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今回紹介いたしますのはこちら。

「リトルウィッチアカデミア 月夜の王冠」 藤原ゆか先生 

集英社さんのりぼんマスコットコミックスより刊行です。

藤原先生は02年にりぼんの新人漫画賞を受賞し、デビューした漫画家さんです。
りぼんやその増刊号で読み切りを発表して経験を積み、05年に初連載。
代表作と言える「CRASH!」は、07年から13年にかけて連載される長期連載作品となりました。
そんな藤原先生が今回挑むのは、あの「リトルウィッチアカデミア」のコミック化!
その内容は……


憧れのルーナノヴァ魔法学校に入学し、マジカルスターを目指して奮闘を続けている少女、アッコ。
ある朝、彼女が夢の中で魔法の呪文を唱えると、その呪文と同時に自分の手のひらから煌びやかな光魔法が放たれていました!
敵性のあるものしか使えないという、特殊ランクの光魔法が使えた!と大喜びするアッコ!
なのですが、今はのんびり喜んでいる場合ではありません。
もう学校が始まる時間が間近に迫っていて……遅刻しそうなのですから!!

アッコが学校にたどり着いたときには、すでに全校集会真っ只中。
勢いあまって窓ガラスにぶつかり、そのまま転がり込むように講堂になだれ込んだアッコに自然とみんなの視線は集まっちゃいます。
ですがアッコはそんなことも気にせず、集会に参加しているルームメイトのロッテとスーシィに話しかけるのです。
同室なのに置いてくなんてヒドイ!でもそれより、私ついにあの魔法を成功して……!
先ほどの魔法のことを興奮気味に語ろうとするアッコですが、もちろんそんな大騒ぎを先生が放っておくわけもなく。
講堂の壇上に立っていた先生からは、遅刻を咎められて反省文を書くよう命ぜられてしまうのでした。

いつも明るくハイテンションなアッコもさすがにうなだれるのですが、すぐにその機嫌は回復することとなります。
それは、この学園で10年に一度行われるという祭典、「アカデミアコンテスト」が行われると聞いたからです。
いろいろなテストをして、優秀生徒ナンバーワンを決めるというそのイベント、ナンバーワンを決めるという響きだけでもアッコの心は踊るのですが、成績的に考えるとちょっとその座につくのは難しそう……
私の夢はもっとビッグでグローバルな……マジカルショーを再演して世界のスターになることなんだから、と強がるのです。
ですが、今回のイベントはお隣にある魔法学校の男子校、ソルバテル魔法学院と合同だとのことで、成績が芳しくない組もかっこいい男子と会えるかななどと盛り上がっている様子。
そっち方面にはあまり興味のないアッコはそれでこんなに盛り上がってるんだと他人事のようにしていたのですが……ソルバテル魔法学院、と言う響きはなんだか聞き覚えがありました。
誰か友達が通っていたような気がするけど……と記憶の糸をたどっていますと、アッコの機嫌を一気に回復させる、衝撃の発表が行われていたのです!
優勝者には、魔法の王冠が贈られる。
それは正式にはマスタークラウンと呼ばれるもので、身に着けると一時的に膨大な魔法力を得られるという貴重なアイテムなんだとか。
ですが、アッコにとっては別の意味で超貴重なものだったのです!!
あの王冠は、
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マジカルショーで、憧れのシャイニィシャリオが身につけていた王冠と同じじゃないか!!
そう考えると、アッコの興奮はもう止まりません!!
あのシャリオのクラウンを手に入れ、そしてあふれる魔力を使ってマジカルショーをやる!!
そうすれば一気に大スターになって、人生一発逆転ホームランじゃないか!!

……とはいえ、まずはそのコンテストの出場権を得ることから始めなければいけません。
参加者は、各クラス1名だけ。
その1名は、自らの得意とする魔法を披露して、魔力測定器で最も大きな魔力を記録したものが選ばれる、とのこと。
はっきり言って、普段のアッコではクラスで一番すら難しいです。
ですが、今日のアッコは自信満々!
何せつい今朝、あの光魔法が使えるようになってのですから!!
今まで劣等生扱いされてきたアッコですが、ついに才能が開花しちゃった、と放課後人目につかない森に向かったアッコ。
テスト前にあの光魔法を完璧なものにしようとしたのですが……うまいこと馬方が発動しません。
もっとこう、花火みたいに……と、改めて魔法を放ってみると、今度は光の球が発生はしたものの、暴走して制御不能になってしまいました!!
やばい、と直感したものの、時すでに遅し。
アッコは身をすくませて縮こまることしかできず、そこに暴走した光の球が襲い掛かってきてしまいました!!
……が、光の球はその直前で消えてしまいます。
さらに、気が付けば
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アッコは見知らぬ男子に抱え上げられているではありませんか!!
見慣れない美男子に、とりあえずお礼を言うアッコ。
ですがその男子、何やってんだよバカアッコ、とアッコの名前を呼んでくるのです!
彼はアッコを知っている様子。
ですがアッコは全然覚えがありません。
そんなアッコに呆れながら、彼は小学校が同じだったミナヅキユートだよ、と自己紹介してきます。
ユート、ユート……と思い起こすと、パッとその頭に一人の人物が思い出されました。
それは、子供のころに見たマジカルショーを、一緒に観に行ったこともある、眼鏡の大人しい少年でした。
ちっちゃくて影の薄かったあのユート!?嘘、全然分からなかったよ!
そう言ってユートの顔を待直で見つめるアッコ!
ソルバテルに行った友達と言うのは、彼のことだったのです!
聞いてみれば、ユートはコンテストに出場する成績優秀者の一人で、挨拶と下見に来て帰る所なんだとか。
彼もアッコと同じ、魔法使いの家計ではない一般出身者。
そんな彼が代表になってるなんて、すごい、うれしい!とアッコは感動し、私も代表尾入って優勝目指すから、コンテストでまた会おうね!と激励の言葉を投げかけました。
ところが、ユートはこんな言葉を返してくるではありませんか!
おまえ、良くそう言うこと言えるな。
俺はもう二度と会いたくなかったんだよ。
まぁ実際会うこともないか、さっきの魔法のしょぼさみる限り、代表なんてなれるわけねーし!
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そう言い残して、さっさと立ち去っていってしまったユート……
取り残されたアッコは、はらわたが煮えくりかえります!!
何が何でも代表にならないと気がすまなくなってきた!!
アッコはめらめらと闘争心を燃やし、いつも以上に魔法と訓練に力を入れるのです!!

ですが、結局テスト当日になっても光魔法を自分のものにすることはできませんでした。
ぶっつけ本番で挑むしかない!
そう思って、皆の視線が集まるなか光魔法を放つアッコ!!
ですが……案の定、魔法は不発。
もはやテストの結果は火を見るより明らか。
アッコは結局、ユートの言う通り代表に選出はされないのでしょうか?
それとも……!?


というわけで、「リトルウィッチアカデミア」の少女漫画版となる本作。
本作、原作に登場する様々なキャラクターが登場し、それぞれ見せ場も用意されてはいるのですが、あくまでメインとなっているのはアッコとオリジナルキャラクターであるユートです。
アカデミアコンテストと言う一大イベントを舞台にして、そのコンテストでの戦いや協力の中で、変わっていくユートとの関係を描いていく内容になっていくのです!!
本編のほうにはほぼなかった恋愛要素が主軸となっているのは、ファンの皆様には賛否両論あるかもしれません。
藤原先生も当初はオリジナルキャラなんて出さずに、原作を壊さない物語にしようと考えていたそうです。
ですが、少女漫画誌で連載する意味を考え、最終的にこういう形にしたのだという心情があとがきで明かされていまして……
確かに、少女漫画に恋愛要素は欠かせません。(ギャグ漫画はともかく!)
りぼんを読んでいる読者層に、リトルウィッチアカデミアへ興味を持ってもらうという切り口で考えればこういう脚色も確かにアリでしょう!!
恋愛要素かよ!?と身構える方もおられるでしょうが、それほどべったべたの恋愛ではない、ライトな味付けの一つとして組み込まれている形ですのでそのあたりは心配しすぎなくても大丈夫ですよ!!

それ以外にも見どころ満載になっている本作。
最初は嫌な奴に見えたユートが実際は……という少女漫画のテンプレ的な展開はなんだかんだ言って安心して楽しめますし、お話の展開上どうしても出番の少なくなってしまうロッテやスーシィにも見せ場が用意され、ダイアナもかっこいいところを見せてくれますよ!!
そして、コンテストが終わってお話も終わり、ではない構成も目を惹くところ!
優勝者がマスタークラウンを使って何をするのか?
そういった数々の要素を全1巻で見事にまとめあげているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!