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今回紹介いたしますのはこちら。

「サタニスター 完全版」第1・2・3巻 三家本礼先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。

さて、現在連載中の「血まみれスケバンチェーンソー」がまさかの実写映画化を果たし、ノリにノっている三家本先生。
映画公開を3月に控え、05年から08年にかけて連載された本作の完全版の刊行が開始されました。

そんな本作、三家本先生の現在の作風を完全に作り上げた作品といえる内容となっています。
「ゾンビ屋れい子」の後半から、女性主人公がバトルを繰り広げていく漫画を得意とするようになってきた三家本先生。
加えて本作から、パワフルな女性が、犯罪者や悪人を相手に血しぶき飛び散る肉弾戦で立ち向かっていく、と言う基本形が出来上がった……ような気がします!
そんな本作、その内容はと言いますと……


西東京区、ひばり学園町にある、小さな教会。
一般的な十字架とは少し違う十字架が掲げられたその教会は、一人のシスターによって運営されていました。
そんな教会に、一人の少女が尋ねてきていました。
彼女は、懺悔室でシスターに相談をしています。
この街の中学校に引っ越してきたは良いものの、クラスメートの一部からいじめを受けている。
いじめに対して、仕返しをすることも考えた、と彼女は言います。
ですが教会に来るだけあって、彼女はクリスチャン。
クリスチャンの教えに背くようなことはできない、と涙をぬぐうのです。
そんな彼女に返ってきた、シスターの答えはこうでした。
「くそくらえ」ですわ。
そのおおよそシスターから出てきたとは思えないような言葉に続いて、シスターは小窓を開いてさらにとんでもないものを差し出してくるのです。
それは……金属製のメリケンサック!!
私が中学生のころに愛用していたこれを貸してあげる、使い終わったら血を拭いて返してちょうだい、警察沙汰になってもこの教会の名は出さないで。
耳を疑うしかないその言葉を聞き、少女は戸惑いながら、こういう場合「汝の敵を許せ」と顔答えになるのが普通では、と突っ込むしかありませんでした。
そのことに関しては、このシスターも異論はないようです。
異論はないようなのですが、許すのは悪魔で相手を地獄に落としてからだと豪語!!
いくらなんでもふざけすぎだとシスターのいる部屋に怒鳴り込む少女ですが、そのシスターは
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椅子にふんぞり返って座り、ウイスキーをかっ喰らい煙草をふかしていて……
予想以上にふざけていたそのシスターですが、それもそのはず彼女は普通のシスターではないのです。
悪魔よりのシスター、サタニスター!
それが彼女だというのです!!

使命があって悪魔のようにふるまっているのだという彼女。
いくら使命があろうとも、あんなシスターに真面目に相談などできません。
さっさと家に帰ろうとする彼女なのですが、その帰り道に道の真ん中で突っ伏してうめいている、同じ学校の女生徒を見つけました。
慌てて駆け寄って助ける……のが敬虔なクリスチャンかもしれませんが、そこはそれ。
君子危うきに近寄らずだ、と避けて通ろうとするのですが……その瞬間です!!
その女生徒が、背後から少女に飛びついてきたのは!!
しかもその女生徒、口やら目やらからミミズのようなものがわらわらと蠢き出ているではありませんか!!
少女が戸惑っていると、その背後からスキンヘッドの男が現れます。
その男の名は、蟲飼。
その名の通り、品種改良したミミズを使い、人に寄生させて自在に操るというとんでもない能力の持ち主です!!
そんな蟲飼、女生徒と同じように少女にミミズを寄生させる……と思いきや、それを思いとどまります。
手下をもっと増やしたい、そう考えた蟲飼は、少女の脳みそをミミズに食いあらさせる前に、電話で友達を呼ばせようとしたのです!!

蟲飼のその要求にホイホイ答えるわけにはいきません。
必死に抵抗していますと……どこからともなく、バイクのエンジン音が聞こえてきました。
どこかのバカが暴走しているのかとのんきなことを言っていた蟲飼ですが……そのバイク、
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蟲飼のところに乗り込んできて、蟲に犯された女生徒の頭を割っちゃったじゃありませんか!!
バイクに乗っていたのは、あの破天荒なシスター、サタニスター!!
サタニスターははいってくるなり、銃をぶっぱなしては蟲にのっとられた人々を惨殺!!
人を襲う怪物としてでなく、アタシに殺された哀れな子羊として眠りなさい。
そう言ってせめてもの祈りをささげると、少女にこれから起きることは見ないほうがいいから帰れと声をかけてから……蟲飼に向かって言いました。
1分間懺悔の時間を与えます。
さあ己の罪を悔いるのよ、蟲飼!!
……シスターの装い、自分のことを知っている、ためらいなく操り人形となった人や自分を殺める……
そんな存在に、蟲飼は思い当るものがありました。
サタニスター……自分のような人並み外れた能力を持った「特殊殺人鬼」を狩るために、悪魔に魂を売ったシスター!!
蟲飼はミミズを吐いてサタニスターに攻撃を仕掛けますが、サタニスターは至って冷静。
魂を売りはしない、貸すのよ。
悪に罰を与えるわずかな間だけね!!
そう言うと、サタニスターは袖を破り取り、それを袋状にしてミミズを一匹のこらず捕獲!!
そして、それをたたきつぶしたのです!!
蟲飼は負けじと、今度は巨大なミミズを放ってサタニスターを拘束したものの、今度は自らの修道服に火を放ち、服ごとミミズを焼き殺して脱出!!
愛情を込めて育ててきた大ミミズが無残な姿になってしまい、ショックを受ける蟲飼に、サタニスターは宣告するのです。
1分たったわよ。
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地獄の釜で茹でられながら、己の罪を悔いよ。
アーメン。
そう言って……メリケンサックをはめた拳で……蟲飼の頭をたたき割ったのでした!!


というわけで、特殊殺人鬼を始末する仕事人シスター、サタニスターの活躍を描く本作。
この後、普通ならば次々と特殊殺人鬼が現れ、サタニスターが片付けていく……と言う話になる所でしょうが、本作はそのあたりがちょっと違います!!
確かに特殊殺人鬼は次々と出てきますし、サタニスターもそれと戦っていきはします。
ですがその舞台は、この後行われる、「世界最強殺人鬼決定戦」という、特殊殺人鬼が一堂に会し、殺し合って最強を決めるという大会においてなのです!!
次々あらわれる、相変わらずの個性豊かな特殊殺人鬼たち。
三家本先生おなじみのどこかにくめない愛嬌ある奴らも多数登場し、血なまぐさくもコミカルな、それでいて熱くシュールなバトルトーナメントが繰り広げられていくのです!!
そしてなんと、この第1話で巻きこまれ役になっていた少女、いづみもその大会に巻き込まれるどころか、参加していくことに!!
果たしてだれが死んでだれが生き残るのか?
三家本先生おなじみの、予測不可能な仰天の展開が待っていますよ!!

ちなみに実は今回紹介した冒頭部分は、本作の第3話に相当します。
第1・2話は、この後登場する最強クラスの特殊殺人鬼、バルキリーの異常性を克明に描く、読み切り形式のお話になっています!!
この読み切りが好評を博したのも本作の連載につながったのでしょうが、その内容はまさに本作のプロローグにふさわしいもの!!
すさまじい非道ぶりを堪能したのち、本編を拝めばより楽しめるというものです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!