さて、ガンマンVSバッファローマンが劇的な決着を迎えた前巻。
そんな激闘とともに、ネメシスの過去も明かされはじめ……


ネメシスの衝撃の過去。
それは彼の非業の運命を明らかにしただけでなく、宇宙にその名をとどろかせるキン肉王家の闇を詳らかにするものでした。
その事実を聞いた、ネメシスの対戦し手であるラーメンマンは言います。
確かにネメシスは、キン肉族に正義の魂を殺され、完璧への転生を余儀なくされたかわいそうな超人だ。
しかし奇しくも、ここにもう一人死にかけていた正義の魂を、キン肉族に救われて完璧への転生を思いとどまった超人がいる。
モン＝サン＝パルフェに入り、完璧超人入りを果たそうとしていたその男の名は……
ラーメンマン！！

突然のカミングアウトに仰天するキン肉マン。
ですがラーメンマンは、そんなキン肉マンこそ自分の恩人だ、と当時のことを語り始めたのです。
第20回超人オリンピック当時。
世界最強の残虐超人と呼ばれていたラーメンマンは、参加した超人オリンピックでも対戦相手を難なく撃破しました。
この頃のラーメンマンは連戦連勝、この世などもうつまらないとさらなる刺激を求めてモン=サン=パルフェに向かう決意をしていまして、それならばと外科医での最後の思い出にと超人オリンピックに参戦したのだそうです。
そこで余裕の優勝を収め、この世の未練を断ち切って完璧超人への道に挑む。
それがラーメンマンの思い描いていた青写真でした。
ところがその大会、ラーメンマンは優勝どころか、全くノーマークの無名超人……キン肉マンに敗れてしまったのです。
しかも、実力的には完全に自分が上回っており……なぜ負けたのかも全く分からないという屈辱の敗北で！
ラーメンマンは、せめてなぜ負けたのかわかるまでこの世にとどまり、研究をすることにします。
そして……わかったのです。
キン肉マンに負けた理由が、数々の苦境を乗り越えたあの力、火事場のクソ力だということが！
ラーメンマンは、おそらく火事場のクソ力はキン肉マンの生来のやさしさそのもの……人の痛みがわかり人のために尽くす、そんな優しさが目に見える力となって表れたものだ、と自分なりの結論にたどり着きます。
祖の時点でラーメンマンの迷いは消えました。
自分は正義超人であり続ける、と。
ラーメンマンがキン肉マンに敗れた原因は、その正義の心にあったというわけです！
……ちなみに今巻の巻末で説明されてますが、「残虐超人」というのは正義超人界におけるヒールみたいなもので、残虐超人も正義超人のくくりなんだそうですよ！

マーベラスを打ち破った逸材であるラーメンマン、完璧超人になっていればこの俺とコンビを組んでいたかもしれないな、とうそぶくネメシス。
ラーメンマンは、ネメシスはキン肉族の正義の魂を知らないまま完璧超人となり、自分はそれを知って正義超人に踏みとどまった、その差は大きいと断言します。
完璧超人こそが絶対というネメシスが正しいか、ラーメンマンが正しいか。
白黒つけるには……体で決着をつけるほかにないでしょう！！
ネメシスはキン肉族の正義の魂などまやかしだと証明してやる！と、先手を打ってきます。
童にタックルを敢行するネメシス、ラーメンマンは素早く反応した身を引きました！
が、ネメシスは体をさらに低くして、片足タックルへスイッチ！
そのまま抱え上げテイクダウン……と思いきや、ラーメンマンはつかまれていないほうの足でネメシスの側頭部へ膝蹴りを敢行！！
足へのホールドが緩んだ瞬間につかまれていた足も引き抜き、今度はそちらの足で延髄切りをたたき込んだのでした！！
たまらずひるむネメシスに、ラーメンマンは手刀の連打で追い打ち！
数発は喰らってしまうものの、すぐに肉のカーテンでガード。
さらにその連撃のわずかな隙をついて強烈なローキックで反撃、ラーメンマンのバランスを崩したのです！！
すかさず胴をクラッチし、フロントスープレックスで投げ捨てるネメシス、
しかしラーメンマンはまたも素早く反応してそのクラッチから逃れて決定打を受けません！
ならばとロープの反動を利用してのショルダータックルを敢行するネメシスに、ラーメンマンはダイビングヘッドバッドで迎撃……と見せかけ、空中で身を翻してネメシスの背後をとりました！！
流れるように両手で顎を捕え、相手に体重をかけつつ弓なりに体を折り曲げる……キャメルクラッチの完成です！！
かつてはこの技で相手を殺めたこともあるラーメンマン。
ですが、相手のネメシスはあのロビンマスクの隠しワザ、タワーブリッジネイキッドですら仕留めることのできなかった柔軟な体を持っています。
ネメシスは体をさらに逸らして両足でラーメンマンの首を固め、そのまま強引にラーメンマンの体をはね上げてしまったのでした！！
空中に舞い上がったラーメンマン……
ネメシスはそのラーメンマンの顎を両足で蹴り上げ、両手でラーメンマンの両足首をつかんで……
その猛烈な勢いのまま体勢を反転させ、相手を頭からキャンバスに突き刺すネメシスドライバーを仕掛けます！！
正義の魂は不滅だ、というラーメンマンの雄たけびもむなしく……技は見事なまでに炸裂。
勝負は決した……かに思いましたが、ラーメンマンはそれでも立ち上がるのです。
しかしダメージは決定的。
ラーメンマンはもはや立ち上がるのもやっとの状態で、ネメシスの両足タックルであっさりとていくダウンをとられてしまうのです。
そのままパウンドをたたき込まれ、なすすべないラーメンマン……
苦し紛れにうつぶせになるのですが、そうなれば今度はチョークスリーパーが襲い掛かってきます！！
これでも十分な威力を持つ技ですが、ネメシスはラーメンマンの足を固め、チョークスリーパーとロメロスペシャルを合わせたかのような拷問技、極・吊り天井固めに発展させるのです！！
意識がもうろうとするラーメンマン……
このままでは、むざむざやられるのを待つだけ。
そう考えたラーメンマンは、薄れゆく意識を目覚めさせるため、なんと
かつてウォーズマンに抉られたあの振る傷に自らの指を突き立て、抉ったのです！！
自らに決定的なダメージを与えてしまいかねない大ばくちをうったラーメンマン。
果たしてネメシスに勝つことができるのでしょうか！？
それとも……


というわけで、ラーメンマンVSネメシスが決着する今巻。
超人博士とまで言われる試合巧者のロビンマスクを撃破したネメシスの今度の相手は、超人拳法を収めた稀代の業師ラーメンマン。
正義超人きっての実力派の連破に挑むネメシスを、ラーメンマンはどのように攻略するのでしょうか。
この戦い、ラーメンマンという超人の集大成ともいえる、総力戦となるのです！！
ラーメンマンといえばその実力や、多彩な技の他、印象的な散り様を見せてくれるのも売り（？）のひとつ。
壮絶な敗北を喫しながらもあんまり死なないラーメンマンですが……今回はその散り様のバリエーションを増やすのか、それとも大金星をゲットするのか！？
ラーメンマンの集大成バトル、必見です！！

そしてこのあと、テリーマンVSジャスティスマン編に突入。
ゴールドマンやシルバーマン、超人閻魔といった本作におけるレジェンドクラスに並ぶといってもいいジャスティスマンが相手ではテリーマンの分が悪いと言わざるを得ませんが……
テリーマンはテキサスブロンコ魂でたち向かってくれるはず！！
こちらの激戦も見逃せませんよ！！


今回はこんなところで！
さぁ、本屋さんに急ぎましょう！！