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今回紹介いたしますのはこちら。

「リトルウィッチアカデミア」 てりてりお先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックス・ウルトラより刊行です。

さて、本作はアニメ制作会社のTRIGGERさんが13年にイベントで公開し、15年に劇場版を公開した同名作品のコミック化作品です。
そんな本作、第1話は読み切りと言う形で13年に第1話が発表され、その後15年に第2~5話が短期集中連載され、単行本化されました。
その第1話は、原作であるアニメ版以前の部分も補完しながら描く作品。
その内容は……?


なんだか落ち着かない様子の少女、アッコことアツコ・カガリ。
彼女が落ち着かないのは、あるものを待っているからです。
あっちにふらふら、こっちにふらふら……そうやっていると、外の門が開く音が鳴り響きます。
さっそく家の外へ飛んでいき、今まさに郵便受けに手紙を入れようとしていた配達屋さんに声をかけ、それを受け取りました!
開いてみれば、やはりそれはアッコが待ち望んでいたものでした。
その手紙は……ルーナノヴァ魔法学校の、合格通知です!!

これで私も魔女だ!!と意気込んで入っては見たものの……入学式はやっぱり普通の学校とそんなに違うものではありません。
入学性代表の優等生、ダイアナ・キャベンディッシュのかしこまった挨拶を聞いて、アッコは大欠伸を掻いてしまいます。
人目をはばからないその大あくび、台上にいた第穴からはよく見えた様で。
彼女の顔がムッとしたことに、アッコは気が付くわけもなかったのでした。

その後アッコが、憧れの魔女ルック、制服を受け取って大はしゃぎしていますと、声をかけてくる生徒が現れます。
ショートカットにメガネの、地味な印象の彼女はロッテ・ヤンソン。
彼女はアッコに、私とと同じチームだね、よろしくと握手を求めてきます。
なんでも帽子のリボンの色で三人一組のチームわけがされているとのことで、ロッテとアッコは同じチームなのだとのこと。
しかも同じチームの三人で、寮の部屋も同室となるそうなので、彼女はこれからの学園生活を共にする仲間というわけです。
ちなみにもう一人のチームメイトは、スーシィと言うのだそうですが、その姿は見えません。
さっきまでロッテと一緒だったはずなのですが、いつの間にその姿を消してしまったのでしょう……?
彼女の姿を探しながらも、私は日本初のマジカルスターとして活躍する逸材よと自己紹介をしておりますと、そこにまた新たな生徒が現れて声をかけてきました。
ダイアナの挨拶中に大欠伸をしていた行儀の悪い人がいたけど、なるほど東洋の島国での田舎者だったというわけね。
そう言って現れたのは、なんだか嫌味な感じの二人の女生徒と……
その間に立つ、あのダイアナ本人でした!
二人のアッコに対する侮辱的な言葉をたしなめながらも、アッコがこの学園に似つかわしくない存在なのは確かだとチクリとやってきます。
基本的にこの学園にやってくるのは魔女の血筋のもののようで、そうではない、いわば田舎者で、おまけに礼儀を欠くアッコがバカにされてしまうのも無理はないのかもしれません。
ですがアッコはそれを黙って受け入れるような人物ではありません!!
血筋が悪くて才能がないと言うんなら、今試してやろうじゃないか、炎の魔法勝負なんてどうだ?と、いきなり逆に喧嘩を売りかえしたのです!!
ダイアナはその勝負をあっさりと受け立てちました。
一瞬で終わらせてあげますわ、と言う彼女の自信に満ち溢れた言葉と同時に、二人は同時に炎の魔法を放ちあいました!!
ですがその魔力の差は歴然!
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アッコはものすごい炎に焼かれ、あっさりと敗北してしまうのでした。

ロッテはアッコを抱え、すぐに部屋に戻りました。
部屋には消えたもう一人のチームメイト、スーシィがすでにくつろいでいました。
スーシィは魔法役の調合が得意なのだそうで、彼女にアッコの治療をしてもらおうとしたのです。
あの業火に炙られたのですから、アッコは全身やけどだらけ。
速く治療してあげないと、と慌てるアッコなのですが、スーシィはどこがやけどしているのかときょとんとしています。
その言葉を聞いて改めてアッコの体を見てみると……彼女の体には傷一つないではありませんか。
……そもそも、優等生のダイアナが学園内で炎なんて出すわけがありません。
格の完全なる違いがわかっていたダイアナは、最初からまともに勝負すらしてあげようとしておらず、幻覚の魔法でアッコやロッテを翻弄したのでした!!

怒りに震えるアッコですが、そもそも彼女が魔女とはあまり縁のない日本から、はるばる魔法学校までやってきて「マジカルスター」とやらになろうとしているのはなぜなのでしょうか。
それは、アッコたちが子供のころに活躍していた「シャイニィシャリオ」と言うマジカルスターに由来しています。
シャリオのステージを見たアッコは、彼女が披露した煌びやかなステージを見て一発で心酔!
それ以来、彼女はシャリオのようなスターになるんだと心に決めてきたわけです。
ところが、本当の魔女界隈ではシャリオの評判は芳しくないのだとか。
本来の魔女のイメージをゆがめて伝えてしまっている、とされているとのことで、ロッテもスーシィもシャリオに興味がないそうで……
シャリオのよさが分からないなんて、人生損している!
アッコはそう言って、いろいろあった入学初日をふて寝で終わらせようとしたのでした!

とは言ってもまだ夕方、そんなに早く寝られるわけもありません。
アッコは、どうにかしてダイアナに一矢報いたいと考えています。
優等生の彼女に魔法の知識で勝つのは無理でしょう。
ですが、魔法力だけならなんとかならないか?と漏らしますと、魔法力を回復させるにはマンドラゴラを煎じて飲むと言いらしいとロッテが教えてくれました。
しかもそのマンドラゴラ、スーシィが鉢植えで常備しております。
ストックも結構ある様で、あっさり一つ分けてくれたのですが、スーシィが教えてれようとしていたマンドラゴラを抜くときの注意にはよく耳を傾けるべきでした。
引き抜かれた時にマンドラゴラが上げる叫び声は、魔力を持たないものを死に至らしめる恐ろしいもの!!
その叫び声を、
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アッコは至近距離で思いっきり聞いてしまったのです!!

転生のタフネスに加え、少ないながらも魔力を持っていて、マンドラゴラも小ぶりだったことで僅かに気絶したくらいですんだアッコ。
ですが、こんな小さなマンドラゴラではせいぜい栄養剤程度の力しかないそうです。
魔法力を上げるには、あのくらいの大物でないと、とスーシィは部屋の片隅にある大きな鉢植えを指さします。
巨大なマンドラゴラの鉢植え、なんと5年ものだそうです!!
これさえあればダイアナに勝てる、ちょうだい!とスーシィに迫るアッコ。
あげること自体はそれほどいやではないようで、またまたあっさり渡してはくれるスーシィなのですが、ニヤリと笑ってこう告げてくるのです。
あんた、それ抜く気?死ぬよ絶対。
ここじゃ迷惑だから外でやってよ。
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ま、どうにもできなくて帰ってくるのがおちだと思うけど。
……そんなことを言われては、二重の意味で引けません!
スーシィを見返すため、そして第穴にぎゃふんと言わせるため。
アッコは、ロッテを巻きこんでマンドラゴラ引き抜き大作戦+打倒ダイアナに挑むのです!!


というわけで、映画の前日譚ともいえるお話から始まる本作。
本作は、本作のオリジナルキャラを交えながら、日常の中の事件やトラブルをコミカルに描いていく形の作品になのです!
原作はイベントでの公開や映画作品であったため、どうしても派手な出来事にスポットライトを当てることとなります。
一方の本作は、その原作では描けなかった、ごく普通の魔法の授業で起きたトラブルや、アッコがネットオークションで発見したとんでもないものをめぐるアレコレ、スーシィにスポットライトを当てたお話や、ロッテの食べ物の好き嫌いがらみのエピソードと言った、大きなイベントの絡まないお話がメイン!
基本はコミカルな日常シーンを描く楽しい作風ですが、アクションシーンや友情ドラマ、感動の物語までも描かれた読み応え満点の内容に!!
本編では描き切れなかった各キャラクターの掘り下げもされた本作、ファンは大満足間違いなしですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!