さて、マインとるしあ、その雇い主である美能子を中心に、巻き起こる血なまぐさい事件を描いていく本作。
当たり前のように人が死んでいく本作ですが、果たして今巻ではどのような事件が起こるのでしょうか！？


コンテナターミナルに、一台のトラックが訪れました。
いかにもといった強面の男が、そのトラックを迎え……トラックのコンテナを開きました。
するとそこには、一人では抱えられないくらいの大きさの荷物が入っています。
強面の男二人でそれをどこかに運ぼうとしたのですが、片方の男がコンテナの上に数名の人影を目撃します。
ですがもう一度その人影を確認しようとした時には、もう影も形もなく……
あれは幻覚か何かだったのか、と思ったその矢先のこと。
人影を見た男と一緒に荷物を運んでいた男の頭が……まるでトマトやゆで卵のように、たやすくスライスされてしまったではありませんか！！
やはりあの人影は幻覚ではありません。
取引をしに来ていた男たちは、いつの間にか間近まで忍び寄っていた、筋骨隆々の女襲い掛かられてしまいます。
ローキックで足をへし折り、後ろ廻し蹴りが当たれば肋骨が飛び出し……
瞬く間に男たちは皆殺しにされてしまいます。
その後、リーダー格と思しき顔にクズのある女がゆっくりと現れ、彼らが運んでいた荷物を切り裂き、中身を確認します。
中から出てきたのは……何人かの、幼い子供でした！！
目的はどうやらこの子供たちのようです。
ですが、傷の女はそれを見てつぶやくのです。
一匹、足りない。
……その「一匹」は、コンテナの迷路の中、息を潜めてこの場を離れようとしていました。
まだ幼い、髪の短いその少女は、瞳の中に確かな決意を宿らせ、こうつぶやくのです。
みんな待ってて、絶対助け出してあげるから。

ひろしは、美能子のところへお使いに向かっていました。
マインは入院中、るしあはそのお見舞いに行った後しばらく戻らないとのことで、美能子へのお使いのまま、彼女に厄介になるようです。
その道中、ひろしはデパートによりました。
目を引く、プラモデルやソフビ人形……
ひろしの懐には、るしあから渡されたそれなりのお金があります。
買おうと思えば買えるおもちゃではありますが、「美能子はドケチだから小遣いなんて死んでも出ない、このおかねは大事に使え」という言葉が脳内をリフレイン・
欲望をぐっと抑え、おもちゃコーナーを立ち去るのでした。
そんなひろしの目の前で、騒ぎが起こります。
試着室から一人の少女が飛び出し、そのまま逃げ出していったのです。
来ていた服は、紛れもなくこのお店の商品。
万引きだ、警備員を呼んで！
そんな叫び声が響く中、ひろしは別のことを考えていました。
僕は、知ってる。
あの子は「仲間」だ！！

ひろしは、逃げ出すその子の腕を引き、声をかけます。
こっちだよ、ケテ。
ひろしが彼女をそう呼ぶと、ケテもまたひろしのことをひろし君？と呼びました。
この二人が、知り合いであることは間違いなさそうです。
ひろしはとりあえず、警備員に見つからないように路地裏に身を隠すのでした。

ケテはひろしが死んだと聞かされていたようで、再会に大喜び。
そんな喜びに、安心もあったのでしょうか、三日間何も食べていなかった彼女は、空腹でへたり込んでしまいます。
そこでひろしは、礼のお金を使って彼女に御馳走することに。
おなかも膨れ、ようやく人心地付いたケテ。
ひろしは公園で事情を聞くことにしました。
ひろしたちが閉じ込められていた研究所から、どうやって逃げ出したのか？
そのことを尋ねると、何でも二がしてくれた人がいた、のだとか。
その人が、この国にいる阿我妻博士のところに行けば施設にいるみんなも助けられる、と教わったのだそうです。
しかもケテは阿我妻博士の居場所を知っているとのこと！
ここからは遠いと言いますが、幸いまだひろしの虎のこのお小遣いは残っております。
これで博士のところに行こう！と持ち掛けるのですが……そこにあの、傷の女が現れたのです！！
大人しくコットに来なさい、大丈夫、怖くないから。
いまだかつてこれほど信用できない「怖くない」があったでしょうか！？
警戒してゆっくりと距離をとる二人ですが……背後にはあの筋骨隆々の女が潜んでいました！！
あっさりと捕獲され、万力のような力で絞めつけられてしまうケテ！！
けてをはなせ、とひろしは飛び掛かろうとするのですが、そこに今度は中国的な服を着た男が現れ、ひろしをつかみ上げてしまうのです！！
いくら不思議な力があるとはいえ、戦闘能力が高いわけではないひろしはもはやなすすべなし……
ケテとともに、このまま彼女たちに連れ去られてしまうのか！？
ところがその瞬間のこと。
空から予想だにしない人物が現れ、ケテたちを助けてくれました！！
その人物とは……
まさかのブロンコマスク!!
今までマインたちと幾度となく接触し、命のやり取りまでした彼女が……ひろしたちの命の鍵を握ることになるのでしょうか！？


というわけで、ひろしを中心にしたストーリーが始まる今巻。
本作の始まりはこのひろしとの出会いだったわけですが、そのひろしがらみのストーリーは割と放置され気味でした。
この物語で最も大きな謎であるひろしの真実が明かされるということは、物語もいよいよクライマックスが近づくということなのでしょうか！？

さらに、誰が死んでもおかしくない本作なのですが……今巻でもやはり容赦なく人が死んでいきます。
それは準レギュラー格のキャラクターでも対象になりまして、誰がどうなるのか予測不可能！！
はたして今巻の犠牲者は……！！

そして今巻で、ひろしやケテを作りだした人物であり、マインに改造手術をした人物でもある阿我妻博士が登場！！
物語は一気に盛り上がっていきます！！
基本的に一巻で一エピソードだった本作ですが、このエピソードはどうやら次巻へと続く様子。
この後も見逃せない展開が続きそうですよ！！


今回はこんなところで！
さぁ、本屋さんに急ぎましょう！！