ss0
今回紹介いたしますのはこちら。

「左門くんはサモナー」第1巻 沼駿先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。

沼先生は14年にジャンプの増刊でデビューし建新人漫画家さん。
そのデビュー作と同名作品で週刊少年ジャンプに短期連載し、15年より本作の連載を開始、この度めでたく単行本刊行となりました。

さて、本作はその名の通り、サモナー、召喚師が主人公の作品です。
だからと言ってファンタジー漫画というわけでもバトル漫画というわけでもなく、現代日本が舞台のギャグ漫画となっているのです!!


そのクラスには、完全に浮いてしまって孤立した生徒が一人おりました。
左門召介。
彼は転校してきたばかりなのですが……早くも孤立してしまっているそのわけは、転校初日に彼の披露した自己紹介にありました。
はじめまして!左門召介です!
召喚術士やってます!
趣味は悪魔の召喚です!!
……小学生か、中学生だったら、ひょっとしてひょっとしたら受け入れてもらえたかもしれません。
ですが残念ながら彼らは高校二年生。
受験もそう遠いお話ではないこの時期に、めんどくさい中二とかかわりたくない。
クラスの皆がそう考えたとしても、誰が責められようというのでしょうか……
……しかし、そんな孤立した彼に率先して話しかける生徒が一人だけいたのです。
学級委員長、天使ヶ原桜(てしがわらさくら)、通称てっしー。
自分で同好会を作っちゃうのもアリだよ、などと話しかけてみる彼女ですが、左門は「悪魔の誘惑に屈する欲深い人間」が好きだという同好の士を集めて同好会が作れるかな……などと暗い表情でつぶやくばかりで……
ですが彼女、それだけでめげるような人間ではないのです。
何せ彼女、クラスメイトに天使だの聖人だの菩薩だのと囁かれるほどのよいこなのですから!!

彼女が天使のてっしーとまで呼ばれるようになったのは、高校一年生の時のある事件にさかのぼります。
社会科見学にバスで向かっていたところ、てっしーの隣に座っていた乗り物が大の苦手だという下呂くんが限界を迎えてしまったのです。
もはやそれを押しとどめるすべはなく、エチケット袋を準備する暇もなし。
無慈悲に噴射される彼の迸りを、てっしーは……
ss1
素手で受け止めたのです!!
彼女が天使たるゆえんは、迷わず手で受け止めただけ、ではありません。
パニックになる車内で、てっしーは両手に迸りを湛えたままこう言ったのでした。
下呂くん、大丈夫?
ある意味、自分の状況のほうが大丈夫とは遠い位置にあるというのに……!!

そんな、どこに出しても恥ずかしくない「良い人」であるてっしー。
孤立していた左門は、彼女がそんなふうに囁かれていることすらしならかったのでしょう。
ある日、てっしーが「良い人」だということを知った左門くんは、彼女を放課後、屋上に呼び出しました。
放課後、屋上、そして男女二人きり。
これってひょっとして、うわさに聞くあれなのか!?となんだかすごく身構えてその場に向かいます。
てっしーを待ち構えていた左門、彼なりの思いをこめた言葉を紡ぎ始めました。
天使ヶ原さんについてほかから聞いてみたけど、交友関係は先輩後輩男女問わず広く良好、文科系体育会系、不良・優等生と持わけ隔てなく接し、無私無欲の人畜無害、誰が読んだか「2-Bの天使」。
校内には隠れファンも多いらしい、冗談じゃなく天使みたいな人だよ。
僕はそんな天使ヶ原さんのことが……
ss2
大っ嫌いでさ!

てっしーの焼いていた世話がうざくてうざくて仕方なかったと明かす左門。
どう考えても歪みまくっている彼ですが、てっしーは嫌がっていたのに気付かなくてごめん、とうなだれてしまいます。
告白とかなのかと構えていたてっしーには予想外の大嫌い宣言。
ですがこの後左門がしたことは、さらに予想外でした!!
いつも世の中のために動いている嘘くさい人間の天使ヶ原さんに、自分のよくに素直になれる悪魔をプレゼントだ。
左門はあらかじめ描かれた魔法陣から……
ss3
本当に悪魔を召喚し、てっしーに取り憑かせたのです!!!

左門がてっしーに取りつかせた悪魔は二体。
朝の起きなければならない時間に、布団をさっと直してくれるような、眠気を増進させて人を怠けものにする能力を持つブーシュヤンスタ。
そして、食欲を増進させる悪魔、ベヒモス!
彼らに悩まされるてっしーの姿を見て、左門は大喜び!!
余計なことをして余計な人物に関わってしまい、余計な枷をはめられてしまったてっしー……
ものすごく大変になってしまった彼女の高校生活ですが、それでも彼女は笑うのです。
こうなってからの左門は、教室で一人でいるときよりも楽しそう。
そこは少し、良かったと思う……と!
どこまでも天使なてっしーですが、そんな反応を見て左門はどう思うのでしょうか!?
「良い人」だねぇ、とつぶやいていますと、てっしーの前に再び新たな悪魔が現れたのです!
今度は何の悪魔なんだ、とまどうてっしーですが、左門はそこでとんでもない発言をしやがりました。
そいつは僕が召喚した悪魔じゃない。
僕は偉いあくまでもバンバン召喚するから一部の悪魔にすごく嫌われてて、そんな悪魔が殺しに来ることがよくあるんだ。
僕たちが仲間だとか不愉快な勘違いされたのかな?
……つまりこの悪魔は……左門を、そして一緒にいた仲間を殺そうとしているということ!?
左門は、こいつは使いっぱしりの悪魔っぽいから倒すのも簡単だというのですが……
でも僕ちょっと寄りたいとこあるから、とてっしーを残して去っていってしまいました!!
よく考えたら、助けてくれるわけがなかった。
涙目になるてっしーに、その狂暴な爪をむき出しにして迫る使いっぱしり悪魔……
あっ、私これ死んだな。
否応もなく死を覚悟させられたてっしー。
まさか、第一話でヒロインがお亡くなりになってしまうのでしょうか!?
リアル天使化待ったなし、果たしててっしーを待つ運命とは!?


というわけで、左門とてっしーの毎日を描いていく本作。
本作のメインは言うまでもなく、左門と愉快な仲魔たちによって、てっしーに引き起こされてしまう様々なトラブルです。
この後も個性的なキャラクターが続々登場し、左門の傍若無人ぶりやてっしーの天使ぶりと相まって、ドだばた檄を巻き起こしていくのです!!
そんなギャグもたいへんよろしいのですが、本作の見逃せない要素として、今までも何度か書いてきましたてっしーの天使ぶりがあると思います!
左門に様々なツッコミを繰り出しては行きますが、その心根は一切腐らず!!
どれだけひどい目にあってもめげず、そして誰も憎まない彼女の天使ぶりをたっぷり堪能してください!!

そして今巻には、沼先生のデビュー作である「モロモノの事情」読み切り版も収録!
本作と似た雰囲気もあるこちらの作品も見逃せませんよ!!
さらに描き下ろしのおまけ漫画も4P収録!!
登場やらのプロフィールなんかもあって、おなかいっぱい楽しめますよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!