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今回紹介いたしますのはこちら。

「アカイケモノ」第1巻 中平正彦先生 

集英社さんの画楽コミックスより刊行です。

さて、アクション漫画をメインに長く活動をつづけ、近年では「つきロボ」で得意とするSF要素に特化した作品も手掛けるなど、活躍の幅を広げていらっしゃる中平先生。
そんな中平先生の最新作となる本作は、やはりアクション要素の強い作品となっています。
が、中平先生作品にはつきものともいえるコミカルな要素は本作ほとんどなし!
シリアスに、そしてハードに進んでいく本作、その内容は……


5月9日、午後。
とある学校の校庭で、一人ハードル走の練習をしている少年がいました。
猛烈な勢いでハードルを越えていく彼を、眼鏡の上級生がやれやれと言いながら、明日は試合なんだからその辺にしとけ!と諭します。
それでも止まらない少年に、聞いてんのか赤矢!と怒鳴りつけると……ようやくその少年、赤矢は足を止め、その上級生がいたことに気が付くのです。
こんちは小林主将!
そう言って手を上げる赤矢に、上級生、小林は頭を抱えながら話しかけます。
明日の試合に備えて今日は体を休ませとけって言ったはずなんだけど?
そう言っても、赤矢は新しい靴を試したかったから、と全く悪びれない様子。
止めようという気配を見せない彼に対して、小林はその靴を泥だらけにしたくないならさっさと着替えろ、と空を指すのです。
上空を見上げてみると、なんだかちょっと見たことがないくらいの……不気味と言うほかない空模様が広がっています。
今すぐにでも降ってきそうなそれを見て、ようやく赤矢は練習を止め、小林と帰ることにしたのでした。

帰路の途中、小林はもともと練習の虫だった赤矢が、最近一層練習に励んでいることについて質問を投げかけました。
最初ははぐらかそうとした赤矢でしたが、小林の追及は続き……赤矢は渋々といった感じでその理由を明かしたのです。
先日の南関東大会で、赤矢は記録を出す快走を見せました。
その時のことなのですが、彼の体に不思議な感覚が訪れたのだというのです。
スタートと同時に今まで経験したことのない力が全身にみなぎり、それがさらにあふれてきて、光になって自分を包みこんだ。
そして、「何か」になった。
正体はわからないが、恐ろしく俊敏で獰猛な何かに。
もちろん本当に変身したんじゃなく、興奮や緊張、闘争心といったものが作りだした錯覚のようなものだとはわかっている。
それでも、どうにかしてまたあの「何か」になりたい……
そんな思いで練習に挑んでいたのだ、と聞くと……小林は正直ドン引き。
だから話したくなかった、と小林も不満げな表情を浮かべたものの、小林はすぐに興味深い話だったかもしれない、記録を出すなんて特別な瞬間は特別なものが見えてるんだ、お前ほどの実力の持ち主ならいつかきっと主和えが望んだ通りうまくいくさ、とフォローを入れてくれました。
それでも根を詰めすぎるのはよくない、と言うことでその話は終わり、となったのですが……そこで、赤矢は異常なものに気が付くのです。
いくらなんでも暗すぎるこの天気、何か不穏なものを感じてコンビニによろうと曲がり角を曲がろうとしたのですが、そこに
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「壁」があったのです。
なんだかわからない、壁が。
なんだこれはとそれに触れてみますと、触った左手のひらに蛍光のペンキのようなものがべったりと付いたではありませんか!!
ペンキ塗りたてだったのか、と呟いた赤矢ですが、すぐに気を取り直してこの壁の異常性に気が付きます。
級に現れたこの壁、道をふさぐように存在していて……とにかく普通じゃありません。
二人が戸惑っていると、男の人が倒れているから何とかしてあげて、とおばさんが声をかけてきました。
そこに行ってみますと、確かに男が斃れています。
その先にもあの「壁」があって、それにぶつかったのだろうか、とも思ったのですが……
彼が乗っていたと思われるバイクは、壁にぶつかった、と言うよりも、壁に「めり込んでいる」ではありませんか!
どう考えてもこんなことは普通じゃありません!!
救急車を呼ぼうとして携帯をいじってみても、なぜか圏外でつながりませんし……
なにかよくないことが起きている気がするから下手に動かないほうがよさそうだと提案する赤矢ですが、小林もそれはわかっています。
しかし倒れている人を放っては置けない、と駅前の交番に行くと自転車を走らせました。
するとその直後……空から「何か」が降りてきて、自転車ごと小林を、叩き潰してしまったではありませんか!!
小林を潰し、その命を奪った何かは……
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光り輝く、見上げるほど巨大な、怪物としか形容しようのないものでした!!
そして赤矢は、その怪物が自分を見ていることに気づきます。
ですが、何故それが赤矢を見ているとわかるのか?
もしかして、この左手についたペンキのようなもののせいで自分を見ていて、自分は見られていることがわかるのか!?
そんなことを考えているうちに、その巨大な怪物は巨大な拳をたたきつけ、目の前に立っていた先ほどのおばさんをたたきつぶしました!
飛び散る鮮血、もはや動かないその体。
そして怪物の拳は、そのまま赤矢にも迫ってきて……!!
迫る拳を前に、赤矢の頭の中に様々な思いがあふれ出てきます。
死んだ……?死んだ!!
次に死ぬのは僕なのか?ボクもバラバラになって死んでしまう?
いやだ、死ぬなんてイヤだ!
でもどうすれば死なずに済む?そんな方法あるのか!?
目の前に迫る死の実感。
それを前にして赤矢は恐怖を感じていたのですが……その時、彼の脳裏に、結論が突如として思い浮かんだのです。
…………あ、そうか。
死にたくないなら、そうなる前に殺してしまえばいいんだよ。
先ほどのペンキが付いた左手が光を発し、その左手で怪物の拳を迎え撃ちました。
普通ならば、これだけの質量の差があればそんな行動など何にもならないでしょう。
ですがその左手は、怪物の拳をはじき返し、逆に近くのビルにたたきつけるほどの威力を持っているではありませんか!!
……赤矢は変わっていたのです。
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あの時の、「何か」に!!


というわけで、衝撃の幕開けで始まる本作。
このあと、突如現れた「壁」はこのあたり30キロほどを封鎖するかのようにできていることがわかります。
そして、壁の中に現れた「怪物」は一体ではなく、複数……それも、10や20ではない数がいるらしいことも!
この壁は?怪物は何なのか?
それはこの第1巻の時点では明かされません。
これから先も明かされるかはわかりませんが……それでもどんどんと惹きこまれていく展開が続くのです!!
閉鎖空間での出会い。
怪物によって巻き起こる、数々の惨劇。
それに立ち向かわんとする者たち。
赤矢に襲い掛かってくる怪物たちと、うちなる怪物……!!
数々のショッキングな出来事が連続し、一瞬も目の離せない展開が連続!!
そしてそのハードな展開の末の今巻のラストで、いよいよ物語が本格的に始まることを知ることになるのです!!

ものすごく先が気になる所で終わる今巻ですが、本作の連載はすごく不定期。
今までの連載ペースでいくと、単行本の刊行は18年くらいになりそう……!?
できることならもう少し早い間隔で発表していただけますと、すごくうれしいのですが……どうでしょうか!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





ところで画楽ノ杜13年から連載されている、「エンチャントランド」の単行本化はまだなのでしょうか……
すごく待ってるんですが……ホーム社さん、集英社さん、富沢先生、ぜひとも単行本化をお願いいたします!!