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今回紹介いたしますのはこちら。

「フードファイタータベル」第1巻 うすた京介先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。

さて、丸5年ぶりに刊行となったうすた先生の最新作。
本作はそのタイトル通り、フードファイトを中心にしたギャグ漫画。
うすた先生の作品の食事と言えば、なんかすごい食べ方をしていたり、食い散らかしたりというギャグの小道具だったという印象でした。
では本作の食事はどんなものなのでしょうか!?


校舎裏の人気のない場所で、弁当を開けている少年がいました。
彼の名は腹田美味満(はらだうまみち)。
とにかくおいしいものが大好きだという、高校二年生にしてグルメおたくに成長した彼、その開いた弁当もただ事じゃございません。
なんと2500円もする、有名店のサーロインステーキ弁当!!
いつもは売り切れで食べられないこの弁当を運よく入手できたウマミチ、弁当を語るうえで避けて通れないこの逸品を楽しもうとするのですが、そこに何やら不穏な影が。
ハイそこまで、美味そうなもん食ってんじゃんウマミチ!
と言いながら現れたのは、いつもウマミチが良い弁当を持っている時に限ってやってくる三人組、通称弁当強奪三人衆!
友達でもないくせに弁当をせびる彼らに、今回も嗅ぎつけられてしまったのです!
ウマミチは、ずっと楽しみにしてたんだからこれだけはだめだ!と必死に弁当を守り抜こうとするのですが……
そんな時、その場に乱入するものが現れます。
そこまでだ悪党ども、その人の弁当に指一本触れることは許さん!
そう言って現れたのは
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なんかげっそりとやせ細った、奇抜な衣装に身を包んだ男でした。
しかもあらわれた場所は、いまもみ合っていた4人の……股の下……
お腹をすかせた獰猛なファイターさ、と元気な状態だったら勇ましそうなセリフを言う男、ウマミチをMrステーキと呼び、ここは自分に任せて下がっていろと言い出しました。
そして男は大演説を始めます。
よってたかってみスターの弁当を狙うとはクズどもめ、お前らは一人じゃ何もできない臆病者だ、この弁当を食う資格はない!
確かにこれだけおいしい弁当だ、より多くの人に味わってもらいたい気持ちはわかる。
うまい、弁当を食うのは一人で充分……!
その演説をしながら、モリモリ弁当を食っていくその男!!
気が付いたときには、もう弁当は半分がなくなろうとしておりました。
4人に総出で突っ込まれた男ですが、落ち着き払ってこの状況を打破するのに必要な分の体力を回復するためだけ食べさせてもらった、といい顔で言いやがります。
半分も減ってしまった弁当ですが、男はこの借りはきっちりと返すと宣言。
どう返してくれるんだ、全員分弁当を用意するのか!?
三人衆が血相を変えてそう迫りますと、男は……こうするのさ、とウマミチのもっていた弁当をしたから思いっきりアッパーで吹っ飛ばしたのです!!
当然弁当は宙に舞い……
男もジャンプし、空中でその弁当をすべて平らげてしまったではありませんか!!
地面に降り立ったその男……ゆっくりと立ち上がったかと思うと、ステキな顔で、やっぱうめぇなこの弁当、と感想を述べたのでした!!
唖然としながらそのさまを見送るしかない一同……
もう先ほどのセリフだけカッコイイ登場とか、借りは返すだのとかは彼の脳裏にかけらも残っていないようです。
ひたすらうまかった、スゲェうまかったぜ、と弁当の感想を繰り返すだけ……
楽しみにしていたウマミチは真っ白になってしまいますが、三人衆は弁当のないウマミチに用はないと言い残して立ち去っていってしまいましたので……三人衆を追い払う、という一転に関してはこなしてくれたわけですが!

男は、涎を垂らしながら悪びれもせず、ああするしかなかったんだと言って……なんか吐き出しました。
その吐き出した丸いものを広げると、そこには彼の名前が書いてあって
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……名刺です。
この人、名刺を体内にしまってるんです!
明らかに異様な彼……その名は、フードファイター・神無たべる!!
フードファイトでお困りの時は呼んでくれ、今日のお詫びに一度だけうけたまわる、かもしれないし、たまわらないかもしれないし……
そう言い残して、彼は去っていくのでした。

結局お昼を食べそびれたウマミチ、やむなく自宅でやっている定食屋でおなかを満たすことにします。
グルメなウマミチからすると、マズイ飯だというのですが、入ってみると……やっぱりお客さんなんていません。
店主のお父さんが、お客さんかと思ってびっくりしたじゃないか!なんて言い出す始末。
なんでもいいからご飯作っておいて、と言いながらとりあえず用を足すウマミチ。
うちの飯が上手かったらよそでおいしいもの食べ歩いたりしないよ、とぼやきながら仕事を終え、お店のほうに戻ります。
すると、お父さんが何やらノリノリで料理を作っているではありませんか。
やっと出てきたか、友達がおまちかねだぞ!とにこやかに語りかけてくるお父さん。
そのお友達とやらのほうに視線を映しますと、座っていたのは先ほどの、たべるでした!!
なんかものすごい勢いで食べている彼、すっかりお父さんと仲良しに。
そんなふたりにウマミチが置いてきぼりにされておりますと……またなんかお店にやってきました。
フードファイター兄妹、舘ヒトシ&ヒロミ!!
彼らはこの店にある大食いチャレンジメニューを、一度クリアしたらもう挑戦権はないというにもかかわらずしょっちゅうやってきては食い散らかし、ただ飯を食って帰っていく悪漢ども。
そんな彼らの横暴ぶりを見て、さすがのたべるも黙っていられず、「フードル」を挑みました!!
フードルとは要するに大食い対決。
これに食べるが勝てば、舘兄弟は出入り禁止だ!
ということになったのは、まあいいんですが、なんかそのあと、勝った方はこの店のごはん永久無料をつけるということになってきて……なんかこの店としては何も得しない方向に進んでいきます。
お父さんはすっかりたべるを信頼しちゃってますし、ウマミチのいうことなんて聞く奴はこの場におりません。
あっという間に始まってしまったフードルですが……
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この店に来て散々食べた後であるたべるのお腹……どう見てもいっぱいです!!
ですがたべるは、俺の戦い、よく見とけよ!とメッセージ性のある戦いをにおわすばかりで……
果たしてこの戦い、どうなっちゃうのでしょうか!?
正直、どっちが勝っても困るのは変わらないような気もしますが……!!


というわけで、フードファイトを題材にした本作。
今回もうすた先生の作品の基本形である、ものすごく常識から外れた価値観や身体能力を持つボケ主人公に、巻きこまれ方の普通人であるツッコミ主人公、という形は健在です!
ですが今回が今までの作品と大きく違っているのは、フードファイトという一本の柱が据えられていること。
「ジャガー」などでも、笛という柱的なものはないではありませんでしたが、今回はこのフードファイトが完全に話の軸になっているのです!

本作は「マサルさん」や「ジャガー」のような一話完結型の作品ではなく、「武士沢」のような長編ストーリー型で進行。
たべるがフードファイトで成り上がろうという、うすた先生作品としては割とまっとうな目的があります。
ですがそこはうすた先生作品、だからと言ってまっとうなストーリー展開になるわけがないのです!!
今回のお話も、先生らしいシュールさや奇抜さ、きったなさが満載!!
ストーリー仕立てでも変わらぬ味わいを楽しめるのです!!
アクの強いキャラクターも続々登場していきますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!