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今回紹介いたしますのはこちら。


「フードンビ」第2巻 栗原正尚先生 

集英社さんのヤングジャンプ・コミックスGJより刊行です。


さて、謎の粉が混ぜられた食べ物を食べるとゾンビのような状態になってしまうという事件に遭遇した柏木。
フードを食べてゾンビになる、と言うことでフードンビと名付けられたそれですが、普通のゾンビとは大きく違うところがありました。
それは、噛まれても感染しない、という体質の人間がかなりの割合でいることです。
道路一本のみでつながった孤島、希望島に唯一ある建造物、大手通販サイトの大倉庫に閉じ込められた彼は、その倉庫内でフードンビと戦うこととなるのですが、お約束ともいえる人間との戦いも勃発して……?


倉庫の一室に閉じこもった柏木達。
鍵はしてあり、フードンビの侵入は防げているものの、外から助けが来る気配はいまだなし。
閉じ込められた従業員たちは、苛立ちを募らせていました。
それもこれも、ザ・クズと言っても過言ではない最低の男、芥山のせいです。
芥山は自分だけはフードンビにならない食品を見分けられると言い出し、自分に従えばその食品を分けてやるとして一大勢力を築いていたのです。
ですがその代償として、女性陣は下着姿になることを強要され、その上乱暴まで働かれてしまい……
芥山一人ならばそんな横暴も許されないのでしょうが、意外にも芥山に武闘派の三人組が従ったことでその横暴が通ってしまうことになったのです。
ですが彼ら三人組も、芥山の食糧を得るためにただ従っているわけではないのです。
彼らは救出された後のことを考え、どれだけひどいことをしても「芥山の命令でやむなくやった」と証言することで自らの罪を軽減しようとしていました!
そんなクズ同士が一応の強力をしているわけですから、当然環境は最悪!!
ですが、ひどい目にあわされることがわかっていても、空腹には勝てないわけで……
一人、また一人と芥山の軍門に下っていったのです。

そんな中、柏木はため息ばかりついていました。
それもすべて、柏木が思いを寄せていた美少女、水沢のせいです。
横暴を働く芥山グループが発足した昨日、芥山はこんな提案からそれを始めました。
時分、武闘派三人組でできたこのグループに、入会した順で優遇される、最初に手を上げたものはナンバー5だ!という。
そんな奴いるわけないだろう、と芥山を殴りつけようとした柏木ですが、なんと
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水沢がいの一番に手を上げたではありませんか!!
この水沢と言う女、誰もが認める美女であると同時に、芥山に負けないほどのクズでもありました。
彼女は自分の「可愛さ」を武器にして今まで世の中を渡っていまして、ここでもその能力を使ったわけです。
確かに柏木はイケメンでフィジカルも抜群です。
ですが、本来携帯電話を持ち込みできないこの職場で、唯一それを持っている芥山だけは「外の状況」を知っていることに気づいていたのです。
実はこのフードンビ、倉庫外の町でも発生していて、パニックが起こりつつあるのです。
だからこそ、助けが来ないこの状況で独裁政治をしようと決めた……
つまり、すぐ外に出ることができないなら、より生き残る可能性の高い……食事の心配のない芥山グループで、ヒエラルキーの上位に君臨しようとしたのでした!!

あっさり自分を裏切った水沢をみて、さすがにへこんでしまった柏木。
とはいえこのままでいいわけがありません。
自称公安の秋川と、ゾンビマニアで水沢の裏の顔も知っている理系女子の須永は、一刻も早くここを出ようと考えていました。
フードンビを作りだす元とみられている、動物へ投与される成長促進剤、通称フードンビパウダー。
それを警察庁に届け、この事態を収束させなければならないのですから。
秋川は、少し別の場所を見てくる、と言い残してある人物に会いに行っていました。
彼の仲間であり、フードンビに噛まれても感染しない体質ながら、腕を噛まれて負傷したために休んでいた男、中川のもとに。
彼らは密談を始めます。
そしてほどなく結論を出しました。
フードンビの溢れる、2階に通じるドアを開ける……
当然そうなれば、ここに立てこもっている人々が阿鼻叫喚の地獄に突き落とされることでしょう。
ですが、秋川は顔色一つ変えずこういい放つのです。
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国家を救うためだ、多少の犠牲は目をつぶれ。

その頃、芥山グループに与しなかったカップルが、空腹に耐えかねていました。
そしてカップルの女の子のほうが、アイツらの言ってることって本当なのかな?と言いながらたまたま見つけたクッキーを取り出します。
……それは、フードンビパウダー入りのクッキー。
確かに芥山の言うことをすべて信じろと言うほうが無理ですし、実際食べ物が原因と言われてもピンと来ないかもしれません。
カップルはとうとう、そのクッキーを食べてしまい……!

閉鎖空間で一人感染者が出てしまえば、あとはもうどうしようもありません。
柏木のような、感染しない戦える人物が、真っ先に対処して倒してしまえば話は別なのでしょうが、この時ばかりはタイミングが悪すぎました。
柏木の精神状態が悪かった……と言うことだけではありません。
ちょうどそのカップルのフードンビが人を襲い始めたその時に、、中川が2回への扉を開いてしまったのです!!
一気に部屋の中にあふれかえるフードンビ!!
戦う暇もなくパニックになっていく倉庫の中、柏木が気付いたときには
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水沢がフードンビに噛みつかれてしまっていました!!
その瞬間を目撃してしまった柏木は、水沢もきっと自分のように免疫があるに違いない、と淡い期待を抱くものの……みるみると水沢はフードンビ化していってしまって……!?


というわけで、完結を迎える本作。
ゾンビものの王道的展開を踏襲しつつ、クズたちが大活躍(?)する栗原先生らしい作品に仕上がっています!
全2巻と言うことで、打ち切り漫画的な終わりを迎えるかと思われる方もおられるかもしれませんが、そこはさすがの栗原先生。
この後も、いくつもの驚きの展開と、どんでん返しがばっちり用意!
さらにアクションシーンもどんどんと増えていき、手に汗握る展開が連続!!
今まで積み上げてきた物語の様々な要素を丁寧に解決していき、そしてきっちりとゾンビ映画的なラストシーンを迎えるのです!!
ゾンビ映画らしいラストシーンと言うことで、なんとなく想像もつく方もいるでしょうが、それは読んでのお楽しみ。
後半の展開には「!?」と感じる方も結構多いでしょうが……これもホラー映画ではない、ゾンビ映画らしいと言えるのではないでしょうか!?


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!