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今回紹介いたしますのはこちら。

「うしおととら 完全版」第10巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックススペシャルより刊行です。

さて、突如現れた最後の伝承候補者、キリオに獣の槍など要らないと言いきられてしまったうしお。
そんなとき、光覇明宗の総本山に白面の者の分身、くらぎが来襲します。
法力や、獣の槍の力まで反射するくらぎにうしおは敢え無く敗北を喫してしまい、二代目のお役目様・日崎御角がその代りに交戦、相打ちとなっていの血を散らしてしまうのです。
さらにそのあと、キリオがくらぎにとどめを刺し、獣の槍不要論を声高に提唱。
若い僧たちの中では、キリオに従うものが増えてきて……


あの戦いの後、すっかりと魂が抜けたようになってしまったうしお。
そんなうしおを見ていたとらも、なんだか張り合いがないようでイライラが隠せません。
高が白面の使いとババアが一人くたばっただけで、なんだあの様は、あれじゃぶっ殺す気にもなれねえ。
そう言いながら、紫暮にこういうとき人間は大人が何か言ってやるんだろ、と話を振るのです。
が、紫暮は何も言うことない、ほっとくね!とその気がないことをアピール。
おぬしもそんな辛気臭いガキに見切りをつけて新しい獲物でも探しに行ったらどうだ、と言い出す始末です。
その時はまず私が相手だがな、と言い残し、紫暮はそのまま用があると立ち去っていくのでした。

うしおは一人、あの時のことを思い出して悔いています。
優しく、母親のように自分を包みこんでくれたお役目様。
彼女が死んだのは、オレを守るためだった。
獣の槍の力を過信して、いい気になっていたから。
俺はやりがなけりゃ何もできないんだ、負けるのなんて当然だ。
謝の中で公開の堂々巡りをしているうしお。
そんなうしおのもとに……ゆっくりととらが姿を現します。
お前にも飽きた、わしはお前に見切りをつける。
忘れてるだろうが、わしはおめえを食うのよ!!

ちょうどその時、うしおの家を珍しい客が訪れていました。
伝承候補者・杜綱悟と、純の兄妹です。
うしおを元気づけようとして来てくれたようですが……ちょうど玄関先で紫暮と鉢合わせます。
紫暮は、いつも通り接してやってくれ、何なら気晴らしに付き合ってくれていい、と二人に行った後、こう付け足しました。
それでも自分の道に帰ってこれなかったら、奴はそれだけのただの中学生だ、見切ってしまえ、と。
紫暮の言うことはあまりにも厳しいですが、獣の槍伝承を目指して辛い訓練に耐えてきた二人にはわかるのです。
うしおの背負った運命がそれだけ過酷だということ、そして、本当は紫暮もうしおのことを誰よりも心配していることを。

二人がうしおの自宅の門をたたこうとしたその時のことです。
うしおの部屋の窓が割れ、うしおが落下してきたのは!!
うしおに襲い掛かっていたのは、とらです。
こんな時に何をするんだと叫ぶうしおですが、わしとお前はこういう関係だっただろう、とさらに追撃!!
どうしても調子の出ないうしおは、獣の槍の力を発言しないまま槍で迎え撃つものの、とらはその攻撃をあっさり回避。
そのままうしおの肩の肉をえぐり取ったのです!!
とっさに助けようとする悟と純ですが、とらはすかさず雷で牽制!
これはわしらの戦いだから出しゃばるな、といいながら、今抉り取ったうしおの肉を口に運びます。
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そして、わざわざ見せつけるかのように、うめぇなぁお前の肉は、と咀嚼して見せ……
今度は、口での攻撃をしてくるのです。
お前はこんな時にとか抜かしてたが、妖が時と場所を選んで人を襲うかよ。
それともババァ一人すら見殺しにした弱っちい僕を甘えさせてってか!?
……その言葉には、黙ってはいられませんでした。
獣の槍の力を発現させとらにつっこんでいくうしお!!
とらはにやりと笑い、そうだ、本気を出してみろ!!と、豪炎を吐いてうしおに浴びせました!!
その炎の勢いに押されるうしお。
どうした、弱いなぁ、お前はこんなに弱っちいのか、となじってくるとらに、うしおは涙とともに絞り出すように叫ぶのです。
そうさ、だから負けたんだ。
強くなりてえよ、
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俺は強くなりてえよ!!
必死に炎を潜り抜け、とらに槍を突くうしお。
ですがその槍は、とらの手と牙によって防がれてしまいました。
これでやりは使えねぇな、やっぱりお前は槍がなきゃダメなんだなぁ!
その言葉は、うしおが今何よりも痛感しているおのれの弱さをついたもので……
うしおは、
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槍を手放して殴りかかりました!!
獣の槍が何だ!!
そう言って放たれたうしおの拳は、とらの顔面をたたきます。
……が、その拳はとらの体には全く響きません。
しかし、体の名家にはそうでもなかったようです。
獣の槍を投げ捨て、本当歯ごたえがねぇな、そいつらにもっとましな戦い方教われ!
そう言って、とらはどこかに飛び去っていってしまったのでした!!
……そこでうしおはようやく気付くのです。
まさか、俺を力づけるために……
とらの手荒な激励は、ふさぎ込んでいたうしおに再び歩きだす力を与えてくれたようです!


というわけで、落胆したうしおが再び立ち上がって始まる今巻。
このあと、悟と純の協力によってうしおは自らを鍛え直すことになります。
ですが、だからと言って彼らのような法力をすぐに使えるはずもありません。
それは才能あるかれらが、長くつらい修行の末ようやく身に着けたものなのですから。
ではどうするのか?
うしおが身につけなければならないのは、数々の修業をつむ僧たちにまず教えられる基本中の基本。
ですがそれをじっくりと身に着ける時間はもちろんありません。
うしおは、悟によって過酷な試練を与えられることとなるのです!!

そしてキリオもさらにその動きを活発にしていきます。
獣の槍不要論を唱えるキリオの行動は、さらに過激に。
獣の槍にどうしても固執するものがいるのなら、いっそ獣の槍自体を……と、とんでもない行動に出るのです!!
キリオに追従する僧たちもどんどんと増えていっているうえ、さらにキリオの後ろでこの騒ぎの糸を引く人物も見え隠れ。
果たしてキリオの、その人物の本当の目的は一体!?
そして、うしおと獣の槍に訪れた未曽有の危機に、他の伝承候補者たちも動き始め……!!
緊迫のキリオ編、今巻で決着です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!