後の記憶は失われてしまうのです。
その記憶を取り戻し、その先へ進む。
そのために悟はままならない体に鞭打ちながら先に進み始めたのですが……


今の、悟の周りの友人たちが誰も犠牲にならなかったという今。
それは、悟が度重なるリバイバルの末、自身の15年と引き換えに勝ち取ったものです。
が、記憶の混濁によって悟はそれすらもあいまいになってしまっています。
確かに事件に遭遇しなかった世界の記憶はある、が、それが本当に体験したものなのかと言われると……
ですがそんなモヤモヤを抱えたままリハビリに打ち込んでいるある日、そのおぼろげな記憶の世界で出会い、そして悟を奮い立たせてくれた少女……片桐愛梨に再会したのです!!
再会した愛梨は、その記憶の中と変わらない前向きな性格です。
15年の眠りから覚めたという奇跡によって、ある程度知名度ある存在になってしまった悟。
そんな彼を盗撮し、いわれない記事を面白おかしく書いて騒ぎ立てようとしたものが現れたのですが……
愛梨はその悪事を働こうとしたさまを発見し、撃退して見せたのです。
自分のみの危険も顧みずに、悟を助けた愛梨。
おぼろげながら愛梨のことを覚えていた悟は、何か記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない、と彼女にありがとう、大丈夫かと話しかけました。
愛梨は答えるのです。
目の前のことに、全力で踏み込むのがモットーなんで。
すごくいい言葉だ、と笑う悟に、そう言って呉れる人は珍しいと微笑み返す愛梨。
愛梨は、盗撮が許せない最大の理由は、自分に夢があるからだと言いました。
写真を撮りたいんだ、大好きな空の。
日本中、世界中、カメラを持って旅をしたい、そんな夢。
その言葉を聞いた瞬間……悟の脳裏に、無数の記憶が押し寄せました。
そしてその記憶の奔流に押し流されるように……
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悟は意識を失ったのです。

夢の中で、悟はやはり自分に「二通り」の人生を歩んだ記憶があることを確信しました。
加代たちを救った記憶、救えなかった記憶。
このバラバラの記憶を繋ぎたい、繋ぐための鍵はどこだ……?
記憶を手繰り続け、悟がたどり着いた記憶は……母親が、刺殺された時のあの忌まわしい記憶……!

その記憶にたどり着いた瞬間、悟は目を覚ましました。
最初に目に飛び込んできたのは、千羽鶴。
その千羽鶴に触れていると、隣に眠っていた母親が起き出し、それは久美ちゃんが追ってくれたんだ、おはよう悟、あんまり繰り返させんな、と話しかけてきました。
……そう言えば、鼻にはチューブがさしてありますし、体は動かしづらく、声も出づらいような……
母親が言うには、悟はなんと丸一年以上眠っていたというではありませんか!!

また一からリハビリに取り組むことになってしまった悟。
ですが今回は、確実につかめるものがありました。
自分には取り戻さなくてはならない記憶がある。
その始まりは、「未来」だ。
失敗した過去があって、、やり直して成功した現在がある。
この成功を完成させるために、始まりの記憶にたどり着くんだ。
僕が繰り返し生きた街、殺人事件が起こらなかった街。
そして、僕だけがいなくなった町。
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僕だけがいない街の始まりは、きっと愛梨がいた時間だ……!

そんな悟の本当の意味での「目覚め」を迎えた時、ある人物も目覚めていました。
……この街に来て何度目の夏を迎えただろう、病院、自宅、職場を何度行き来しただろう。
悟が眠ってしまったことで、一人ぼっちになったのだと実感する自分がいた。
数え切れないほどの一人ぼっちの時間を過ごした、悟を失ってから目に映る景色が色あせた。
それでも、悟の傍にいつづけた。
眠り続ける悟の姿を目に焼き付け、鼓動をそばに感じて、日々を過ごすか手にした。
目覚める可能性は低いと言われても、それでも必ず目を覚ますという希望が府の感情を上回った。
もう一度、自分と悟の「未来」を感じる瞬間が欲しい……
十数年たって、その日はやってきた。
悟が目覚めた!
もう一人ぼっちじゃない、うれしくて涙が止まらなかった。
初めて悟が病院の庭に出た時の姿は、力強く、神々しくこの目に映った……
……悟に対して、何よりも大きな思いを傾けていた、そいつ……
それは、真犯人その人でした!!
過去、唯一僕が殺すことのできなかった君だけが、自分に「歓喜」と「戦慄」を与えてくれた。
君が生きていることに感謝する、悟。
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君を「スパイス」と呼ぶよ。
……悟の目覚めによって、その狂気が目を覚ました真犯人。
時計は再び動き出します。
果たして、望むものを手にするのは悟なのでしょうか。
それとも……


というわけで、最終章に突入した本作。
悟がすべての記憶を取り戻し、真犯人を捕まえるか。
真犯人が再び悟をその手にかけ、狂気の犯罪を再び始めるのか……!
全ては二人にかかっているわけです!!
今巻は、最終章に向けての物語の整理がメインとなっています。
過去の記憶をすべてとは言わないまでも取り戻し、最後のピースを取り戻そうとする悟。
悟の帰還に奮い立ち、周到な準備を進め、再び楽しもうとする真犯人!!
全ての決着が付くのはもう間もなく。
今巻の最後で、大きな事件が動き始め……物語の性質上、これ以上長引くことは考えづらそう。
おそらく次巻で最終巻となるであろう、物語の決着が待たれます!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!