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今回紹介いたしますのはこちら。

「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿」第5巻 木々津克久先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、学業にコミュニケーションにと奮闘している蛍。
その上、死んで幽霊となって帰ってきた兄・圭一の死を調査するという大変な日々を送っているものの、調査の末「十二人委員」という奇妙な組織に行きつきます。
相手は怪しげな、そして力を持つ組織。
果たして蛍は、兄の死の真相にたどり着くことができるのでしょうか……?


緑川楓は、いらだっていました。
それというのも、女子高生探偵として名を馳せた(?)自分の前に突然現れ、自分以上の嗅覚で犯罪に立ち会ってはそれを解決していく人物……蛍のせいです。
あまりにも心がかき乱されるあまり……探偵は現実主義だ、と言いながらも、何か事件が落ちてるかもしれないし、と占い屋に入っていくのでした。

そこは複数の占い師がそれぞれの部屋で待っている方式をとっているようで、楓はなんとなく目についたジュエルという占い師を選んでみました。
自動券売機のようなものでジュエルのボタンを押すと、取り出し口から「H-5」と書かれたプレートが出てきます。
そのプレートに従って、H-5という看板のある部屋に行きますと……
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いかにもといった女性占い師が待っていまして……

翌日。
楓はいつになく明るい表情で蛍に挨拶してきました。
なんでも朝イチで泥棒を捕まえたとのことで、楓はすっかりご機嫌なようです。
そしてそのご機嫌な日は、それからしばらく続くのです。
窃盗、盗撮、器物損壊……様々な事件を次々と解決していき、ついには警察より感謝状を受け取るほどの大活躍をして見せたのです!!
正直今までクラスで孤立していた楓も、これだけいいほうに目立てば一躍人気者。
楓の機嫌&自信も最高潮で、蛍に対して上から目線で、探偵頑張ってるか、人には向き不向きがあるから無茶しないようにね、と笑いながら立ち去っていくのでした。
すっかり有頂天の楓。
出来すぎなくらい事件を解決している……と言うよりも、事件に「遭遇」している楓は正直怪しいのですが、いつものような悪いモノの気配はありません。
一体楓はどうやって事件を見つけ、解決しているのでしょうか。
妙なことに手を出しているんじゃないか、と蛍は気にするのですが……

その日も、楓は占い屋さんに向かいます。
そしてそこから出てくると、楓はその手にメモを携えていました。
メモには、今日どこどこでこういう犯罪が起こる、と書いてあります。
それに従って楓がそのメモ通り路地裏に行くと、何かに躓いてたおれてしまいました。
倒れこんだ楓ですが、その倒れ込んだ先には……とんでもないものがあったのです!!
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胸に深々とナイフが突き刺さり、息絶えた女性の遺体が!!

その翌日の楓は、前日までとは打って変わってどんよりと沈み込んでいました。
顔面蒼白で目はうつろ、何やらぶつぶつとつぶやいていて……
そして歩たるに気が付くなり、お前に貸しがあったよな、助けてくれ!と飛びついてきたのです!!

楓が言うには、こう言うことのようです。
なんとなく入った占い屋で、見るからに怪しい占い師にあたった。
ところが彼女は今の楓の境遇をズバズバ言い当てるばかりか、その汚名を雪ぐための手ごろな「事件」の起きる場所や時間まで教えてくれた。
その教え通り事件は起こり、手柄をあげた、と。
最近の楓の八面六臂の大活躍は、その占い師の手引きだったということらしいのですが、先日の教えはいつもとは違ったのです。
そう、あの死体との遭遇。
それだけならばまだよかったのですが、調査が進むにつれてお菓子なことになってきたのです。
殺されていた被害者と、楓が相談していた占い師はどう見ても別人。
だというのに、被害者は楓と頻繁にあっていた占い師ということにされ、そのいざこざで楓が刺殺したということになってしまったのです!!
さらになぜか被害者をさしたナイフには楓の指紋が付いていて、現場には勝枝の残した痕跡しか見当たらず……
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このままでは楓は殺人事件の加害者にされてしまいます。
いったいこの事件、何が目的でおこされてたのでしょうか。
そして、あの謎の的中率を誇る占い師は一体……!?
緑川楓、大ピンチです!!


というわけで、楓最大のピンチに立ち向かうことになった蛍。
仲良しかどうかはともかくとして、なんだかんだ言って一番この学校で絡みの多い友達であることは間違いない楓。
その楓のピンチなのですから、ほたるも一肌脱がないわけにはいきますまい!
果たしてこの事件の真相とは?
いつにもまして感情がころころ変わる楓がどんな表情を浮かべるのか!?
見どころたくさんのエピソードとなっています!!

この他にもタスのエピソードが収録されている今巻。
超パワーを持つ桃園の、さらにすさまじい力が明かされるエピソードをはじめ、準レギュラーになってきた死神の再登場……
そして何よりも、物語が大きく一歩前進する十二人委員の一人が姿を現すお話も掲載されています!!
いよいよ最終章に近づいてきた感のある今巻、これから先からも目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!