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今回紹介いたしますのはこちら。

「スマイル」第1巻 春日井明先生 

KADOKAWAさんの角川コミックス・エースより刊行です。

春日井先生は09年に角川新人漫画賞を受賞してデビュー。
その後ライトノベル作品の漫画版の連載などを経験し、15年より本作の連載を開始しました。

さて、本作はとある病気をめぐって事件の起きるホラーサスペンスです。
突然発症し、その周囲を恐怖の渦中にたたき起こすその病気、「スマイル」とは……?

とある高校に通う男子高校生、清良。
友人の雪野に呼ばれて教室を出ていこうとするのですが、なかなかうまいこと行きません。
クラスメイトの女子に声をかけられ、バッグの縫い方のアドバイスを求められていたからです。
清良はそう言った女子力的な能力が非常に高く、ことあるごとにそう言う方面で女子に助けを求められています。
女子に大人気……なのはいいのですが、問題は女子から「男子」としての人気があるわけではないということ。
その問題は清良も重々承知しておりまして……
複雑な表情を浮かべておりますと、教室の中に突然叫び声が響いたではありませんか。
みれば、女子が一人泣きじゃくり、それをかばった別の女子が男子を糾弾しています。
当の男子は、何マジになってんだ、ただ「笑った」だけだろうというのですが、その「笑い」は今の彼女にとっては冗談では済まないのです。
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なぜなら、つい昨日……彼女の父親が、「スマイル」になったのですから。

清良と雪野は、図書館で課題に取り組んでいました。
おりしもその課題こそ、「スマイル」に関しての調査。
二人は資料を集め、改めてスマイルのおさらいを始めます。
「急性筋組織硬化症」。
23年前から流行をはじめた謎の病で、罹った者は体が変形し、理性を失い狂暴化する。
そして……顔が、笑顔になる。
そのことから罹患者を「スマイル」と呼ぶようになり、世間の笑顔に対する感覚も大きく変化してしまった。
原因となるウィルス等もいまだ不明ながら、唐突な発症の他、罹患者との接触などから感染することはわかっている……
そんな背景もあり、スマイル流行後の若者たちは不謹慎とも言われかねない笑顔を作るのが苦手になっているようです。
その調査を始めてほどなくしてから、清良と雪野とともに課題に取り掛かるもう一人のメンバー、凛子がやってきました。
この3人は幼馴染で子供のころから一緒だったのですが、高校に入ってからはクラスがバラバラになり、なかなか一緒に行動することができなくなっていました。
こんな重いテーマの課題ではあるものの、こうして三人で一緒になれたというのはうれしいもの。
昔を懐かしみ、またこの三人でどこかに行きたいなという機運も生まれてくるのでした。

一通り調べ物をし、片づけを始めた三人。
その片づけの途中、清良は凛子に携帯で一枚の画像を見せてきました。
それは、ぬいぐるみのタヌキ。
以前、凛子が清良にお願いしていて、ようやく完成してきたぬいぐるみのようです。
でも実は、凛子はデザインの要請時に渡したラフに、ペンギンを描いたつもりだったとのこと。
あんまりにも絵が達者すぎ、狸に見えたということなのでしょう……
ですが凛子はそれでいい、というのです。
清良が作ったモノなら、何でもいいって言うか……と、顔を赤らめてもじもじする凛子さん。
どうやら彼女は清良に思いを寄せていらっしゃる様子。
そして清良も、漫画の主人公らしくその思いに全然気づいていらっしゃらない様子です!
片づけもちょうど終わり、清良は裁縫の本借りていくから先に外に出ていて、と凛子に告げて別の本棚へと向かっていってしまうのでした。

外に出ようとした凛子ですが、ちょうどその出入り口付近に差し掛かった時、雪野が驚きの声を上げてしりもちをついていました。
何があったのかと聞こうとする凛子ですが、そんな二人に別の人物……警察が声をかけてきたのです。
よく見れば、外はパトカーが複数だ生きている厳戒態勢。
出たのだ、というのです。
……スマイルが。

清良は、何か外がうるさいなと感じながら手芸の棚を探しています。
係員の人に聞いてみようか、と思っていると、それらしい人影を発見。
すみませんと駆け寄って声をかけるのですが……振り向いたその人影は
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口角を釣り上げ、不気味に「笑って」いたのです!!
明らかに妙な笑顔、奇怪に動く体、かぎづめのように変形した掌。
これが……スマイル!?
一瞬の戸惑いの後、すぐに踵を返して逃げ出す清良!!
スマイルの男はすぐさまそれを見て飛び掛かってくるのですが、清良がよろめいて本棚にぶつかって落ちてきた本が目隠しのようになり、何とか隙をついて逃げることができました。
エレベーターのボタンを押しますが、悠長に待っている暇などありません。
階段のほうに駆けだすものの、そこには先ほどのスマイルが待ち構えるように待っていて……!!
このままでは、あのかぎづめのような手で引き裂かれて死ぬ……!!
そんな絶望が頭をよぎった瞬間、エレベーターの到着を知らせるチャイムの音が響きました!!
運よくエレベーターにもたれかかるようになっていた清良はエレベータ内へ転がり込みます。
そして、スマイルの男が様子をうかがっているうちに、「閉」ボタンを何度もたたき……なんとか無事エレベーターに乗り込むことができたのでした。
でした、が。
直後、エレベーターの扉がものすごい勢いで叩き壊され、そこから拳が飛び込んできたではありませんか!!
そして、今度はゆっくりと扉の隙間に手が差し込まれ、強引に開かれていき……
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スマイルの男が、中に入ってきたのです。
狭い密室の中、追い詰められた清良……
このままその毒牙にかかるしかないのでしょうか!?


というわけで、奇病スマイルの恐怖を描く本作。
突如として狂暴化し、その爪にかかった者も感染してしまう……
ゾンビものにも近いところのある本作ですが、そのゾンビ的な恐ろしさだけが本作の売りではありません!
なんといってもこのスマイルという病気、この第1巻時点では直前まで何の前ぶれもなく、いきなり発症してしまうのですから!!
しかもこのあと、主人公の周りではなぜか次々と発症者が現れていくのです!
突如として頻発するスマイル、その原因は何なのか?
すぐ身近にまで迫ってきている恐怖の病だけに、主人公に近しい人物も発症してしまうのか?
理性なく暴れまわるスマイルに現れ始めた不可思議な変化とは?
そして、主人公に隠された真実とは……!?
衝撃的な展開が連続し、そして後半からはアクション要素も加わり、謎も深まっていく本作。
今後の展開も予測不可能なものになっていきそうで、目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!